現在位置:福岡市ホームの中の南区の中の魅力・イベントの中の公民館・校区情報から【東若久校区】博多祇園山笠、飾り山作り35年!博多人形師にインタビュー(前編)
更新日: 2017年10月17日
 

【東若久校区】
オッショイ!博多祇園山笠 夏本番!(前編)
飾り山作り35年 博多人形師 三宅隆さんにインタビュー


福岡市南区若久六丁目の静かな住宅街の中に、博多人形師・三宅隆さんの博多人形工房があります。家の塀には、博多人形作り一筋58年の長き歴史を語るように、天然木に書かれた『博多人形工房 三宅隆』の看板がかけられています。


塀にかけている看板

歴史を物語る看板


三宅さんは、人形師・三宅長兵衛の長男として東区箱崎に生まれ、16歳で川崎虎雄氏に師事。74歳の現在まで博多人形を作り、博多の芸術文化の発展に尽くされています。
今日までに内閣総理大臣賞を5回、ほかにも数々の賞を受賞してこられました。平成16年には、黄綬(おうじゅ)褒章を受章。


〈工房に飾られている作品の数々〉


博多人形の作品1

博多人形の作品2

博多人形の作品3

三宅さんは、博多祇園山笠の飾り山の人形を35年間制作しています。昔は、飾り山専門の細工師が作っていましたが、明治時代に入り博多人形師が制作するようになったそうです。
今年は、一番山笠中洲流の表と十四番山笠福岡ドームの見返りの飾り山を制作されています。今年の飾り山の標題は、中洲流の飾り山(表)が「合戦宇治橋攻防(かっせんうじばしのこうぼう)」、福岡ドームの飾り山(見返り)が「南総里見八犬伝」です。題名は昔から奇数の文字数で漢字だけで付けられています。


三宅さん夫婦

ずっと支えてきた妻の恵美子さんと仲むつまじくツーショット


飾り山の図案

人形や背景の位置を記した図案


1月に飾り山設置の町内から依頼
2月ごろから標題・構図を考え始め、決まり次第山笠設置の町内と打ち合わせ
4月中旬から制作開始。毎年、5人の方が手伝いに来ます
6月28日、三宅さん自ら現場に赴き飾り付け


  • 重量を軽くするため、体を竹で組み立て、衣装を着せる
  • 顔と手足は、「のこくず」と「のり」を混ぜ、粘土状にして作る
  • 衣装は西陣織・能衣装専門の会社から購入
  • ほかにも、役に立つ物はないかと常に手芸展やホームセンター等で探求する

制作のポイント

  • 飾り山は遠くから見るので、派手な色づかいで遠くからでも見栄えがするように作る
  • 勇ましいものは勇ましく。華やかなものは、より華やかに
  • 人形たちの配置を考えて、人形同士の目線を決める
  • 手伝いの人は衣装や背景を、肝心の人形は三宅さんが制作
  • 顔の中では、目と眉が命。最後に筆を入れる


『勇ましいものは勇ましく、華やかなものはより華やかに!飾り付けを待たんとする人形たち』

飾り山1

飾り山2

飾り山3

飾り山4

飾り山5

目力ここにあり!


また、毎年6月27日に選擇寺(博多の遊女をまつっている)に博多人形を奉納しており、これも20年以上続いています。
今年は、あでやかな紫陽花の着物をまとった女性の人形が作成されました。



関連情報

 博多祇園山笠、飾り山作り35年!博多人形師にインタビュー(後編)


このページに掲載している記事は「みなみ情報発信隊」隊員が取材し、作成したものです。



制作中の飾り山

建物も見る角度から考えて立体的に作ります


作品と一緒に写る三宅氏

作品と一緒に


材料

博多人形制作の工程