年末年始を安全・安心に

今年も残りわずかとなりました。市民の皆さんが、事件や事故に巻き込まれることなく元気に新年を迎えられるよう、生活の中で心掛けたいこと、気を付けたいポイントなどをまとめました。家族や仲間と声を掛け合いながら、被害から身を守りましょう。
 年末年始の注意点について、防犯交通安全課の古賀清貴係長(38)に話を聞きました。
 慌ただしい年末には、どうしても事件や事故が増えてしまいます。少し意識するだけで防げる事案もありますので、犯罪の傾向と気を付けるべきポイントを確認しましょう。
 古賀清貴係長
●年末に発生する事件・事故
 
一年の締めくくりに仲間と食事を楽しむ人も多いでしょう。これからしばらくは、飲酒の機会が増える時期です。少しでもお酒を飲んだら絶対に車を運転しないでください。
 自転車も同様です。少しだから、自転車だからという甘えは通用しません。飲み過ぎて道路で寝てしまったり、転んでしまったりして事故に遭うことも考えられます。後悔することのないよう適量を心掛け、楽しい時間を過ごしてください。
 近頃、天神や博多駅界隈で客引きによるトラブルが急増しています。歩いている人に話し掛け、付きまとった挙げ句、半ば強引に連れて行きます。提案された料金と実際の料金が、大きく異なる場合もあります。
 市は、定期的に警察や地域の皆さんとパトロールなどを行っていますが、甘い言葉で誘ってきたり、執拗に付きまとったりする悪質業者は、きっぱり断り利用しないようにしましょう。
 年の瀬には、先を急ぐあまりに道路を斜めに渡ったり、信号を無視したりする人の姿を多く見かけます。遠回りでも横断歩道を渡り、交通ルールを守りましょう。暗くなるのも早いため、できるだけ明るい色の服装で、反射材を身に着けるなどして周りに認識されやすい工夫をしてください。
 注意喚起チラシのイラスト
●SNSの出会いから被害に
 
これまで性犯罪といえば、暗い夜道で後を付けられ―というイメージでしたが、今は、SNS(会員制交流サイト)やアプリを利用した性犯罪が増えています。被害者の多くが10代もしくは20代の女性で、やりとりを重ねるうちに親近感を抱いてしまうのかもしれません。
 犯罪者は、良き理解者のふりをして近づいてきます。SNSで知り合った相手にも、油断しないようにしてください。
 
●ニセ電話詐欺に注意を
 ニセ電話詐欺被害者等のグラフ
年末、最も注意してほしいのが、ニセ電話詐欺です。最近は、子や孫を思う気持ちにつけ込んだ「オレオレ詐欺」が再び増えています。「携帯をなくした」「風邪をひいて声が出ない」は、オレオレ詐欺の常とう句です。さまざまな職種をかたる人たちが複数登場し、話の内容も複雑で驚くほど巧妙になっています(3面参照)。
 銀行や店舗などの団体で構成する「ニセ電話気づかせ隊」等が、1月~6月に県内で252件、2549万円の詐欺を阻止しました。電話でお金の話になったら、一度電話を切って、必ず家族や警察、区役所など、周囲の人に相談してください。
 被害者の約8割が65歳以上の高齢者です。被害に遭った高齢者は、ショックから立ち直れないうちに家族にも責められ、2度つらい思いをします。これを読み終えたら、親や友人、大切な人たちに注意喚起の電話をしてください。その一本の電話が、大切な人を救うかもしれません。
 年末には、ひったくりや空き巣なども増えます。大切な財産を守るためにも、気を引き締めて過ごしましょう。心穏やかにすがすがしい新年をお迎えください。
 
■問い合わせ先/防犯・交通安全課 

電話 092-711-4054 

FAX 092-711-4059

飲酒運転撲滅飲酒運転はしないさせない絶対許さないそして見逃さない
 飲酒運転撲滅のイラスト
●飲酒運転を見かけたら
 ふらつきながら走る車両や、酒に酔った状態の人が車の運転席に乗り込むところを見た場合には、迷わず警察に通報をお願いします。
 「飲酒運転はしない、させない、絶対許さない、そして見逃さない」を徹底してください。
 ●残り酒運転に注意
 残り酒(二日酔い)運転も飲酒運転です。睡眠中は肝臓の機能が低下し血流も弱くなるため、アルコールの処理に時間がかかります。翌朝、少しでもお酒が残っていると感じるときは運転をやめましょう。翌日車を運転することが分かっている場合は、前日にお酒を控えることも大切です。
 また、飲んだ後「ひと眠りしたから大丈夫」「お風呂やサウナで汗を流したから大丈夫」という認識は誤りです。飲酒後の運転は絶対にしないでください。
 ビール(500ml)1杯分のアルコールを消化するのにかかる時間は、男性で約4時間、女性で約5時間といわれています(個人差あり)。焼酎(1:1の水割りを200ml)、日本酒(1合)、ワイン(200ml)でも同じ時間がかかります。
アルコール処理時間を示すイラスト
警固公園安全安心センターにデジタルサイネージ寄贈
 デジタルサイネージを囲む宅建協会の皆さんと市職員
地域団体の自主防犯活動などに利用されている「警固公園安全安心センター」(中央区天神二丁目)に、福岡県宅地建物取引業協会中央支部から、デジタルサイネージ(電子掲示板)が寄贈されました。
 同協会からの寄贈は、平成25年に続き2度目です。多くの人に広報できるよう音声機能が付いており、主に防犯・交通安全に関する内容を放映しています。これからも、地域団体や事業者の関係機関と連携しながら、市民の皆さんと一緒に地域防犯活動の促進に努めていきます。同センターの利用については中央区総務課(電話 092-718-1056 FAX 092-714-2141)へ。

「電話でお金は全て詐欺」ニセ電話にはだまされない
 
●通帳やカードを狙う手口
 
百貨店従業員や警察官等を装って、キャッシュカードや通帳をだまし取ったり、すり替えて盗んだりして、口座を不正に利用する事案が横行しています。銀行協会等を名乗る人物が自宅を訪れ、カードや通帳を封筒に入れ、封印のために印鑑を取りに行かせます。その隙に、封筒をすり替える手口です。通帳やカードを他人に渡したり、暗証番号を教えたりしないでください。
 
●還付金詐欺
 
「市役所です。介護保険料を払い過ぎています。返還の手続きをしますのでATM(現金自動預払機)に行ってください」と電話で言われ、ATMの前で折り返すと「言う通りに操作してください。お客様番号は……」と考える隙を与えず、相手の口座に送金させます。ATMを操作しても還付金は受け取れません。
 
●架空請求詐欺
 
有料動画サイト等の未納料金を電話やメールで請求し、コンビニエンスストアで電子マネーカードを購入させ、利用権をだまし取る手口が多発しています。電子マネーで料金の支払いを求めることはありません。実在する企業をかたる不審なメールや身に覚えのない請求等は、無視してください。
 また、老人ホームの名義貸しによる高額詐欺事件も発生しています。「入居希望者のために名義を貸してほしい」と頼まれ、引き受けると後日、「逮捕される」と不安をあおり、解決金や示談金と言ってお金を要求してきます。「お役に立てるなら」という親切心に付け込んだ手口です。
 公的機関等が自宅にお金やカードを取りに行ったり、公園などに誘い出したりすることはありません。知らない人には、お金を渡さないでください。
 
■問い合わせ先/防犯・交通安全課 

電話 092-711-4054 

FAX 092-711-4059

犯人がなりすました職種の例
(令和4年1月~6月 福岡県警調べ)
・金融機関関係職員…72件
・市区町村職員…59件
・警察官…21件
・百貨店従業員…11件
・親族…11件
 ※同一事案で異なる職種が登場した場合はそれぞれ計上(市区町村職員の後、金融機関職員から電話があったなど)。

《詐欺被害に遭わないために》
 次の対策を心掛けましょう。
 ▽公的機関の職員を名乗ったら、部署や氏名を確認する
 ▽キャッシュカードや通帳を渡さない
 ▽暗証番号を教えない
 ▽身に覚えのない請求には応じない
 ▽メール等に表示された連絡先に電話しない

電話詐欺防止に「まっ太フォン」
 
まっ太フォンは、ニセ電話詐欺に対する被害防止機能が付いた電話機の総称です。▽登録した迷惑電話の着信拒否▽会話を録音することを事前警告▽いざというときは自動録音―などの機能があり、家電販売店で購入できます。
 留守番電話機能が付いている場合は、普段から留守設定にして相手を確認してから電話に出ましょう。

ニセ電話詐欺 犯人の声
 ニセ電話詐欺犯人の声イラスト
福岡県警のユーチューブチャンネルで、県内で発生した還付金詐欺犯の実際の音声を聞くことができます。防犯にお役立てください。

消費者トラブルを防ごう ~多く寄せられた事例~
 
インターネットの普及や新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増え、通信販売やインターネット関連のトラブルが増えています。
 また、高齢者を狙った悪質商法や、社会経験が乏しい若者の被害も拡大しています。だまされないために、事例やその対処法などを知り、周りの人たちと共有しておきましょう。困ったときは、一人で悩まず、下記の消費生活センターにご相談ください。

不用品の無料回収のはずが高額請求
 
無料回収や格安料金をうたって巡回している業者やチラシ・ネットなどで見た業者に不用品回収を依頼すると、積み込み後に高額な費用を請求されることがあります。
 不用品の処分は、市の許可を受けた業者に依頼するか、粗大ごみに出しましょう。業者については、市ホームページ(「福岡市 許可業者」で検索)で確認するか、市事業用環境協会(電話 092-432-0123)に問い合わせを。

訪問買い取り、目的は貴金属?
 
「不要になった服や靴を買い取ります」と訪問買い取り業者から電話があり、お願いしたところ「宝石や貴金属はないか」と居座られ、断りきれずに安価で宝石を売ってしまったが、返してほしいという相談が相次いでいます。
 事前に依頼した物以外の買い取りを要求されたら、きっぱり断りましょう。業者が帰らない場合は、警察に連絡を。訪問業者に依頼するときは、複数人で対応してください。訪問での売却はクーリング・オフ(下記参照)も可能です。

お試しのつもりが定期購入に
 
テレビショッピングやネット広告等を見て、初回お試し料金で、1回だけのつもりで注文したのに、その後2回目が送られてきて、高額な請求をされたという相談が非常に多く寄せられています。通信販売はクーリング・オフの対象外です。注文する前に、契約内容や解約条件等をよく確認しましょう。

クーリング・オフ
 
訪問販売や電話勧誘で契約した場合は、契約後8日間以内であれば無条件に解約できます。解約通知は記録が残る方法で行いましょう。※連鎖販売取引(マルチ商法)や内職・モニター商法等は20日間以内。
 店舗での購入や通信販売等は、原則クーリング・オフの適用外です。

市消費生活センター困ったときは、一人で悩まず、まず相談!
 
市消費生活センターは、さまざまな消費者トラブルの相談・苦情の受け付けや、解決に向けた助言・あっせんなどを行っています。
 
【場所】 中央区舞鶴二丁目あいれふ7階 

電話 092-781-0999(相談専用) 

FAX 092-712-2765 

【開館時間】 平日午前9時から午後5時、第2・4土曜日午前10時から午後4時(祝休日を除く)※土曜日は電話相談のみ。12月29日から1月3日は休み。






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