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木造亀山上皇尊像奉安殿(ほうあんでん)

「歩・歩・歩(さんぽ)・会」 奥永 茂晴(73)

第90代の天皇・亀山上皇は、鎌倉時代中期の元寇の際に、敵国の降伏と博多の街の安寧を全国の社寺に祈願しました。
 
筥崎宮の楼門付近にある奉安殿に、亀山上皇の木彫りの尊像が安置されています。この尊像は、高さ約6メートル、重さ約1トンのヒノキ製です。博多出身の木彫家・山崎朝雲(ちょううん)が、明治35(1902)年に製作したもので、東公園(博多区)内にある同上皇の銅像の原型になりました。
 
明治時代、全国各地で銅像が建立されましたが、原型像は銅像の完成後に破棄されることが多く、現存している例はほとんどありません。
 
亀山上皇の尊像も、明治37年に銅像が完成した後、一時行方が分からなくなりましたが、その後、読売新聞社が取得し、東京の「よみうりランド」で公開していました。
 
平成20(2008)年、尊像は、上皇にゆかりの深い筥崎宮に同社から寄贈されました。九州国立博物館(太宰府市)で修復され、平成21年に県の文化財に指定されました。平成23年には、市民の皆さんからの寄付により、筥崎宮の境内に奉安殿が建設されました。尊像は、奉安殿内に安置され、同年10月から一般に公開されています。
 
筥崎宮境内には、元寇由来の施設が他にもあります。一度訪れてみてはいかがですか。

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