志賀島の北部の勝馬バス停から山道を約千メートル進んだ島の中央部の「乙子(おとし)の森」に、志賀海神社の末社「乙子神社」がひっそりと鎮座しています。
社(やしろ)の中には、ご祭神とみられる石が祀(まつ)られ、「稚郎子皇子命」の文字が刻まれています。これは、「菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)」のことといわれ、日本書紀には「応神(おうじん)天皇の皇子。仁徳(にんとく)天皇の弟。百済(くだら)から渡来した王仁(わに)らから書物を学び、その聡明さゆえに父から寵愛されたが、兄に帝位を譲るために自殺した」と記述されています。
この社は「稚郎子」の乳母にちなんで建てられたといわれています。妊産婦が乳がよく出るように、また生まれた子どもが健やかに成長するようにひしゃくを供えて祈願したと言い伝えられていますが、定かな史料はありません。
「勝馬」という地名は、神功(じんぐう)皇后が三韓出兵から凱旋した時、この地で馬に乗り皆で祝勝の歓声を上げたことが、由来とされています。
応神天皇は神功皇后の皇子です。勝馬の地に、神功皇后の孫にあたる人物に縁のある神社があると知り、改めて古代の神話の世界に魅了されます。
よかまち よかとこ 歩・歩・歩(さんぽ)
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