3月20日 福岡県西方沖でM7.0の地震が発生
3月20日午前10時53分頃、福岡市の北西約20キロの玄界灘を震源とする大地震が発生し、九州北部を中心に大きな被害をもたらしました。 地震の規模はマグニチュード7、震度は福岡市東区・中央区、前原市などで6弱、そのほか九州から関東地方の一部にかけて1から5強が観測されました。

経験ない規模の地震
震度6弱を記録した中央区では、ブロック塀が倒れる、建物の壁の一部がはがれ落ちるなどの被害が多発しました。 天神一丁目では、地上10階建てのビルのガラス400枚以上が割れて歩道に落下し、通行人がけがをする事態が発生しました。また大名一丁目では、雑居ビルが倒壊する恐れが出たため、市が避難勧告を出し、ビルの補強工事が終わるまで付近の住民が大名小学校に避難しました。 最も被害が大きかった玄界島と西浦地区、宮浦地区、志賀島では、2172戸の建物のうち343戸が、市の「被災建築物応急危険度判定」により立ち入りが「危険」と判定されました。西浦地区では、がけ崩れの恐れにより避難勧告も出されるなど、深刻な事態となりました。
各市町村の最大震度(震度6弱)の表
県 |
市町村 |
福岡県 |
福岡市(東区、中央区)、前原市 |
佐賀県 |
みやき町 |
各市町村の最大震度(震度5強)の表
県 |
市町村 |
福岡県 |
福岡市(早良区、西区)、春日市、久留米市、大川市、須恵町、新宮町、粕谷長、久山町、志摩町、二丈町、碓井町、穂波町 |
佐賀県 |
上峰町、七山村 |
長崎県 |
壱岐市 |
各市町村の最大震度(震度5弱)の表
県 |
市町村 |
福岡県 |
福岡市(博多区、南区、城南区)、大野城市、宗像市、福津市、中間市、直方市、飯塚市、小郡市、柳川市、うきは市、遠賀町、若宮町、高田町、篠栗町、志免町、宇美町、那珂川町、夜須町、朝倉町、大木町、筑穂町、大刀洗町、大島村 |
佐賀県 |
鳥栖町、唐津市、小城市、多久市、久保田町、千代田町、白石町、諸富町、川副町、神崎町、嬉野町、大和町、三田川町、江北町、東与賀町、北方町、三瀬村 |
大分県 |
中津市 |
引用文献:福岡県西方沖地震記録誌(20年版)第1部「第1章 地震の概要」より
住家被害の概要
震源との位置関係が原因だと考えられますが、東区志賀島、西区玄界島、西浦、宮浦をはじめとした、農漁村を中心に家屋被害が著しく、被害は全市域にわたりました。 また、市街地では都市型マンションの共有部分などに大きな被害を生じたほか、古いビルなどに倒壊の危険が生じるなどの被害がみられました。 なお地震規模に比較して市街地や住宅地での大規模な倒壊は生じておらず、火災は1件も発生しませんでした。
住家被害数の表
市区 |
全壊 |
大規模半壊 |
半壊 |
一部破壊 |
合計 |
全市 |
141 |
8 |
315 |
4756 |
5220 |
東 |
6 |
4 |
2 |
1315 |
1377 |
博多 |
9 |
1 |
42 |
334 |
386 |
中央 |
9 |
1 |
66 |
494 |
570 |
南 |
1 |
0 |
5 |
69 |
75 |
城南 |
0 |
0 |
0 |
176 |
176 |
早良 |
2 |
0 |
27 |
462 |
491 |
西(玄界島外) |
7 |
1 |
78 |
1845 |
1931 |
玄界島 |
107 |
1 |
45 |
61 |
214 |
引用文献:福岡県西方沖地震記録誌(20年版)第1部「第3章 被害の概要」より
地震発生当日の市の対応
市の災害対策本部は、地震発生から27分後に、本庁舎の7階にある災害対策本部室に設置されました。 一方、区役所をはじめとした市の各所属では、登庁してきた職員が、水道、住宅、道路、学校、港湾、福祉施設、市場、ごみ処理施設など、あらゆる分野で被害状況の確認を急ぎました。 同本部は、防災関係機関等と緊密に連携しながら応急対策にあたるとともに、被害が甚大であることが明らかになった玄界島の救援のため、自衛隊への派遣要請と海上保安庁への協力要請を実施。午後5時に島からの避難を開始しました。市九電記念体育館での避難者の受け入れが完了したのは午前0時のことでした。
2005年(平成17年)3月20日(日曜日)
- 10時53分
- 10時57分
津波注意報発表(正午に注意報解除、津波は発生せず被害無し)
- 11時20分
- 12時40分
被害が深刻である玄界島への自衛隊の派遣について福岡県を通じて要請を行う
- 13時15分
- 14時32分
- 15時15分
- 15時40分
市有客船及び市有作業船により玄界島へ救援物資及び市職員を輸送
- 16時00分
- 17時00分
- 20時00分
- 24時00分
引用文献:福岡県西方沖地震記録誌(20年版)第2部「第1章 応急活動」より
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