人権スケッチ 第52回カスタマーハラスメント ~相手を思いやる心を大切に~

 ハラスメント(嫌がらせ)には、さまざまな種類があります。中でも社会問題になっているのが、カスタマーハラスメント「カスハラ」です。立場の弱い従業員に優越感を持った顧客や取引先などが、不当な要求や暴力、罵声を浴びせたりする悪質な行為をいいます。
 厚生労働省の令和2年度の実態調査で、「過去3年間にカスハラを受けた経験」はパワハラ(31.4パーセント)に次いで2番目に多く、15.0パーセントに上りました。
 令和3年度に同省から「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」が発表されました。精神疾患を患うなど健康被害も深刻で、労働災害と認められたケースも多数あります。5年度には労災認定基準が見直され、カスハラが考慮すべき具体例として加わりました。
 しかし、他のハラスメント対策に比べ、企業の反応は鈍いようです。背景に「お客様は神様」という考え方や、「もてなされて当然」という客側の意識があるからだと思われます。誰もが加害者になる可能性があります。
 組織内のトラブルではないため、加害者への措置や未然防止策を講じることが難しいという側面もあります。業務に支障を来すことのないよう、また、従業員を守るため、カスハラ対策に取り組む企業や団体も徐々に増えてきました。まずは、相手を思いやる心を大切にしたいものです。
 
■問い合わせ先/市人権啓発センター 

電話 092-717-1237 

FAX 092-724-5162



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