【西区】―宮崎安貞(やすさだ) 生誕400年―

 7月24日は「農業全書」の著者で女原(みょうばる)地区の開墾事業にも尽力した宮崎安貞の生誕400年顕彰祭が開催されます。郷土の偉人の業績を守り継ぐ、地域の取り組みを紹介します。

◆宮崎安貞とは
農業全書写真
 1623年(元和9年)に広島に生まれた宮崎安貞は、福岡藩に仕えた後、若いうちに隠居して、長年諸国を巡ります。晩年は西区女原に移り住み、わが国で最初に刊行された「農業全書」(県指定有形文化財)を記したほか、女原地区の開墾事業に尽力し、地域には『宮崎開き』という言葉が伝えられています。
 女原には、宮崎が使用した書斎や墓石があり、彼を偲ぶ顕彰碑も建てられています。

◆昭和38年に「宮崎安貞翁顕彰会」が発足
顕彰祭実行委員会の様子写真
 宮崎の偉業を伝えようと、昭和38年に「宮崎安貞翁顕彰会」が発足しました。同会は農業全書を所有し、自治協議会と共に書斎や墓地の補修等に取り組んでいます。毎年、命日に合わせて「宮崎安貞翁顕彰祭」を開催し、法要を行っています。
 6月10日に、生誕400年顕彰祭実行委員会が行われ、顕彰祭当日の段取りや招待者、配布資料等について話し合われました。
 顕彰会の赤池成昭会長は「先達がつないできたものを、次の世代につないでいかなければなりません。書斎の障子や漆喰の手入れなど、私たちがすべきことをしていこうと思います。地域外からも、たくさんの子ども達が訪れてくれたらうれしいです」と話します。
顕彰会の赤池成昭会長写真
◆次世代への継承
宮崎安貞書斎(県指定史跡)写真
 月に3回の墓石と顕彰碑の清掃、月に1回の書斎の手入れを行うのは、史跡管理人の三島新利さんです。
「雑木林に囲まれた墓石は落ち葉の掃除が欠かせない」と話す三島さん写真
 三島さんは、先代から引継ぎ、約40年間管理業務を行っています。また、宮崎に関する資料を元に、社会科見学に来た地域の小学生や、シニアクラブなどの団体に、ボランティアで講話を行い、宮崎の業績を語り継ぐ役目も担っています。
 顕彰祭に合わせて、市総合図書館では、9月30日(土曜日)まで、パネル展示「農業全書と宮崎開き―語り継がれる宮崎安貞の功績―」を開催しています。 
宮崎安貞書斎・顕彰碑、墓所地図
【問い合わせ】 
▽記事に関すること
企画振興課 
電話 092-895-7007 
FAX 092-885-0467

▽パネル展示に関すること
市総合図書館(早良区百道浜三丁目) 
電話 092-852-0634 
FAX 092-852-0609










 








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