人権スケッチ第46回民族や国籍の違いを認め合う社会に

特定の民族や国籍の人たちに対し、国籍やそのルーツなどを理由に、危害を加えようとしたり、侮辱的な表現で見下したりする言動を「ヘイトスピーチ」といいます。
 そのような差別的言動をなくすために、いわゆる「ヘイトスピーチ解消法」が6年前に施行されました。施行後、 「自国に帰れ」などと声を張り上げ、日本社会から追い出そうとあおりたてるような街頭デモは減ったものの、インターネット上での人権侵害は後を絶ちません。
 標的になった人たちは、不安や恐怖、悲しみだけでなく、絶望感にとらわれてしまいます。抵抗の声を上げても、勝手に名前や顔写真をインターネット上に載せられ、誹謗(ひぼう)中傷を受ける事例も起きています。怖いのは、こうした言動にあおられて、「差別してもよい存在」と誤って認識してしまう人が少なからずいることです。
 ヘイトスピーチを止めないでいると、民族や人種などへの偏見が、何かをきっかけに暴力にまで発展する恐れがあります。例えば、コロナ禍の米国で起きたアジア系住民に対する暴行や襲撃事件は、感染症の拡大を引き金に差別的言動が過激化したといえます。
 普段は潜んでいる差別が、非常時に表面に現れてしまうことがあります。日頃から、民族や国籍などの違いを認め、互いの人権を尊重し合いましょう。
 

■問い合わせ先/人権啓発センター

電話 092-717-1237

FAX 092-724-5162



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