INTERVIEWインタビュー

2021.10.22 (Fri)
アジアグルメとカルチャーを味わうリトルアジア!

カレーが100円!?リトルアジア食堂
昔ながらの商店街とアジアの食と文化が融合する「吉塚市場リトルアジアマーケット」。まるで海外にトリップしたかのようなエキゾチックな雰囲気を味わえます。
毎週、毎月と様々なイベントで人が賑わい、活気あふれる商店街。秋めく10月に開催されるホットなイベントは「リトルアジア食堂」!10月23日(土)限定で100円カレーが振る舞われます(先着100名様)!対象となるのは、日本人学生(大学生、専門学校生)、外国人留学生や技能実習生。吉塚市場の魅力がたっぷり詰まった一皿で、母国を離れ、ここ福岡で勉学に励む彼らを応援します!
※当日は学生証の提示が必要です。

※内容は取材時の情報です。詳細はホームページをご確認ください。
ホームページ▷https://yoshiduka-yla.com/

当日はアジアンプラザにて「リトルアジア食堂」が開催されます。

今回は、異国情緒あふれる「吉塚市場リトルアジアマーケット」についてインタビューしてきました。吉塚商店街からリトルアジアマーケットとして生まれ変わるまでのストーリー。アジア文化が共存するノスタルジーな新形態商店街の魅力を深堀りしていきます!

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下町の商店街からグローバルなアジアマーケットへ

—吉塚商店街はどんな商店街だったのでしょう?

戦後の食糧難の頃、数軒の店からはじまりました。その後、自然発生的に店が集まって闇市のように広まり、住民の台所として親しまれてきました。当時は「吉塚市場」と呼ばれていて、70年以上の歴史ある商店街なんです。最盛期には、この敷地に150もの店が軒を連ねて、通りを歩けないほどの人で賑わっていましたね。今よりも人口が多かったですから、お店の人の掛け声やお客様との会話、子どもたちの活気ある声がこの商店街の売り。会話と笑顔を交わして、商品を渡すときには「ありがとう」に続く「また来てね」の声。それに応える「また来るね」というスーパーでの買い物では得られない人情味がこの商店街の魅力だと誇れますね。

吉塚市場リトルアジアマーケット組合長・河津さんが営む「とり善」。
河津さんは、全国展開する「水炊き料亭 博多華味鳥」の代表でもあり、ここ吉塚は「華味鳥」発祥の地でもあります。

—素敵なコミュニティーのある商店街ですね。今の商店街はまた違った活気があるように思えます。リトルアジア発足のきっかけはあったのでしょうか?

やはり時代の流れとともに老朽化や近隣の変化に伴って店舗数も約30店舗まで減り、シャッターが閉まっている印象が強くなってきました。そんなイメージを払拭するためにも新しい改革が必要だと思い、商店街の再生を試みました。

今回インタビューに応えていただいた事務局長・上園さん
アジアンプラザの横で駄菓子屋を営んでいます。

そこで着目したのがここの地域性ですね。近隣には日本語学校や工場もあることから外国人留学生や技能実習生が多く住んでいて、彼らも商店街を利用してくれていました。コロナ禍で母国に帰れず、職も不安定になっている中で、彼らが安心してこの吉塚に住み、地域と交流できる場をつくれないかと働きかけました。そこで「吉塚市場リトルアジアプロジェクト」として事業計画を提出し、2020年の9月に経済産業省の「商店街活性化・観光消費創出事業」に採択されました。全体の約6割の補助金も支給され、アーケードの改修やいままでなかったトイレも新設。商店街で買ったものを食べられる飲食スペースと交流の場としてアジアンプラザもつくりました。

名物の「リトルアジアカレー」。この収益金は、吉塚御堂と外国人居住者のサポートに充てられます。
吉塚御堂について▷ https://yoshiduka-yla.com/yoshizukawat/

—去年からスタートしたとは思えないほどのスピードで、この完成度!商店街全体が多文化と共生する異国の雰囲気は新鮮ですね。この1年でどのようなお店がオープンしたのでしょうか?

ミャンマー・タイ・ベトナム・韓国・ネパール・中国のショップがオープンしています。サンデーフリーマーケットというイベントも週末に開催していて、まだ商店街にはない他国の料理店も限定でオープンし、これからもっと店舗数は増えていく予定です。

東区にあった人気店「ミスサイゴン」もリトルアジアマーケットに移転。本格ベトナム料理が味わえます。

飲食店以外にもベトナムの食材を扱うショップもオープンしました。周辺に住む留学生さんなどに向けて海外から輸入、各地で調達した食材を販売しています。店主も10年ほど海外に居た経験があり、母国の食材がある有り難みをここに住む人たちにも届けたいと毎日休まず営業されています。どうしても食べたいという気持ちを尊重して、入手困難な激レア食材もリクエストを受ければ販売元を探して店頭に並べる、外国人ファーストな一面もある商店です。もちろん日本人も大歓迎!調理の仕方や食材の説明もしてくれますよ。

アーケードの入口にあるベトナム食材店「Vimart」では、日本ではなかなかお目にかかれない珍味が手に入ります。

店内も海外のスーパーのよう。野菜などの生鮮食材も入荷します。

—まるで海外旅行ですね!しかもここなら一度にたくさんの国を訪問した気分になれます。

海外の人は母国を感じられるうえに、日本人にとっては新鮮な出会いがある場所を提供していきたいと思っています。そのために私たちも何にでもチャレンジするようにしています。ここに通う留学生に学ぶ日々ですね。わからないことはやってみればいい!宗教や食、教科書には載っていないリアルな文化を彼らから教わりながらカタチにしていっています。まだ知らない世界の文化をここで体感してもらえたらなと思って、日々挑戦です。

—歩けば新しい文化との出会いがある商店街ですね。見どころなどはありますか?

見どころだらけなんですよ!例えば、ミャンマー料理とタイ料理の2店舗からなるお店は、140年の歴史ある銭湯を居抜きで使用しています。男湯(ミャンマー)と女湯(タイ)で分かれていて番台もそのまま、湯船もそのまま。おもしろいでしょ?日本の昔ながらの銭湯とアジア文化の融合です。このカオスさが最大の魅力です。

浴槽には強化アクリル板をおいた上にテーブル席がセットされています。こんな飲食店は見たことがないです!

商店街の各所で見られるペインティングも名物の一つ。カンボジアの子どもたちが描いた絵や地元の高校生が描いたもの。地域との関わりが見えてきますし、これがあることで商店街全体が明るくなりましたね。

カンボジアと日本の子どもたちの合作「幸せの花」。各国の言葉で書かれたあいさつの文字もありました。

ウォールアートを仕掛けた西林寺の安武住職。2003年よりカンボジア支援活動も行っています。
商店街のシンボル的看板猫のミーちゃんを描いたアートも。

吉塚の各所を巡回するタイのバイクタクシー・トゥクトゥクも運行しています。高齢者の買い物支援としてスタートしたTUKTUKでWAKUWAKUプロジェクトですが、どなたでも無料で利用可能ですので見かけたらご乗車くださいね。乗っているとたくさんの人が手を振ってくれますよ。風を感じながら疾走するトゥクトゥクは乗り心地も最高です!

週1回、月4回10:00〜16:00で運行中。商店街を訪れる前からアジア旅行体験ができます♪

―なるほど。アジアのエッセンスが効いた空間は写真映え間違いなしですね!お釈迦様もいらっしゃるとか?

黄金に輝くお釈迦様はミャンマーからお迎えしました。アジアは仏教徒が多いですから、彼らの心の拠り所として御堂も建設して、いまでは遠方の方もここへ参拝しに来られます。お参りの仕方知っていますか?この方法も彼らから教わるんです。日本人が知らない文化を知って、彼らの文化も伝えていく。これもリトルアジアプロジェクトの目的の一つです。

全長2mもあるお釈迦様はミャンマーから船に乗って渡来。御堂は厳かな雰囲気が漂っています。誰でも参拝できますので商店街に訪れた際には手を合わせに来てくださいね。

そして今年10月には、ヒンドゥー教の神様であるガネーシャ神もお迎えしました。きっかけは今年5月にオープンしたインド&ネパール料理店。彼らも神様(ヒンドゥー教)に祈れる場所をつくってほしいとの声からガネーシャ神を迎え入れる準備を進めてきました。今後は、礼拝所も店舗の中に設置予定です。インドでは、商売繁盛の神様として有名なガネーシャ神は、新しいシンボルとしてお客様を招き入れてくれると期待しています。

顔はゾウで身体は人間の神様・ガネーシャ神。アジアンプラザに鎮座しております。

―まさに多文化が共生する場所。リニューアル後、訪れる人の変化はありましたか?

アジアの食とこの雰囲気を求めて若い人が来るようになりましたね。以前に比べて親子連れも多くなりました。近隣の学校との取り組みもあって、子どもで賑わう声が戻ってきたように思えます。スーパーとは違う、商店街の良さをもっと知ってもらいたいですね。あの頃の商店街を今の時代に合ったカタチで復活させるために新しい挑戦を続けていきます。

地域やお客様を巻き込んでの商店街再生プロジェクト。コロナ禍とは思えないほどの勢いは、昔ながらの商店街が育んだ吉塚スピリッツが成せた技なのかもしれません。海外に行けない今だからこそ異国を味わえる商店街で、食と文化に出会ってみませんか?

※内容は取材時の情報です。詳細はホームページをご確認ください。
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