INTERVIEWインタビュー

2021.10.15 (Fri)
「The Creators」が「遊べる!デジタルアート展」とコラボレーション!!

10月23日(土)24日(日)に開催される「The Creators」は、新たな文化やテクノロジーに触れ最先端エンターテイメントを体験できる2日間のイベント!大迫力の照明・スクリーンで演出するステージや、有識者たちによるトークセッション、未来のクリエイター育成を掲げた小学生向けワークショップや地元を中心としたクリエイティブ関連企業による体験型ブースなど刺激的な2日間!福岡市内各所で様々なコンテンツを開催します!特に今年は、好奇心をくすぐる大人気イベント「遊べる!デジタルアート展」が「The Creators」とコラボレーションして福岡市科学館に登場!

The Creators▷https://the-creator.jp/index.html

昨年度の様子

遊べる!デジタルアート展×The Creators

今回は、福岡市科学館で展開される「遊べる!デジタルアート展×The Creators」にコンテンツを出展している制作会社2社に、制作の裏側や作品の楽しみ方を教えてもらいました。デジタルとアナログが交差する最新のデジタルアートに迫ります!

―映像体験コンテンツ「こっちからっち」を制作されたanno labでは、普段どんなお仕事をされているのですか?

株式会社anno lab アニメーションディレクター/デザイナー うさみさん

うさみ:「世界一おもしろい街を創る」という目標がありまして、社員全員がそれぞれの特技(プログラマー、デザイナー、アーティスト)を活かしてクリエイティブに活動している会社です。イベントの企画から映像・コンテンツ制作、CMなどの広告系の制作。インタラクティブ系から映像系、グラフィックなど幅広い分野で携わらせてもらってます。今回出展する「こっちからっち」のような遊べる映像コンテンツのアイデアは、物作りが好きなスタッフが多いからこその発想が活きています。私自身も子どもの時からおもちゃ作りが好きで、この仕事の原点にもなっています。

—まるで映像に入り込んだかのような「こっちからっち」はどのようにして誕生したのでしょう?

うさみ:幼児教室「レクルン」でオリジナル玩具づくりのお手伝いをさせていただいているのですが、親子で一緒に遊べるデジタルコンテンツをつくろうという企画からスタートしました。そこで生まれたのが「こっちからっち」の前身の作品「でんしゃわたし」。画面に映し出した自分の影を端から端へ橋渡しして電車を落とさずに送り届けるというゲーム感覚で遊べるコンテンツです。一人よりも協力したほうが成功しやすく、親子で楽しみながらふれあいも生まれる作品なんです。今回のデジタルアート展に出展する作品は、ルールやシステムを見直し、コンテンツとしてのクオリティーもアップしております!以前は電車を橋渡ししましたが、今年ならではの聖火ランナーを走らせてみようかなと考えたり。作品の全貌は当日来てからのお楽しみということで。

―どうリニューアルするのか楽しみです!自分の影が映し出されるギミックも気になりますね。

うさみ:実は実際の影を映しているのではなく、人の輪郭をその場でデータ化して映し出しているんです。カメラ入力したものをそのまま映すとガタガタになってしまうので、輪郭をぼかす処理をしているんです。これはこれでおもしろいのですが、実際の影を使ったほうが驚きが大きいですね。今後はそんな進化したコンテンツにも力を入れて取り組みたいです。

実際の影を利用した作品「シャドープレイ」

—ワークショップも開催されるとのことですが、どんな体験ができるのでしょうか?

うさみ:動物のお面作りをします。ダンボールシートをパーツごとにくり抜けるようレーザーカッターで切り込みを入れて、プラモデルを作るように組み立てるとお面ができあがります。自由に貼って描いて、オリジナルのお面もできるので、子どもの創作力のままに作ってもらえたらなと思っています。これを作るきっかけは、趣味の工作の延長でもありますが、自分が親になったからというのが大きいですね。新幹線での移動中に子どもが集中して遊べるおもちゃがあればいいなと思って作りました。B5〜A4サイズのシートならバッグにも入りやすいサイズで、持ち運びにも邪魔にならないですからね。ワークショップ当日は、会場でどんな作品ができあがるのか楽しみですね。

あの工作キットどうぶつ仮面

参考:https://annolab.com/projects/animalmask/

—個性豊かな動物たちができあがりそうですね。持ち帰れる作品というのも思い出になりますよね!デジタルもアナログも担当されているanno labならではのコンテンツですね。

株式会社invisi制作 「木琴」

—巨大な美しいオブジェ作品にも見える「木琴」を制作された株式会社invisiは、どんな会社ですか?

株式会社invisi  左:作曲家/音楽プロデューサー 高木さん 右:COO 中村さん

中村:“見えないデザイン研究所”としてはじまったのが株式会社invisiです。“目に見えないデザイン”つまり“音”にまつわるデザインをしています。広告に使用される音・曲の制作が主でしたが、今回出展する木琴の原点にもなった「森の木琴」を手掛けて以降、体験型コンテンツへの参入もしてきました。博物館や科学館といった施設の体験型コンテンツに合わせた音作りもしています。子ども向けの体験コンテンツは昔に比べて増えてきましたね。楽曲を制作して終わりではなく、現場の反応をダイレクトで感じることが多くなりました。音の体験を拡張することも私たちの目標になってきました。今回のデジタルアート展はあえてアナログな方向性でみせたいなと話していて、この木琴を出展することにしました。デジタルの中に自然本来の木を活かした楽器。インパクトもあり新鮮かなと。音を奏でる体験もできるのでぜひ会場で体感していただきたいです。

—今回の「木琴」は「森の木琴」がベースになっているんですね。元からこういう形だったのでしょうか?

高木:「森の木琴」は、携帯会社docomoのCMで生まれた作品です。間伐材から作り出された携帯ケースからのインスピレーションで、森の中で間伐材から作られた木琴を奏でるという内容でした。しかしこれが本当に大変で(笑)。森に間伐材を運んで、その場で材木を削って木琴を作ったんです。木琴の全長は44m。森の傾斜を利用して、転がり落ちていくことで曲になる演奏方法なのですがこれも大変。自然の木なので膨張したり歪んだりで何度も削り直しの作業でした。いま思い返すととんでもない苦労話ですよね。

ですが、これは私たちの大きな財産でもあります。ここで培ったノウハウを活かして、世界に向けた展示や子どもたちが体験できるコンテンツにも発展していきました。

―スケールが大きすぎてびっくりです。会場では実際に音を奏でることができるんですか?

高木:今回出展する作品は、子どもたちが自分で玉を転がして音を鳴らせるようにもっとコンパクトなサイズで予定しています。そして今回初の試みとして、木の位置を組み変えることで自由に曲を作れるようにしました。通常のドレミの音階ではなくペンタトニックという5つの音階で構成していきます。こちらはワークショップでも詳しく説明していきます。世界の民族音楽でも使われていて、成り立ちも古く、ポピュラーなものなんです。曲を作るとなると難しいイメージがありそうですが、これをきっかけに楽曲制作の敷居を下げて、子どもたちに音楽をつくる楽しさを知ってもらい、発見のきっかけになってくれればいいなと思っています。

—会場では自由で新しい音楽が生まれる予感がしますね。ペンタトニックについては大人でも興味深いワークショップです。親子で音楽とふれあえる良い機会になりそうですね。

2社の制作エピソードを聞くと、真剣に楽しみながらコンテンツを制作されているのが伝わりました。実際に体験することでこの楽しさが子どもたちにも伝わってくれるのではないかと思います!今回は、貴重なお話ありがとうございました!
遊びながら学べるデジタルアート展、ぜひお子さまと一緒に出かけてみませんか?

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