市は、暮らしにアートが溶け込み、彩りにあふれたまちを目指す「フクオカアートネクスト」を推進しています。市民の皆さんにアートを身近に感じてもらおうと、9月16日(土曜日)から「ファンウイーク」を開催します。この機会に貴重な作品をご覧ください。
福岡アジア美術館
福岡アジア美術館は、アジアの近現代美術を専門とする世界で唯一の美術館です。アジア各国の巨匠から今注目の現代アート作家まで、その収蔵作品は幅広く、他にも民俗芸術・商業美術など多様な作品を所蔵し、国際的に高い評価を受けています。
■ベストコレクション展
9月14日(木曜日)から来年4月9日(火曜日)にアジアギャラリーで「福岡アジア美術館ベストコレクション展」を開催します。約5000点の美術品の中から、2008年北京五輪の開会式で視覚特効芸術監督を務めたツァイ・グオチアン氏(中国)など、世界に影響を与えた10人のアーティストの作品24点を展示します。アジアを代表するトップアーティストの作品を一挙に公開するのは開館以来初めてです。
この10人の作家の作品を、本紙連載で次号から紹介します。
■第19回アーティスト・イン・レジデンスの成果展
同美術館は、国内外のアーティストを一定期間招へいし、創作活動や作品発表等の機会を提供する「アーティスト・イン・レジデンス事業」を実施しています。
旧舞鶴中学校校舎を活用して造られた、アーティストの支援施設「アーティストカフェフクオカ」は、同事業の制作拠点として使用されています。また、リニューアルした体育館では、大型作品の制作や展示ができるようになりました。
▽レースをつなぎ合わせた大型の立体作品を世界各地で発表するジン・チェ&トーマス・シャイン(オランダ在住)
▽ライブイベントや映像作品の舞台セット等を手掛ける清水美帆氏(東京都在住)
▽鉄をテーマに社会の不穏さや感情を、映像と立体作品で表現する山本聖子氏(福岡市在住)―が7月から制作を行いました。その成果を同施設で9月16日(土曜日)から展示します。
チェ&シャインの作品展示は10月22日(日曜日)までの金・土・日曜・祝日のみ。清水氏と山本氏の作品は9月24日(日曜日)まで毎日展示する他、福岡アジア美術館でも10月22日(日曜日)まで展示します。
見て、触って、自由に作品を楽しんで
市民の皆さんとアーティストカフェで作った作品を体育館に展示します。作品は、制作に携わった人だけのものではありません。作品の下に設置した簡易プールの水面の揺れや、見る人の動きも含めてこの作品が完成します。暗闇の中に浮かび上がる作品に、近づいて触れたり、中に入って歩き回ったりしながら鑑賞してください。
●福岡アジア美術館
【場所】 博多区下川端町リバレインセンタービル7階 電話 092-263-1100 FAX 092-263-1105
【開館時間】 午前9時30分から午後6時(金曜・土曜日は8時まで)。入室は閉室の30分前まで
【休館日】 水曜日(祝日の場合は翌平日)、12月26日から1月1日
【料金】 一般200円、高大生150円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料
●アーティストカフェフクオカ
【場所】 中央区城内三の丸スクエア内 電話 080-2481-5997 メール fukuoka@artistcafe.jp
【開館時間】 午前11時から午後5時
【休館日】 月曜日(祝日の場合は翌平日)
【料金】 無料
市美術館
市美術館は、ミロやダリ、シャガールなど20世紀を代表する作家の作品をはじめ、古美術品から近現代美術品まで、約1万6000点を所蔵しています。
■塩田千春 新作公開
ドイツのベルリン在住で日本を代表する現代美術家・塩田千春氏の新作《記憶をたどる船》が、9月16日(土曜日)から近現代美術室Cで公開されます。
塩田氏は、黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせた作品で知られ、生と死、存在、記憶など、人間の根源的な問題をテーマに表現活動を行っています。新作は、古くから大陸との交流が行われ、世界の人々や文化とつながってきた福岡の歴史に焦点を当てた作品です。
■コレクターズII
9月16日(土曜日)から10月22日(日曜日)、現代美術品のコレクターが所有する貴重な作品35点を展示する「コレクターズII(ツー)」が、近現代美術室Bで開催されます。
ビジョナル取締役CTOで数多くのアート作品を所有する竹内真氏、コレクター歴26年の建築家・武富恭美(やすみ)氏、太宰府天満宮でさまざまなアートプログラムを実施する宮司の西高辻信宏氏が、こだわりのコレクションの中から、えりすぐりの作品を出展します。
1960年代にポップアートの旗手と呼ばれたアンディ・ウォーホルをはじめ、現在ベルリンを拠点に活動するサイモン・フジワラや、ニューヨーク近代美術館にも作品が所蔵される奈良美智など、世界的に有名なアーティストの作品を見ることができます。
●市美術館
【場所】 中央区大濠公園 電話 092-714-6051 FAX 092-714-6071
【開館時間】 午前9時から午後5時半(金曜日・土曜日は8時まで) ※入館は閉館の30分前まで
【休館日】 月曜日(祝日の場合は翌平日)
【料金】 一般200円、高大生150円、中学生以下と市内に住む65歳以上は無料
まちの中でアートを楽しむ
福岡城の櫓(やぐら)などの文化財が残る福岡城史跡エリアや、天神・博多駅などに、個性あふれるアーティストの作品を展示します。
福岡城アートプロジェクト
■特別企画 栗林隆+シネマキャラバン
ドイツで開かれる現代アートの祭典「ドクメンタ」に招かれるなど、世界的に注目される造形作家・栗林隆氏の作品が、9月16日(土曜日)から24日(日曜日)、福岡城跡の三ノ丸広場に登場します。
「作品を見た人が元気になるように」という願いが込められた《元気炉》は、見るだけでなく実際に中に入って体験することができるスチームサウナで、市内で採集した野草をたきます。また、アートのエネルギーを届ける「タンカープロジェクト」の展示も行います。
【日時】 9月16日(土曜日)から24日(日曜日)午後6時から午後11時
※スチームサウナ体験は、16日(土曜日)、17日(日曜日)、21日(木曜日)、24日(日曜日)午後7時から午後10時のみ
また、16日(土曜日)午後7時から、栗林氏と共に活動するクリエイター集団「シネマキャラバン」の代表で写真家の志津野雷氏が世界を旅した記録映像を、オーケストラの生演奏とともに上映します。翌17日(日曜日)午後7時からは、栗林氏と志津野氏のトークイベントも行われます。両日ともキッチンカーとバーで飲食も楽しめます。
■福岡現代作家ファイル2023
福岡で活動する若手アーティスト5人が作品の展示やパフォーマンスを行います。
有望な若手アーティストを表彰する「福岡アートアワード」の受賞者である鎌田友介氏やチョン・ユギョン氏をはじめ、名もなき実昌氏、長野櫻子氏、ソー・ソウエン氏の作品が披露されます。
【日時】
▽9月16日(土曜日)から24日(日曜日)
▽9月29日(金曜日)から10月22日(日曜日)の金曜・土曜・日曜・祝日
※いずれも午前11時から午後5時
ウオールアートプロジェクト
天神や博多駅周辺などの建設現場の仮囲い等を活用し、市が募集した「フクオカウオールアート賞」の受賞作品を9月18日(月曜・祝日)から順次掲出します。
福ビル街区(中央区天神一丁目)や、西日本シティ銀行本店本館(博多区博多駅前三丁目)の建設現場などで見ることができます。
9月22日(金曜日)から24日(日曜日)にマリンメッセ福岡B館で行われる「アートフェアアジア福岡」で、受賞作品の展示・販売も行います。詳細は、文化振興課(電話 092-711-4969 FAX 092-733-5537)に問い合わせを。
このほか、市内九つのカフェに、日本を代表する洋画家・野見山暁治氏や国際的に活躍した彫刻家・豊福知徳氏など、福岡ゆかりの美術家の作品が展示される「アート×コーヒー福岡散歩」なども開催されます。
各イベントの詳細は、ホームページ(「ファンウイーク2023」で検索)や、情報プラザ(市役所1階)、各区役所情報コーナー、入部・西部出張所で配布するリーフレットで確認を。
■【問い合わせ先】
アートのまちづくり推進担当
電話 092-707-3779
FAX 092-733-5537
AFAF ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023
過去最多の117ギャラリーが出展 アートフェアアジア福岡
現代アートの展示や販売を行う「アートフェアアジア福岡2023」が、9月22日(金曜日)から3日間、マリンメッセ福岡B館(博多区沖浜町)で開催されます。今年は、韓国、香港、台湾、アセアン諸国など、初出展の51ギャラリーを含む総勢117のギャラリーが集結します。
会場は、
▽アジアの多彩なアート作品
▽ギャラリー一押しの作品
▽新進気鋭の日本人アーティストの作品―等のエリアで構成されます。
詳細は、ホームページ(「アートフェアアジア」で検索)でご確認ください。
【日時】 9月22日(金曜日)午後2時から7時、23日(土曜日)午前11時から午後7時、24日(日曜日)午前11時から午後5時
【料金】 3日間通し券3,000(前売り2,500)円
【問い合わせ】
アートフェアアジア福岡事務局
電話 050-5896-3126
メール info@artfair.asia
アートの力をテーマにしたトークセッションを開催
「アートで創る福岡/アジアの未来」
市は、9月24日(日曜日)正午から午後4時に、マリンメッセ福岡B館(博多区沖浜町)で、トークセッション「アートで創る福岡/アジアの未来」を実施します。これは、令和7年開催の大阪・関西万博を地域から盛り上げようと、大阪府と千葉県と共にスタートさせる「地域カンファレンス」の第1弾です。市長と、万博プロデューサーの小橋賢児氏・宮田裕章氏(慶應義塾大学教授)、チームラボ代表の猪子寿之氏、現代美術史家の沓名(くつな)美和氏の5人が登壇します。
また、吉村洋文大阪府知事や、各分野のクリエーター・作家が集まり、
▽万博
▽クリエーティブ
▽クラフト
▽観光誘客―
について、分科会で未来を語ります。詳細は、ホームページ(「万博 福岡カンファレンス」で検索)で確認するか、アートのまちづくり推進担当(電話 092-707-3779 FAX 092-733-5537)へ。
【場所】 ペイペイドーム(中央区地行浜二丁目)