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台湾総督などを輩出した明石(あかし)家


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香椎参道のJR鹿児島本線の踏切そばにある大鳥居の北側には、昭和初期頃まで立派な洋館が建っていました。

この洋館は、黒田藩の重臣を輩出した明石家によって建てられたもので、現在は、マンションが立っています。


明石家には、第七代台湾総督の明石元二郎(もとじろう)(1864~1919年)がいます。

彼の活躍はほとんど知られていません。
それは彼がスパイ活動をしていたからです。
日露戦争前からロシアの戦力分析や作戦情報の入手、反乱分子の支援などを行っていたと、彼の遺稿『落花流水』や後の研究によって明らかになっています。

元二郎は参謀本部から莫大な資金を与えられ、その資金でロシア国内の革命組織や少数民族の独立運動家とつながりを持ちました。

彼らに活動資金を援助することによって、ロシアで反乱や事件が次々と起こりました。
国内から揺さぶりをかけたのです。
それによりロシアは、日露戦争に集中できなくなりました。


ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は、元二郎を「一人で満州の日本軍20万人に匹敵する戦果を挙げた」と称えています。


後に第七代台湾総督になった元二郎は、水力発電所の建設や、鉄道網の拡充、学校制度の整備など台湾の発展に尽力しました。
彼の死後、遺体は遺言通り台湾の地に埋葬されています。

濱地 美喜(58)

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