【東区】歴史歩・歩・歩(さんぽ)
ボランティアのおすすめスポット 和白干潟のノリ養殖
博多湾のノリ養殖は明治中期から始まり、湾内の各所で営まれるようになりました。その後一時中断したものの、昭和になって再開され、和白干潟や志賀島においても生産が始まりました。
戦後はノリを網に付ける「網ひび」が導入され、養殖技術の向上と共にノリ養殖は急成長を遂げました。収穫した生ノリを細かく切った後、洗浄・抄(す)き・脱水・乾燥の工程を経て、「博多湾海苔(のり)」の封紙を巻いて、全国に出荷されました。
全盛期には、福岡市の漁業生産高の約5割を博多湾内のノリ養殖が占めていたそうです。しかし昭和57年(1982年)から始まった博多港の港湾整備に伴い、和白干潟のノリ養殖は終わりを迎えました。
今、和白干潟を歩いてもその面影を感じることはできませんが、和白公民館に隣接する和白郷土資料室では、漁具の棚で生ノリを抄(す)くのに使った簀子(すのこ)や封紙などに触れることができます。
資料室では、昔の農機具や生活道具なども展示されており、地域産業の移り変わりを学ぶことができます。
「歩・歩・歩(さんぽ)・会」
山田 次男
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