福岡市では、平成15年4月より全国の工業用水道事業で初となる浄水場業務の包括的な民間委託を実施しています。
本市では、工場等で使われる冷却水や洗浄水などの工業用水を東区や博多区などの事業所30社(平成30年4月1日現在)に供給しています。
工業用水道は、水道のように広く市民の皆様が直接使われるものではありませんが、産業活動に不可欠な基盤として、本市の経済を支えています。
本委託は、工業用水道の浄水場である金島浄水場の運転・維持管理全般を民間事業者に委託するもので、受託者は契約に基づき、浄水処理操作などの浄水場業務を行います。
市は、工業用水道事業者として、お客様に対する供給責任を負いますが、日常の浄水処理は、受託者の責任により実施されます。
市と民間事業者が事業実施に伴うリスクを適切に分担することによって、効率的で、より良質な工業用水道供給サービスを実施することを目指しています。
委託の名称 | 福岡市工業用水道金島浄水場包括委託 |
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委託期間 | 平成30年3月31日から平成35年3月31日まで |
委託金額 | 4億986万円(税込)※契約期間を通じた総額 |
契約の相手方 | (株)水機テクノス 九州支店 |
委託の範囲 | 施設の運転管理およびその関連業務 (水質・水量・水圧の管理、水質試験、電力・薬品の調達及びデータの記録) 施設の保守管理業務 施設の補修工事業務 |
施設の運転操作だけなく、保守点検や修繕、沈でん池の清掃など関連する業務を一括して委託しています。
受託者が業務全体をコントロールすることができるため、より効率的で効果的な業務の実施が可能となります。
性能発注とは、発注する際の基準を、「仕事のしかた(仕様)」ではなく「仕事の結果(性能)」に求める考え方で、本委託では、一定の性能を満たすことを条件として、運転方法の詳細等は受託者の裁量に委ねることとしました。
このことで、受託者は自らのノウハウを生かした委託業務の実施が可能となります。
受託者に求める性能(=要求水準)の主なものは次のとおりです。
項目 | 基準値 |
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供給水量 | 1日最大15,000立方メートル |
供給水質 | 水質は以下の基準を満たすこと 水温 =常温 濁度 =7度以下 pH値=5.8~7.5 |
供給水圧 | 配水管末端において0.049MPaの水圧を確保すること |
総合評価とは、価格のみで事業者を選定するのではなく、価格以外の要素(例えば技術力など)も総合的に評価して、最も有利な者を契約の相手方とする選定方式です。
本委託では、運転方法などについての提案と入札価格を総合的に評価を行う、総合評価一般競争入札を採用しています。
総合評価一般競争入札の実施にあたり、地方自治法施行令第167条の10の2第4項の規定に基づき、行政外部の学識経験者の意見を聴くための事業者検討委員会を設置し、意見の聴取を行いました。
本委託は平成30年3月31日から平成35年3月31日までの5年の契約としています。
受託者は、5年間業務が継続することを前提に実施体制を組むことができ、より効率的で効果的に業務を行うことが可能となります。また、業務の習熟による安定化や高品質化が期待できます。
本委託では、
などに、受託者が自らのノウハウを生かし、より良質な工業用水供給に努めています。
きめ細かな水質管理により配水の濁度は改善されています。
H14 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | |
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原水 | 31 | 33 | 33 | 37 | 110 | 40 | 14 | 7.8 | 11 | 13 | 19 | 12 | 8.5 | 17 | 16 |
配水 | 3.1 | 2.2 | 1.2 | 1.3 | 1.8 | 1.6 | 1.3 | 1.0 | 0.9 | 1.0 | 0.9 | 0.8 | 0.6 | 0.7 | 0.7 |