3年ぶりに「山笠(やま)」がまちを駆け抜ける博多祇園山笠

福岡を代表する夏の祭り「博多祇園山笠」が、7月1日(金曜日)から始まります。今年はコロナ禍で延期されていた舁(か)き山笠行事も3年ぶりに復活します。

3年ぶりの舁き山笠へ「オイサッ!」
博多祇園山笠振興会会長の写真
博多祇園山笠振興会会長・武田忠也さん
 毎年7月1日から15日まで、絢爛(けんらん)豪華な「飾り山笠(やま)」と、勇壮に走る「舁き山笠」で、博多のまちは祭り一色に染まります。
 新型コロナウイルスの影響で、一昨年、昨年と、苦渋の決断で舁き山笠行事が延期されました。舁き山笠の延期は、第二次世界大戦で中断され、昭和23(1948)年に復活して以来のことです。
 それでも飾り山笠は、一昨年は櫛田神社境内に、昨年は市内12カ所に建ちました。そして今年は、3年ぶりに舁き山笠が博多のまちを駆け抜けます。
 そもそも博多祇園山笠は、疫病退散を願い、祈祷(きとう)水をまいて清めたことに由来する祭りです。今年は「何が何でも」という気持ちで、祭りの成功に向けた準備が進んでいます。祭りの参加者は、徹底した体調管理を行い、万全な感染症対策を講じて安全安心な祭りを目指します。
 舁き山笠行事は、各局のテレビ中継のほか、インターネットの動画配信等も行われます。市民の皆さんも、自宅で舁き山笠の臨場感ある映像をご覧になるなど、感染拡大防止にご協力をお願いします。
山笠写真
博多祇園山笠の主な行事

飾り山笠
飾り山笠写真 
飾り山笠は、神を招き入れる「ご神(しん)入れ」の後、7月1日(金曜日)朝から15日(金曜日)未明まで市内13カ所で公開されます。
 合戦物や神話、テレビの人気者などを題材に、博多人形師が精魂込めて制作しています。
 飾り山笠を見学する際は、会場周辺での飲食は禁止です。マスクの着用や、観客同士で十分な距離を取るなど、感染症対策にご協力ください。

舁き山笠
 
一般的な祭りでは、「神輿(みこし)を担ぐ」といいますが、博多では「山笠を舁(か)く」と表現します。
 舁き山笠が動き出すのは、各流(ながれ)の区域内を走る10日(日曜日)の流舁きからです。流とは、豊臣秀吉の「太閤(たいこう)町割り」によってつくられた博多のまちの自治組織のことです。現在、七つの流で山笠を運営しています。
 12日(火曜日)の追い山笠馴(な)らしでは、櫛田神社から奈良屋町の「廻(まわ)り止め」まで約4キロを七流が順に舁き出します。
 13日(水曜日)の集団山笠見せは、舁き山笠が博多を出て市内中心部に入る唯一の行事です。市役所までの往復計約2.1キロを走り、往路は台上がりを地元の名士らが務めます。
 そして、15日(金曜日)の追い山笠の奉納で祭りはクライマックスを迎えます。午前4時59分、今年の一番山笠の恵比須流が太鼓の合図とともに櫛田神社の境内に入り、「祝いめでた」をうたい終えると、博多のまちへ飛び出します。5時5分に二番山笠、その後5分おきに三番山笠から七番山笠まで順に舁き出し、櫛田神社から須崎町の廻り止めまで、約5キロのコースを走り抜けます。
 博多祇園山笠に関する情報は、公式ホームページ(「博多祇園山笠」で検索)でご確認ください。
 山笠マップ
■問い合わせ先/博多祇園山笠振興会 

電話 092-291-2951 

FAX 092-711-4354

山笠の起源
 
博多祇園山笠は、博多の総鎮守・櫛田神社の奉納行事です。仁治2(1241)年の鎌倉時代、承天寺の開祖・聖一(しょういち)国師が、当時博多に流行した疫病を退散させるため、町人たちが担ぐ「施餓鬼棚(せがきだな)」に乗り、祈祷(きとう)水をまきながら祈願したことから始まったといわれています。

「走る」飾り山笠
 走る飾り山笠
飾り山笠の中で唯一実際に走るのが、上川端通の山笠です。「背の高い山笠を舁いていた時代を再現したい」と、昭和39(1964)年に登場しました。以来、「八番山笠」として12日の追い山笠馴(な)らしと15日の追い山笠で、櫛田神社からコース途中の東長寺前まで、優美な姿を披露しています。

博多旧市街まちを巡って博多をもっと好きになろう博多トリビア デジタルスタンプラリー
 
中世日本最大の貿易港湾都市・博多の中心として栄えた地域を「博多旧市街」といいます。博多駅から徒歩圏内にありながら、歴史ある寺社や、商店街、博多の伝統工芸・伝統芸能など、往時の歴史や文化が数多く残る地域です。
 
●山笠期間中には特典も
 
博多旧市街を巡るスタンプラリーを実施します。市観光情報サイト「よかなび」にアクセスし、音声ARアプリ「SARF(サーフ)」をダウンロードして、「博多のトリビアをめぐるスタンプラリー」を選んでください。画面に表示されるスポットを巡ると、各スポットで「博多の豆知識」を聴くことができます。
 全スポットを訪れると、音声ドラマ「博多流(ながれ)」の番外編が聴けるほか、7月1日(金曜日)~15日(金曜日)の山笠期間中には抽選でペア宿泊券などがもらえる特典付きのキャンペーンを実施します。詳しくは「よかなび」サイトをご覧ください。

博多の魅力を伝える三つのコース
 
「SARF」は、まち歩きをしながら楽しめる音声AR(拡張現実)アプリです。スタンプラリーの他に、▽博多寺社めぐりコース▽博多伝統文化めぐりコース▽博多祇園山笠をテーマにしたオリジナルドラマ「博多流」―があります。
 
■問い合わせ先/地域観光推進課

電話 092-711-4984

FAX 092-733-5901

博多祇園山笠クラウドファンディング~博多祇園山笠を後世へ~
 返礼品写真
780年以上の歴史を有する、福岡を代表する祭り「博多祇園山笠」を後世につないでいくために、7月20日(水曜日)までクラウドファンディングを実施しています(目標額200万円)。
 集まった支援金は、来年以降の警備費や後継者育成、情報発信等の事業費に活用されます。支援してくれた皆さんには、返礼品として漫画家の長谷川法世さんデザインの記念手拭いや扇子などを差し上げます。
 詳しくは、ホームページ(「山笠 makuake」で検索)で確認するか、博多祇園山笠クラウドファンディング事務局(電話 070-7892-2781)に問い合わせを。







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