博多座を楽しもう

博多座では平成11(1999)年の開業以来、年間を通して多彩なジャンルの演目が上演されています。私たちを非日常の世界へいざなってくれる博多座の魅力を紹介します。
舞台から見た客席の写真
 博多座の楽しみ方を支配人の佐藤慎二さん(61)に聞きました。
支配人の佐藤慎二さん
 博多座は、歌舞伎をはじめ、ミュージカルや演劇などさまざまな公演を行う、常設の演劇専用劇場です。国内で評価の高い旬の演目を上演しています。訪れる人に特別な一日を過ごしてもらおうと、内装にもこだわっています。1階ロビーの大理石の床や天井のシャンデリア、馬蹄(ばてい)階段などが気分を高めてくれます。
 ジャンルを問わず、さまざまな公演を行える博多座は、いわば「いいとこ取り」の劇場と言ってもいいでしょう。その理由は、博多座ならではの設計にあります。例えば座席が可動式のため、歌舞伎では花道を、ミュージカルではオーケストラピットなどを設置し、演目に合わせて仕様を変えることができます。
 客席(最大1500席)とほぼ同じ面積の広い舞台を備えているため、大掛かりな舞台装置の使用が可能です。平成21年には、それまで東京の帝国劇場でしか上演できなかったミュージカル『ミス・サイゴン』の地方公演が初めて博多座で行われ、実物大のヘリコプターが登場する演出で話題になりました。
 
●演者と観客の一体感
 ロビーから客席へと向かう馬蹄階段
客席と舞台が近いのも魅力です。最後列の客席からでも舞台がよく見えます。舞台上からも観客の反応がよく分かると、出演者にも好評です。
 今は亡き中村勘三郎さんが、『四谷怪談』でお岩を演じた時、毒を飲む場面で、客席から「飲まないでー」という声が上がったことがあります。それほどまで芝居の世界に入り込める福岡の皆さんに接し、勘三郎さんは、「役者冥利(みょうり)に尽きる」と喜ばれました。福岡のまちが博多座や役者さんを育んでいるのかもしれません。
 前方の客席には、舞台に向かって左側に歌舞伎俳優が出入りする花道がある
●話題の舞台が続々登場
 
昨年の舞台『千と千尋の神隠し』には、子どもから高齢の方まで幅広い世代の皆さんが来場されました。演劇ファンだけでなく、スタジオジブリのファンなど、これまで博多座とは縁のなかった人たちが演劇に触れるきっかけにもなりました。
 今年の歌舞伎公演は、2月に『二月花形歌舞伎 新・三国志 関羽篇』、6月に『六月博多座大歌舞伎』、9月に 『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演』を行います。
 また、4月に舞台『キングダム』、5月にミュージカル『SPY(スパイ)×FAMILY(ファミリー)』と、人気コミックを原作にした作品を上演します。博多座初出演の俳優も多く登場しますので、ご期待ください。
 これまで育まれてきた福岡の演劇文化を未来につなぐため、歌舞伎などの古き良き芸能は残しつつ、新しいスタイルの演目も取り入れていきます。スタッフ一同、皆さんに満足してもらえるよう、努力していきます。ぜひ博多座にお越しください。
 各公演の詳細は、博多座(博多区下川端町 電話 092-263-5858 FAX 092-263-3630)へ問い合わせるか、ホームページ(「博多座」で検索)でご確認ください。

博多座 今年のラインナップ
今年のラインナップは以下参照今年のラインナップは以下参照
日程 演目
2月5日から19日 二月花形歌舞伎『新・三国志 関羽篇』
2月21日 三代目猿之助監修『夢見る力-特別舞踊公演-』
2月25日から27日 音楽劇『歌うシャイロック』
3月4日から5日 市村正親ひとり芝居『市村座』
3月11日から15日 ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』
3月18日から27日 舞台『巌流島』
4月2日から27日 舞台『キングダム』
5月3日から21日 ミュージカル『SPY×FAMILY』
5月26日から28日 ブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』
6月未定 『六月博多座大歌舞伎』
7月1日から23日 『泣いたらあかん』
7月27日から8月6日 『水谷千重子50周年記念公演』
9月未定 『市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿襲名披露』
9月未定 舞台『最高のオバハン 中島ハルコ』
12月 市民檜(ひのき)舞台の月
※8日、10日、11月は演目を選定中

12月は博多座の舞台を市民に開放
 地元で舞台芸術活動を行う市民に日頃の活動の成果を披露してもらおうと、毎年12月を「市民檜(ひのき)舞台の月」と称し、博多座の舞台を市民に開放しています。昨年は、創作舞踊や、タップダンスと生ジャズバンド演奏のショーなどが披露されました。

支配人お薦め
博多座の楽しみ方

●歌舞伎鑑賞はイヤホンガイドがお薦め
 
イヤホンガイド(800円)は、登場人物や時代背景、あらすじなどの同時解説を聞くことができるサービスです。劇場エントランスと客席1階ロビーで借りられます。

●座席は自分の好みに合わせて選ぼう
 
好きな役者や、オーケストラの演奏を近くで見たいときは前方の席、舞台の隅から隅まで見渡したいときは2階席など、好みに合わせて座席を選ぶとさらに観劇が楽しくなります。

●幕あいも楽しもう
 ブランケット
休憩時間の幕あいには、弁当を食べたり、土産を買ったりしておくつろぎください。博多座限定のスイーツや、ブランケット(2,000円)などオリジナルグッズも販売しています。

二月花形歌舞伎『新・三国志 関羽篇』市川猿之助さん、市川團子(だんこ)さんインタビュー
 役者さんの写真
平成12年の公演で好評を博したスーパー歌舞伎『新・三国志』が、「関羽篇」として博多座に再登場します。歴史に名を残す英雄たちの戦いや忠義、友情などを盛り込み、三国志を恋愛物語に仕立てた作品です。
 
【日時】 2月5日(日曜日)から19日(日曜日) 

【料金】 A席1万6000円、特B席1万2000円、B席9000円、C席5500円 

【問い合わせ】 博多座電話予約センター 

電話 092-263-5555 

FAX 092-263-3630
 
本作の演出を手掛け、関羽役を勤める市川猿之助さんと、関平役の市川團子さんに話を聞きました。
 
ー今回のストーリーは?
 
猿之助 後漢末期、劉備(りゅうび)に仕えた関羽に焦点を当て、前作の世界観はそのままに、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国の戦いをより分かりやすく、スピーディーに描きます。三国志を知らない人にも楽しんでもらえるよう、映像を使った演出なども取り入れています。歌舞伎独特の言い回しもないので、老若男女、多くの皆さんに楽しんでもらえると思います。
 
ー演じる人物像は?
 
猿之助 関羽は、人と人との輪を大切にして、人の心に訴えていくような平和主義者です。今の時代に必要なキャラクターだと思います。
 團子 関平は、養父である関羽を慕い、一生懸命ついていく人物です。前作で猿之助さんが演じた役を任され、光栄です。
 
ー見どころを教えてください。
 
團子 大量の水を使った滝の中で大立ち廻(まわ)りをします。実は福岡生まれで、博多座の舞台に初めて立つので、楽しみにしています。
役者さんの写真
 猿之助 関羽を演じる私は、桃の花びらが舞う中、観客の皆さんの頭上を「斜め宙乗り」します。博多座は、宙乗りが映える劇場なので、2階席や3階席からもきれいに見えますよ。ぜひ劇場でご覧ください。
 2月21日(火曜日)には市川猿之助さんの監修で、新・三国志に出演する若手俳優陣による「夢見る力‒特別舞踊公演‒」が行われます。詳細は、博多座のホームページでご確認ください。
市川猿之助さんと市川團子さん
プレゼント
 
2月19日(日曜日)午前11時開演の『新・三国志関羽篇』の観劇券をペアで3組に差し上げます。はがきに住所、氏名、年齢と、最近うれしかったことを書いて、2月6日(必着)までに広報課「博多座」係(〒810-8620住所不要)へ。当選者に2月10日ごろ直接招待券をお送りします。











 












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