福岡市の海岸には、海の中道や生の松原など「日本の白砂青松100選」((社)日本松の緑を守る会)に選ばれた松林があります。松林は、防風・防砂や景観形成など重要な公益的機能を持ち、地域の住環境の保全に大きく寄与している、市民共有の貴重な財産です。
福岡市では、これらの松林を松くい虫の被害から守るための事業を昭和47年から実施しています。被害は平成24年度をピークに減少傾向にありますが、引き続き、国や県の関係機関、地元自治協議会等と連携し、防除の徹底に取り組んでいきます。
市が事業を行う区域は、森林病害虫等防除法に基づく「高度公益機能森林」と「地区保全森林」に指定された区域です。
西区大字西浦、今津地区、東区大字勝馬、西戸崎・大岳、三苫・奈多地区 など
西区大字西浦、今津地区、東区大字勝馬、西戸崎・大岳、三苫地区 など
※次項目「福岡市松くい虫被害対策地区実施計画」に定めるとおり
福岡市では、市内に分布している松林について、松くい虫の被害から守るために、森林病害虫等防除法第7条の10第1項に基づき「福岡市松くい虫被害対策地区実施計画(自主防除措置の実施に関する計画)」を策定しましたので、同法同条第4項に基づき公表します。
松林に甚大な被害をもたらす松くい虫被害は、「マツノザイセンチュウ」という体長1ミリメートルにも満たない線虫が松の樹体内に入ることで引き起こされます。その線虫を松から松へ運ぶのが「マツノマダラカミキリ」というカミキリ虫です。
被害の拡大を防ぐためには、予防と駆除の徹底した取組みが必要です。
毎年、5月上旬から5月下旬のマツノマダラカミキリが羽化・脱出する前に薬剤を散布して、被害を予防します。
令和6年5月14日(火曜日)~22日(水曜日)
※詳細については、「令和6年度松くい虫防除(薬剤散布)のお知らせ」をご覧ください。
令和6年度松くい虫防除(薬剤散布)のお知らせ
数年に一度、健全な松の幹に薬剤を注入しておき、侵入したマツノザイセンチュウの増殖を妨げて被害を予防します。
枯れた松を切り倒して破砕や焼却等をすることで、松の中にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除し被害の拡大を防ぎます。
伐倒駆除は、マツノマダラカミキリが羽化・脱出する前までに、確実に行うことが重要です。
松林の保全・再生に取り組まれている地域の団体に、マツノザイセンチュウへの抵抗性が高い松の苗木を提供し、地域とともに松林の再生に取り組んでいます。
個人の庭や山林の松が松くい虫の被害により枯れた場合、そのまま放置しておくと翌春にマツノマダラカミキリが羽化・脱出し、周辺の松に被害を拡大させる原因となるおそれがあります。
個人の庭や山林の枯れ松は、所有者又は管理者の方にて速やかに除去していただきますようお願いします。