「もーもーらんど(油山牧場)」 と「油山市民の森」が、「ABURAYAMA FUKUOKA(アブラヤマ フクオカ)」として生まれ変わります。リニューアル第1期として4月に誕生した、新たな施設を紹介します。
市の南部に広がる油山(標高597メートル)は、市街地から車で約30分の場所にありながら、豊かな自然と眺望の良さが特徴で、身近なレクリエーションの場として市民に親しまれています。
■二つの施設を一体的に活用
油山のほぼ中腹に位置する「油山市民の森」は、自然観察センターや展望台、吊り橋、水遊びができる「水の森」などがあり、緑豊かな自然を満喫できます。
また、市内酪農家の子牛を育てる公共育成牧場「油山牧場」は、家畜と触れ合える「観光牧場」として人気です。「こどもひろば」には、ローラースライダーなどの遊具施設もあります。
施設の開設から市民の森は50年、観光牧場は25年が経過したことから、市は二つの施設を一体化し、複合体験型アウトドア施設「アブラヤマ フクオカ」としてリニューアルオープンさせました。
■リニューアルオープンした施設
キャンプ場やバーベキュー場、農園、レストラン、アウトドアショップ、カフェなどがオープンしました。これまで通り、牛の乳搾りや、羊、ヤギへの餌やり、乗馬などの体験もでき、大人も子どもも楽しめます。
●キャンプ場
6人まで利用できる「フリーサイト」(25区画・6050円から)と「区画電源オートサイト」(25区画・7150円から)が牧場側に、「ソロキャンプサイト」(15区画・4400円から)が森の中にあります。それぞれ車1台まで乗り入れ可能です(ごみ処理料、シャワー使用料込み)。※来年春にドッグランサイトとドッグランコテージも開業。
●森のバーベキュー
最大約200人が利用できるバーベキュー場がソロキャンプサイトの近くに誕生しました。自身で道具や食材を持ち込んで楽しめます(1区画3時間まで2200円、7時間まで4400円)。 ※道具のレンタルもあり。食材の提供は夏ごろ開始。
インフォメーション
(総合案内所)
各種体験受け付け、巡回車乗車券販売、ベビーカー・車いすレンタル、落とし物・迷子の案内、救護室、駐車場割引処理 ※駐車場割引処理は市民の森側の「自然観察センター」でも対応
●貸し農園「シェア畑」
「シェア畑」には、農具や種・苗、肥料などが完備されています。経験豊富な菜園アドバイザーの指導の下で、気軽に野菜作りが始められます。 ※1カ月当たり3平方メートル(2畝)=8000円、4・8平方メートル(3畝)=1万円。入会金1万1000円。
●体験型観光農園「四時(しいじ)農場」
4月から6月はカブやスナップエンドウ、7月~9月はトマト、ナス、ピーマンなど、四季折々の野菜の収穫体験ができます(1人2090円)。
収穫した野菜を使って、特製石窯で焼いたピザを楽しめるコースもあります(1人2970円)。
●ストア・レストラン・カフェ
農園併設の「レストラン ソラ」や、出来たてのチーズが楽しめるカフェ「チーズスタンド」のほか、アウトドアショップ「スノーピーク」、カフェ「スターバックスコーヒー」がオープンしました。スノーピークでは、テントやキャンプ道具のレンタルも行います。
「森のキオスク」では、ソフトクリームや軽食のほか、キャンプに必要な日用品や、Tシャツなどのオリジナルグッズも販売しています。
これらの店舗のデザインには、地域産の木材が活用されています。店舗の生ごみを堆肥化するなど、自然環境に配慮した取り組みも行っていきます。
牧場エリアから市民の森エリアへの移動(約1・5キロ)は、園内巡回車をご利用ください(平日8往復、休日14往復。片道約10分)。なお、バーベキュー場利用者は無料で乗車できます。料金 平日200円、土日祝日無料 ※小学生半額、未就学児無料。
■今年夏から来年春開業の施設・サービス
今年夏に、アウトドアショップ「クロスオレンジ」や、市民の森の旧管理棟2階をフルリノベーションした、緑あふれるシェアオフィス「Qネイチャー」がオープンします。
また秋には、油山の自然を生かした自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」や、森の中をマウンテンバイクで滑走する「トレイルアドベンチャー」が開業します。
来年春には、ヴィラ2棟、コテージ5棟、テント10棟を擁する宿泊施設エリア「スノーピーク ヤケイ スイート」がオープンします。
油山は、自然の魅力を満喫しながら、「暮らす・遊ぶ・働く・学ぶ・整う・感じる」など、さまざまな体験ができる場所へと進化を続けます。
記事に関する問い合わせは、森づくり推進課(電話 092-711-4846 FAX 092-733-5583)へ。
Fukuoka Green NEXTみんなで守り・楽しみ・生かす都市ふくおかの森づくり
福岡市は、市域面積の3分の1を森林が占めています。自然と都市とがコンパクトに調和し、森林の存在と価値を身近に感じることができます。
●100年後の未来を見据えて
森林は、山から海につながる水の循環を生み、山のミネラルが博多湾の海産物を育みます。また、二酸化炭素の吸収や生物の多様性、災害防止、リフレッシュやレクリエーションの場、そして木材等の生産など、SDGsの目標達成に貢献する多面的な機能を有しています。
市は、森林の持つ機能をさらに高め、快適で豊かな市民生活が持続できる環境を次の世代に残していくための取り組み「福岡グリーンネクスト」を推進しています。福岡グリーンネクストをけん引するプロジェクトとして、油山のリニューアル事業に取り組んでいます。
木は、製材後に乾燥させることで強度を備えた木材となり、建築材料等に活用されます。天然乾燥の場合、通常半年~1年の期間が必要です。
油山の間伐材を製材し乾燥させる間、ベンチとして有効活用しています。この「油山ウッドベンチ」は、乾燥が完了すると、おもちゃなどの木製品として生まれ変わります。
ABURAYAMA FUKUOKA
(アブラヤマ フクオカ)
【場所】 南区柏原710-2(牧場側)、南区桧原855-4(市民の森側)
電話 050-3496-6397
【開館時間】 午前9時から午後6時
【休館日】 第1・3水曜日(祝日の場合は翌週の水曜日)
●車でのアクセス
福岡都市高速「堤ランプ」から約7km(約12分)。
【駐車台数】
930台
【駐車時間】
午前9時から午後6時
【駐車料金】
▽普通自動車=入庫から3時間まで300円、以降1時間ごとに100円▽大型自動車(1日限り)=2,000円▽バイク・自転車=無料
油山の由来
天平年間(729年から749年)、西域(インド)から渡来した僧・清賀上人が、山に群生する白椿の実を搾った油を日本で初めて精製しました。油山の名前は、清賀上人が人々に椿油による灯火の方法を伝えたことに由来するといわれています。
臨時バス情報
3月から11月の土日祝日に臨時バスが運行されています(1日6便)。
西鉄バス「福大正門前」(地下鉄福大前駅1番出口すぐ)から「ABURAYAMA FUKUOKA(牧場側)」。
【運賃】
大人210円、子ども110円