悠久の歴史を今に伝える
万葉歌碑を紹介します

日本最古の和歌集である『万葉集』に、福岡を舞台にした歌が収録されているのをご存知ですか。

その歌を石に刻んだ「万葉歌碑」が区内11カ所に設置されています。


■志賀島
志賀島に関する万葉歌は23首あるといわれ、島周辺には、そのうち10首が刻まれた万葉歌碑があります。


歌碑は旧志賀町が明治100年の記念事業として昭和40年代に設置を開始。
昭和46(1971)年に福岡市に編入された後も市が事業を継続し、昭和51年までに10カ所の設置が完了しました。


志賀海神社の境内にある1号碑(昭和44年設置)には「ちはやぶる鐘の岬を過ぎぬとも われは忘れじ志賀の皇神(すめがみ)」と刻まれています。

詠み人は不詳ですが、「恐ろしい難所の岬は過ぎたけれども、私は海路の無事を祈願した志賀の神様を忘れない」という意味で、航海の安全を祈る詠み人の信仰心をうかがい知ることができます。
志賀島万葉歌碑1号碑は志賀海神社の境内にある

■香椎
香椎宮頓宮の境内にある歌碑は明治21(1888)年に設置された市内最古の万葉歌碑で、「いざ子ども 香椎の潟に 白妙の 袖さへぬれて 朝菜摘みてむ」と刻まれています。

これは、神亀5(728)年、香椎宮への参拝を終えた大宰府長官・大伴旅人(おおとものたびと)が、従者に「さあ、みんな、香椎の干潟で、着物の袖が濡れるのも忘れて、朝食に食べる海藻を採ろう」と呼び掛けた歌です。
従者2人が詠んだ歌も一緒に刻まれ、当時の様子を今に伝えています。

区は、万葉歌碑など区内の史跡をエリアごとにまとめた『東区歴史ガイドマップ』を、東区役所となみきスクエア(千早四丁目)で配布しています。

詳しくは、区企画振興課(電話 092-645-1012 FAX 092-651-5097)へ。

  • この記事をシェアする

  • LINEシェアのリンクアイコン
  • はてなブックマークのリンクアイコン