○福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例施行規則

平成30年3月29日

規則第63号

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 人員に関する基準(第3条)

第3章 施設及び設備に関する基準(第4条・第5条)

第4章 運営に関する基準(第6条―第31条)

第5章 ユニット型介護医療院の施設及び設備並びに運営に関する基準

第1節 施設及び設備に関する基準(第32条・第33条)

第2節 運営に関する基準(第34条―第41条)

第6章 雑則(第42条)

附則

第1章 総則

(定義)

第2条 この規則において使用する用語の意義は、条例及び介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)の例による。

第2章 人員に関する基準

第3条 条例第4条第1項各号に掲げる従業者の員数は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める員数とする。

(1) 薬剤師 常勤換算方法で、Ⅰ型入所者の数を150で除した数に、Ⅱ型入所者の数を300で除した数を加えて得た数以上

(2) 准看護師 常勤換算方法で、介護医療院の入所者の数を6で除した数以上

(3) 介護職員 常勤換算方法で、Ⅰ型入所者の数を5で除した数に、Ⅱ型入所者の数を6で除した数を加えて得た数以上

(4) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 介護医療院の実情に応じた適当数

(5) 栄養士又は管理栄養士 入所定員100以上の介護医療院にあっては、1以上

(6) 介護支援専門員 1以上(入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする。)

(7) 診療放射線技師 介護医療院の実情に応じた適当数

(8) 調理員、事務員その他の従業者 介護医療院の実情に応じた適当数

2 前項の入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規に許可を受ける場合は、推定数による。

3 介護医療院の従業者は、専ら当該介護医療院の職務に従事する者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

4 第1項第6号の介護支援専門員は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、当該介護医療院の他の職務に従事することができるものとし、介護支援専門員が医療機関併設型介護医療院の職務に従事する場合であって、当該医療機関併設型介護医療院の入所者の処遇に支障がない場合には、当該医療機関併設型介護医療院に併設される病院又は診療所の職務に従事することができるものとする。

5 第1項第1号第3号第4号及び第6号の規定にかかわらず、併設型小規模介護医療院の薬剤師、介護職員、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士又は介護支援専門員の員数の基準は、次のとおりとする。

(1) 薬剤師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士 併設される医療機関が病院の場合にあっては当該病院の薬剤師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士により、併設される医療機関が診療所の場合にあっては当該診療所の医師により当該併設型小規模介護医療院の入所者の処遇が適切に行われると認められるときは、置かないことができること。

(2) 介護職員 常勤換算方法で、当該併設型小規模介護医療院の入所者の数を6で除した数以上

(3) 介護支援専門員 当該併設型小規模介護医療院の実情に応じた適当数

(令和3規則49・一部改正)

第3章 施設及び設備に関する基準

(施設の基準)

第4条 条例第5条第1項第5号から第10号までに掲げる施設の基準は、次のとおりとする。

(1) 談話室 入所者同士や入所者とその家族が談話を楽しめる広さを有すること。

(2) 食堂 内法による測定で、入所者1人当たり1平方メートル以上の面積を有すること。

(3) 浴室

 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。

 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。

 出入口の幅は、内法による測定で、1メートル以上とすること。

(4) レクリエーション・ルーム レクリエーションを行うために十分な広さを有し、必要な設備を備えること。

(5) 洗面所 身体の不自由な者が利用するのに適したものとすること。

(6) 便所

 身体の不自由な者が利用するのに適したものとすること。

 出入口の幅は、内法による測定で、1メートル以上とすること。

2 条例第5条第1項各号に掲げる施設は、専ら当該介護医療院の用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、この限りでない。

(構造設備の基準)

第5条 条例第6条第1項ただし書の規則で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。

(1) 療養室その他の入所者の療養生活に充てられる施設(以下この条及び第33条において「療養室等」という。)を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 消防長又は当該介護医療院の所在地を管轄する消防署長と相談の上、条例第14条第1項に規定する計画に入所者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 条例第14条第1項の規定による訓練については、同項に規定する計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 条例第6条第2項の規則で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 前2項に規定するもののほか、介護医療院の構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること。

(2) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号の直通階段を建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第1項の規定による避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。

(3) 診察の用に供する電気、光線、熱、蒸気又はガスに関する構造設備については、危害防止上必要な方法を講じることとし、放射線に関する構造設備については、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第30条、第30条の4、第30条の13、第30条の14、第30条の16、第30条の17、第30条の18(第1項第4号から第6号までを除く。)、第30条の19、第30条の20第2項、第30条の21、第30条の22、第30条の23第1項、第30条の25、第30条の26第3項から第5項まで及び第30条の27の規定を準用する。この場合において、同令第30条の18第1項中「いずれか及び第4号から第6号までに掲げる措置」とあるのは、「いずれか」と読み替えるものとする。

(4) バルコニーの構造は、次のとおりとすること。

 療養室等が2階以上の階にある場合は、各階に非常災害に際して避難、救出その他必要な行為に有効となるように設けること。

 幅は、内法による測定で、90センチメートル以上とすること。

(5) 階段には、手すりを設けること。

(6) 廊下の構造は、次のとおりとすること。

 幅は、内法による測定で、1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、2.7メートル以上とすること。

 手すりを設けること。

 常夜灯を設けること。

(7) 前2号に定めるほか、入所者の安全性を確保するために必要な箇所に手すりを設けること。

(令和3規則49・一部改正)

第4章 運営に関する基準

(重要事項の電磁的方法による提供)

第6条 介護医療院は、入所申込者又はその家族からの申出があった場合には、条例第7条の規定による文書の交付に代えて、第3項で定めるところにより、当該入所申込者又はその家族の承諾を得て、当該文書に記すべき重要事項(以下この条において「重要事項」という。)を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により提供することができる。この場合において、当該介護医療院は、当該文書を交付したものとみなす。

(1) 電子情報処理組織を使用する方法のうち又はに掲げるもの

 介護医療院の使用に係る電子計算機と入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

 介護医療院の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された重要事項を電気通信回線を通じて入所申込者又はその家族の閲覧に供し、当該入所申込者又はその家族の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項を記録する方法(第3項の承諾又は第4項の申出をする場合にあっては、介護医療院の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)

(2) 磁気ディスク、CD―ROMその他これらに準じる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに重要事項を記録したものを交付する方法

2 前項各号に掲げる方法は、入所申込者又はその家族がファイルへの記録を出力することによる文書を作成することができるものでなければならない。

3 介護医療院は、第1項の規定により重要事項を提供しようとするときは、あらかじめ、当該入所申込者又はその家族に対し、その用いる次に掲げる電磁的方法の種類及び内容を示し、文書又は電磁的方法による承諾を得なければならない。

(1) 第1項各号に掲げる方法のうち介護医療院が使用するもの

(2) ファイルへの記録の方式

4 前項の承諾を得た介護医療院は、当該入所申込者又はその家族から文書又は電磁的方法により電磁的方法による提供を受けない旨の申出があったときは、当該入所申込者又はその家族に対し、重要事項の提供を電磁的方法によってしてはならない。ただし、当該入所申込者又はその家族が再び同項の承諾をした場合は、この限りでない。

(サービス提供困難時の対応)

第7条 介護医療院は、入所申込者の病状等を勘案し、入所申込者に対し自ら必要なサービスを提供することが困難であると認めた場合は、適切な病院又は診療所を紹介する等の適切な措置を速やかに講じなければならない。

(受給資格等の確認)

第8条 介護医療院は、介護医療院サービスの提供を求められた場合には、その者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要介護認定の有無及び要介護認定の有効期間を確かめなければならない。

2 介護医療院は、前項の被保険者証に介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第73条第2項に規定する認定審査会意見が記載されているときは、当該認定審査会意見に配慮して、介護医療院サービスを提供するように努めなければならない。

(要介護認定の申請に係る援助)

第9条 介護医療院は、入所の際に要介護認定を受けていない入所申込者については、要介護認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、当該申請が行われていない場合は、入所申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。

2 介護医療院は、要介護認定の更新の申請が遅くとも当該入所者が受けている要介護認定の有効期間の満了日の30日前には行われるよう必要な援助を行わなければならない。

(サービスの提供の記録)

第10条 介護医療院は、入所に際しては入所の年月日並びに入所している介護保険施設の種類及び名称を、退所に際しては退所の年月日を、入所者の被保険者証に記載しなければならない。

2 介護医療院は、介護医療院サービスを提供した際には、提供した具体的なサービスの内容等を記録しなければならない。

3 介護医療院は、入所者から前項の規定による記録に係る情報の提供の申出があった場合には、当該記録の写しの交付その他適切な方法により、提供しなければならない。

(利用料等の受領)

第11条 介護医療院は、法定代理受領サービスに該当する介護医療院サービスを提供した際には、入所者から利用料の一部として、当該介護医療院サービスについて法第48条第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該介護医療院サービスに要した費用の額を超えるときは、当該現に介護医療院サービスに要した費用の額とする。次項及び第34条において「施設サービス費用基準額」という。)から当該介護医療院に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2 介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスを提供した際に入所者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3 介護医療院は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。

(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)

(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入所者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入所者に代わり当該介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)

(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入所者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(5) 理美容代

(6) 前各号に掲げるもののほか、介護医療院サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、入所者に負担させることが適当と認められるもの

4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、別に厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

5 介護医療院は、第3項各号に掲げる費用に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入所者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入所者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。

(保険給付の請求のための証明書の交付)

第12条 介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスに係る費用の支払を受けた場合は、提供した介護医療院サービスの内容、費用の額その他必要と認められる事項を記載したサービス提供証明書を入所者に対して交付しなければならない。

(施設サービス計画の作成)

第13条 介護医療院の管理者は、介護支援専門員に施設サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。

2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下この条及び第21条において「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。

3 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、入所者について、その有する能力、その置かれている環境等の評価を通じて入所者が現に抱える問題点を明らかにし、入所者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上で解決すべき課題を把握しなければならない。

4 計画担当介護支援専門員は、前項に規定する解決すべき課題の把握(次項及び第9項において「アセスメント」という。)に当たっては、入所者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、計画担当介護支援専門員は、面接の趣旨を入所者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。

5 計画担当介護支援専門員は、入所者の希望、入所者についてのアセスメントの結果及び医師の治療の方針に基づき、入所者の家族の希望を勘案して、入所者及びその家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針、生活全般の解決すべき課題、介護医療院サービスの目標及びその達成時期、介護医療院サービスの内容、介護医療院サービスを提供する上での留意事項等を記載した施設サービス計画の原案を作成しなければならない。

6 計画担当介護支援専門員は、サービス担当者会議(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。ただし、入所者又はその家族(以下この項において「入所者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該入所者等の同意を得なければならない。)の開催、担当者に対する照会等により、当該施設サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。

7 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の原案の内容について入所者又はその家族に対して説明し、文書により入所者の同意を得なければならない。

8 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画を作成した際には、当該施設サービス計画を入所者に交付しなければならない。

9 計画担当介護支援専門員は、施設サービス計画の作成後、施設サービス計画の実施状況の把握(入所者についての継続的なアセスメントを含む。次項において「モニタリング」という。)を行い、必要に応じて施設サービス計画の変更を行うものとする。

10 計画担当介護支援専門員は、モニタリングに当たっては、入所者及びその家族並びに担当者との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。

(1) 定期的に入所者に面接すること。

(2) 定期的にモニタリングの結果を記録すること。

11 計画担当介護支援専門員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。

(1) 入所者が法第28条第2項に規定する要介護更新認定を受けた場合

(2) 入所者が法第29条第1項に規定する要介護状態区分の変更の認定を受けた場合

12 第2項から第8項までの規定は、第9項に規定する施設サービス計画の変更について準用する。

(令和3規則49・一部改正)

(必要な医療の提供が困難な場合等の措置等)

第14条 介護医療院の医師は、入所者の病状からみて当該介護医療院において自ら必要な医療を提供することが困難であると認めたときは、協力病院その他適当な病院若しくは診療所への入院のための措置を講じ、又は他の医師の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。

2 介護医療院の医師は、不必要に入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させてはならない。

3 介護医療院の医師は、入所者のために往診を求め、又は入所者を病院若しくは診療所に通院させる場合には、当該病院又は診療所の医師又は歯科医師に対し、当該入所者の診療状況に関する情報の提供を行わなければならない。

4 介護医療院の医師は、入所者が往診を受けた医師若しくは歯科医師又は入所者が通院した病院若しくは診療所の医師若しくは歯科医師から当該入所者の療養上必要な情報の提供を受けるものとし、その情報により適切な診療を行わなければならない。

(機能訓練)

第15条 介護医療院は、入所者の心身の諸機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるため、理学療法、作業療法その他適切なリハビリテーションを計画的に行わなければならない。

(栄養管理)

第15条の2 介護医療院は、入所者の栄養状態の維持及び改善を図り、自立した日常生活を営むことができるよう、各入所者の状態に応じた栄養管理を計画的に行わなければならない。

(令和3規則49・追加)

(口くう衛生の管理)

第15条の3 介護医療院は、入所者の口くうの健康の保持を図り、自立した日常生活を営むことができるよう、口くう衛生の管理体制を整備し、各入所者の状態に応じた口くう衛生の管理を計画的に行わなければならない。

(令和3規則49・追加)

(看護及び医学的管理の下における介護)

第16条 看護及び医学的管理の下における介護は、入所者の自立の支援と日常生活の充実に資するよう、入所者の病状及び心身の状況に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 介護医療院は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清拭しなければならない。

3 介護医療院は、入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じ、適切な方法により、排せつの自立について必要な援助を行わなければならない。

4 介護医療院は、おむつを使用せざるを得ない入所者のおむつを適切に取り替えなければならない。

5 介護医療院は、褥瘡じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

6 介護医療院は、前各項に定めるほか、入所者に対し、離床、着替え、整容その他日常生活上の世話を適切に行わなければならない。

7 介護医療院は、その入所者に対して、入所者の負担により、当該介護医療院の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。

(食事の提供)

第17条 入所者の食事は、栄養並びに入所者の身体の状況、病状及び好を考慮したものとするとともに、適切な時間に行われなければならない。

2 入所者の食事は、その者の自立の支援に配慮し、できるだけ離床して食堂で行われるよう努めなければならない。

(相談及び援助)

第18条 介護医療院は、常に入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。

(その他のサービスの提供)

第19条 介護医療院は、適宜入所者のためのレクリエーション行事を行うよう努めるものとする。

2 介護医療院は、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

(入所者に関する市町村への通知)

第20条 介護医療院は、介護医療院サービスを受けている入所者が次のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を市町村に通知しなければならない。

(1) 正当な理由なしに介護医療院サービスの利用に関する指示に従わないことにより、要介護状態の程度を増進させたと認められるとき。

(2) 偽りその他不正の行為によって保険給付を受け、又は受けようとしたとき。

(計画担当介護支援専門員の責務)

第21条 計画担当介護支援専門員は、第13条に規定する業務のほか、次に掲げる業務を行うものとする。

(1) 入所申込者の入所に際し、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等の利用状況等を把握すること。

(2) 入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録すること。

(3) 入所者の退所に際し、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対して情報を提供するほか、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者と密接に連携すること。

(4) 条例第16条第2項に規定する苦情の内容等を記録すること。

(5) 条例第17条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置について記録すること。

(運営規程)

第22条 介護医療院は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程(第27条第1項において「運営規程」という。)を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的及び運営の方針

(2) 従業者の職種、員数及び職務の内容

(3) 入所定員

(4) 入所者に対する介護医療院サービスの内容及び利用料その他の費用の額

(5) 施設の利用に当たっての留意事項

(6) 非常災害対策

(7) 虐待の防止のための措置に関する事項

(8) その他施設の運営に関する重要事項

(令和3規則49・一部改正)

(勤務体制の確保等)

第23条 介護医療院は、入所者に対し、適切な介護医療院サービスを提供できるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 介護医療院は、当該介護医療院の従業者によって介護医療院サービスを提供しなければならない。ただし、入所者の処遇に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

3 介護医療院は、従業者の具体的な研修計画を策定するとともに、従業者に対し、研修機関又は当該介護医療院が実施する研修その他その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。その際、当該介護医療院は、全ての従業者(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

4 介護医療院は、入所者の人権の擁護、高齢者虐待(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)第2条第5項に規定する要介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。第39条において同じ。)の防止等のため、従業者に対し、研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。

5 介護医療院は、適切な介護医療院サービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

(令和3規則49・一部改正)

(業務継続計画の策定等)

第23条の2 介護医療院は、感染症や非常災害の発生時において、入所者に対する介護医療院サービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。

2 介護医療院は、従業者に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。

3 介護医療院は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。

(令和3規則49・追加)

(定員の遵守)

第24条 介護医療院は、入所定員及び療養室の定員を超えて入所させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(衛生管理等)

第25条 介護医療院は、入所者の使用する施設、食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。

2 介護医療院は、当該介護医療院において感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。

(2) 感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、感染症又は食中毒の予防及びまん延の防止のための研修並びに感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。

3 介護医療院の管理者は、次に掲げる業務を委託する場合は、医療法施行規則第9条の8、第9条の9、第9条の12、第9条の13、別表第1の2及び別表第1の3の規定を準用する。この場合において、同令第9条の8第1項中「法第15条の2の規定による人体から排出され」とあるのは「人体から排出され」と、同条第2項中「法第15条の2の規定による検体検査」とあるのは「検体検査」と、第9条の9第1項中「法第15条の2の規定による医療機器又は医学的処置若しくは手術」とあるのは「医療機器又は医学的処置」と、第9条の12中「法第15条の2の規定による第9条の7に定める医療機器」とあるのは「医薬品医療機器等法第2条第8項に規定する特定保守管理医療機器」と、第9条の13中「法第15条の2の規定による医療」とあるのは「医療」と読み替えるものとする。

(1) 人体から排出され、又は採取された検体の微生物学的検査、血清学的検査、血液学的検査、病理学的検査、寄生虫学的検査及び生化学的検査の業務

(2) 医療機器又は医学的処置の用に供する衣類その他の繊維製品の滅菌又は消毒の業務

(3) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第8項に規定する特定保守管理医療機器の保守点検の業務

(4) 医療の用に供するガスの供給設備の保守点検の業務(高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)の規定により高圧ガスを製造又は消費する者が自ら行わなければならないものを除く。)

(令和3規則49・一部改正)

(協力病院等)

第26条 介護医療院は、入所者の病状の急変等に備えるため、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。

2 介護医療院は、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。

(掲示)

第27条 介護医療院は、当該介護医療院の見やすい場所に、運営規程の概要、従業者の勤務の体制、協力病院、利用料その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示し、又は縦覧に供さなければならない。

2 介護医療院は、前項に規定する事項を記載した書面を当該介護医療院に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、同項の規定による掲示に代えることができる。

(令和3規則49・一部改正)

(居宅介護支援事業者に対する利益供与等の禁止)

第28条 介護医療院は、居宅介護支援事業者又はその従業者に対し、要介護被保険者に当該介護医療院を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を供与してはならない。

2 介護医療院は、居宅介護支援事業者又はその従業者から、当該介護医療院からの退所者を紹介することの対償として、金品その他の財産上の利益を収受してはならない。

(地域との連携等)

第29条 介護医療院は、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならない。

2 介護医療院は、その運営に当たっては、提供した介護医療院サービスに関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。

(会計の区分)

第30条 介護医療院は、介護医療院サービスの事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならない。

(記録の整備)

第31条 介護医療院は、従業者、施設及び構造設備並びに会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。

2 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。

(1) 施設サービス計画

(2) 条例第9条第4項の規定による居宅において日常生活を営むことができるかどうかについての検討の内容等の記録

(3) 第10条第2項の規定による提供した具体的なサービスの内容等の記録

(4) 条例第10条第6項第3号の規定による身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない場合の具体的内容の記録

(5) 第20条の規定による市町村への通知に係る記録

(6) 条例第16条第2項の規定による苦情の内容等の記録

(7) 条例第17条第3項の規定による事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録

第5章 ユニット型介護医療院の施設及び設備並びに運営に関する基準

第1節 施設及び設備に関する基準

(施設の基準)

第32条 条例第21条第1項各号に掲げる施設の基準は、次のとおりとする。

(1) ユニット

 共同生活室

(ア) いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有すること。

(イ) 一の共同生活室の床面積は、2平方メートルに当該共同生活室が属するユニットの入居者の定員を乗じて得た面積以上を標準とすること。

(ウ) 必要な設備及び備品を備えること。

 洗面設備

(ア) 療養室ごとに設けるか、又は共同生活室ごとに適当数設けること。

(イ) 身体の不自由な者が使用するのに適したものとすること。

 便所

(ア) 療養室ごとに設けるか、共同生活室ごとに適当数設けること。

(イ) 出入口の幅は、内法による測定で、1メートル以上とすること。

(2) 浴室

 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。

 一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した特別浴槽を設けること。

 出入口の幅は、内法による測定で、1メートル以上とすること。

 専ら当該ユニット型介護医療院の用に供するものとすること。ただし、入居者に対する介護医療院サービスの提供に支障がない場合は、この限りでない。

(構造設備の基準)

第33条 条例第22条第1項ただし書の規則で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。

(1) 療養室等を2階及び地階のいずれにも設けていないこと。

(2) 療養室等を2階又は地階に設けている場合であって、次に掲げる要件の全てを満たすこと。

 消防長又は当該ユニット型介護医療院の所在地を管轄する消防署長と相談の上、条例第24条において準用する条例第14条第1項に規定する計画に入居者の円滑かつ迅速な避難を確保するために必要な事項を定めること。

 条例第24条において準用する条例第14条第1項に規定する訓練については、同項に規定する計画に従い、昼間及び夜間において行うこと。

 火災時における避難、消火等の協力を得ることができるよう、地域住民等との連携体制を整備すること。

2 条例第22条第2項の規則で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。

(1) スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。

(2) 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。

(3) 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。

3 前2項に規定するもののほか、ユニット型介護医療院の構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 療養室等が2階以上の階にある場合は、屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること。

(2) 療養室等が3階以上の階にある場合は、避難に支障がないように避難階段を2以上設けること。ただし、前号の直通階段を建築基準法施行令第123条第1項の規定による避難階段としての構造とする場合は、その直通階段の数を避難階段の数に算入することができる。

(3) 診察の用に供する電気、光線、熱、蒸気又はガスに関する構造設備については、危害防止上必要な方法を講じることとし、放射線に関する構造設備については、医療法施行規則第30条、第30条の4、第30条の13、第30条の14、第30条の16、第30条の17、第30条の18(第1項第4号から第6号までを除く。)、第30条の19、第30条の20第2項、第30条の21、第30条の22、第30条の23第1項、第30条の25、第30条の26第3項から第5項まで及び第30条の27の規定を準用する。この場合において、同令第30条の18第1項中「いずれか及び第4号から第6号までに掲げる措置」とあるのは、「いずれか」と読み替えるものとする。

(4) バルコニーの構造は、次のとおりとすること。

 療養室等が2階以上の階にある場合は、各階に非常災害に際して避難、救出その他必要な行為に有効となるように設けること。

 幅は、内法による測定で、90センチメートル以上とすること。

(5) 階段には、手すりを設けること。

(6) 廊下の構造は、次のとおりとすること。

 幅は、内法による測定で、1.8メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、2.7メートル以上とすること。なお、廊下の一部の幅を拡張することにより、入居者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと市長が認める場合は、1.5メートル以上(中廊下にあっては、1.8メートル以上)とすることができる。

 手すりを設けること。

 常夜灯を設けること。

(7) 前2号に定めるほか、入居者の安全性を確保するために必要な箇所に手すりを設けること。

(令和3規則49・一部改正)

第2節 運営に関する基準

(利用料等の受領)

第34条 ユニット型介護医療院は、法定代理受領サービスに該当する介護医療院サービスを提供した際には、入居者から利用料の一部として、施設サービス費用基準額から当該ユニット型介護医療院に支払われる施設介護サービス費の額を控除して得た額の支払を受けるものとする。

2 ユニット型介護医療院は、法定代理受領サービスに該当しない介護医療院サービスを提供した際に入居者から支払を受ける利用料の額と、施設サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、前2項の支払を受ける額のほか、次に掲げる費用の額の支払を受けることができる。

(1) 食事の提供に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第1号に規定する食費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第1号に規定する食費の負担限度額)を限度とする。)

(2) 居住に要する費用(法第51条の3第1項の規定により特定入所者介護サービス費が入居者に支給された場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の基準費用額(同条第4項の規定により当該特定入所者介護サービス費が入居者に代わり当該ユニット型介護医療院に支払われた場合は、同条第2項第2号に規定する居住費の負担限度額)を限度とする。)

(3) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な療養室の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(4) 厚生労働大臣の定める基準に基づき入居者が選定する特別な食事の提供を行ったことに伴い必要となる費用

(5) 理美容代

(6) 前各号に掲げるもののほか、介護医療院サービスにおいて提供される便宜のうち、日常生活においても通常必要となるものに係る費用であって、入居者に負担させることが適当と認められるもの

4 前項第1号から第4号までに掲げる費用については、別に厚生労働大臣が定めるところによるものとする。

5 ユニット型介護医療院は、第3項各号に掲げる費用に係るサービスの提供に当たっては、あらかじめ、入居者又はその家族に対し、当該サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入居者の同意を得なければならない。ただし、同項第1号から第4号までに掲げる費用に係る同意については、文書によるものとする。

(看護及び医学的管理の下における介護)

第35条 看護及び医学的管理の下における介護は、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するよう、入居者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じ、適切な技術をもって行われなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、入居者の日常生活における家事を、入居者が、その心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じて、それぞれの役割を持って行うよう適切に支援しなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者が身体の清潔を維持し、精神的に快適な生活を営むことができるよう、適切な方法により、入居者に入浴の機会を提供しなければならない。ただし、やむを得ない場合には、清拭を行うことをもって入浴の機会の提供に代えることができる。

4 ユニット型介護医療院は、入居者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じて、適切な方法により、排せつの自立について必要な支援を行わなければならない。

5 ユニット型介護医療院は、おむつを使用せざるを得ない入居者については、排せつの自立を図りつつ、そのおむつを適切に取り替えなければならない。

6 ユニット型介護医療院は、褥瘡じょくそうが発生しないよう適切な介護を行うとともに、その発生を予防するための体制を整備しなければならない。

7 ユニット型介護医療院は、前各項に定めるほか、入居者が行う離床、着替え、整容等の日常生活上の行為を適切に支援しなければならない。

8 ユニット型介護医療院は、その入居者に対して、入居者の負担により、当該ユニット型介護医療院の従業者以外の者による看護及び介護を受けさせてはならない。

(食事)

第36条 ユニット型介護医療院は、栄養並びに入居者の心身の状況及び好を考慮した食事を提供しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、入居者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に応じて、適切な方法により、食事の自立について必要な支援を行わなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者の生活習慣を尊重した適切な時間に食事を提供するとともに、入居者がその心身の状況に応じてできる限り自立して食事を摂ることができるよう必要な時間を確保しなければならない。

4 ユニット型介護医療院は、入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事を摂ることを支援しなければならない。

(その他のサービスの提供)

第37条 ユニット型介護医療院は、入居者の好に応じた趣味、教養又は娯楽に係る活動の機会を提供するとともに、入居者が自律的に行うこれらの活動を支援しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、常に入居者の家族との連携を図るとともに、入居者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。

(運営規程)

第38条 ユニット型介護医療院は、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

(1) 施設の目的及び運営の方針

(2) 従業者の職種、員数及び職務の内容

(3) 入居定員

(4) ユニットの数及びユニットごとの入居定員

(5) 入居者に対する介護医療院サービスの内容及び利用料その他の費用の額

(6) 施設の利用に当たっての留意事項

(7) 非常災害対策

(8) 虐待の防止のための措置に関する事項

(9) その他施設の運営に関する重要事項

(令和3規則49・一部改正)

(勤務体制の確保等)

第39条 ユニット型介護医療院は、入居者に対し、適切な介護医療院サービスを提供することができるよう、従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。

2 前項の従業者の勤務の体制を定めるに当たっては、入居者が安心して日常生活を送ることができるよう、継続性を重視したサービスの提供に配慮する観点から、次に定める職員配置を行わなければならない。

(1) 昼間については、ユニットごとに常時1人以上の介護職員又は看護職員(看護師又は准看護師をいう。次号において同じ。)を配置すること。

(2) 夜間及び深夜については、2ユニットごとに1人以上の介護職員又は看護職員を夜間及び深夜の勤務に従事する職員として配置すること。

(3) ユニットごとに、常勤のユニットリーダーを配置すること。

3 ユニット型介護医療院は、当該ユニット型介護医療院の従業者によって介護医療院サービスを提供しなければならない。ただし、入居者に対する介護医療院サービスの提供に直接影響を及ぼさない業務については、この限りでない。

4 ユニット型介護医療院は、従業者の具体的な研修計画を策定するとともに、従業者に対し、研修機関又は当該ユニット型介護医療院が実施する研修その他その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。その際、当該ユニット型介護医療院は、全ての従業者(看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、法第8条第2項に規定する政令で定める者等の資格を有する者その他これに類する者を除く。)に対し、認知症介護に係る基礎的な研修を受講させるために必要な措置を講じなければならない。

5 ユニット型介護医療院は、入居者の人権の擁護、高齢者虐待の防止等のため、従業者に対し、研修の実施その他必要な措置を講じなければならない。

6 ユニット型介護医療院は、適切な介護医療院サービスの提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより従業者の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。

(令和3規則49・一部改正)

(定員の遵守)

第40条 ユニット型介護医療院は、ユニットごとの入居定員及び療養室の定員を超えて入居させてはならない。ただし、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

(準用)

第41条 第6条から第10条まで、第12条から第15条の3まで、第18条第20条第21条第23条の2及び第25条から第31条までの規定は、ユニット型介護医療院について準用する。この場合において、第6条第1項中「第7条」とあるのは「第24条において準用する条例第7条」と、第21条第4号中「第16条第2項」とあるのは「第24条において準用する条例第16条第2項」と、同条第5号中「第17条第3項」とあるのは「第24条において準用する条例第17条第3項」と、第31条第2項第2号中「第9条第4項」とあるのは「第24条において準用する条例第9条第4項」と、同項第4号中「第10条第6項第3号」とあるのは「第23条第8項第3号」と、同項第6号中「第16条第2項」とあるのは「第24条において準用する条例第16条第2項」と、同項第7号中「第17条第3項」とあるのは「第24条において準用する条例第17条第3項」と読み替えるものとする。

(令和3規則49・一部改正)

第6章 雑則

(令和3規則49・追加)

(電磁的記録等)

第42条 介護医療院及びその従業者は、作成、保存その他これらに類するもののうち、条例及びこの規則の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他の有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されている又は想定されるもの(第8条第1項(第41条において準用する場合を含む。)及び第10条第1項(第41条において準用する場合を含む。)並びに次項に規定するものを除く。)については、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。

2 介護医療院及びその従業者は、交付、説明、同意、承諾その他これらに類するもの(以下「交付等」という。)のうち、条例及びこの規則の規定において書面で行うことが規定されている又は想定されるものについては、当該交付等の相手方の承諾を得て、書面に代えて、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によって認識することができない方法をいう。)によることができる。

(令和3規則49・追加)

(施行期日)

1 この規則は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 医療法(昭和23年法律第205号)第7条第2項第4号に規定する療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を平成36年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合については、第4条第1項第3号ウ同項第6号イ第5条第3項第4号第32条第1項第1号ウ(イ)同項第2号ウ及び第33条第3項第4号の規定は、適用しない。

3 療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を平成36年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の屋内の直通階段及びエレベーターについては、第5条第3項第1号及び第33条第3項第1号中「屋内の直通階段及びエレベーターをそれぞれ1以上設けること」とあるのは、「屋内の直通階段を2以上設けること。ただし、エレベーターが設置されているもの又は2階以上の各階における療養室の床面積の合計がそれぞれ50平方メートル(主要構造部が耐火構造であるか、又は不燃材料(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号に規定する不燃材料をいう。)で造られている建築物にあっては、100平方メートル)以下のものについては、屋内の直通階段を1とすることができる」とする。

4 療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を平成36年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の療養室に隣接する廊下については、第5条第3項第6号ア及び第33条第3項第6号アの規定にかかわらず、幅は、1.2メートル以上とする。ただし、中廊下の幅は、1.6メートル以上とする。

5 病床を有する診療所の開設者が、当該診療所の病床を令和6年3月31日までの間に転換を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の浴室については、第4条第1項第3号イ及び第32条第2号イの規定にかかわらず、新築、増築又は全面的な改築の工事が終了するまでの間は、一般浴槽のほか、入浴に介助を必要とする者の入浴に適した設備を設けることとする。

(令和3規則49・追加)

(令和3年3月29日規則第49号)

(施行期日)

1 この規則は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)から令和6年3月31日までの間、この規則による改正後の福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例施行規則(以下「改正後の規則」という。)第22条及び第38条の規定の適用については、これらの規定中「、次に」とあるのは「、虐待の防止のための措置に関する事項に関する規程を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(虐待の防止のための措置に関する事項を除く。)」とする。

(業務継続計画の策定等に係る経過措置)

3 施行日から令和6年3月31日までの間、改正後の規則第23条の2(改正後の規則第41条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、改正後の規則第23条の2第1項中「講じなければ」とあるのは「講じるよう努めなければ」と、同条第2項中「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、同条第3項中「行うものとする」とあるのは「行うよう努めるものとする」とする。

(認知症に係る基礎的な研修の受講に関する経過措置)

4 施行日から令和6年3月31日までの間、改正後の規則第23条第3項及び第39条第4項の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とする。

(ユニットの定員に係る経過措置)

5 施行日以降、当分の間、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(令和3年厚生労働省令第9号)第13条の規定による改正後の介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)第45条第2項第1号イ(2)の規定に基づき入居者の定員が10人を超えるユニットを整備するユニット型介護医療院は、改正後の規則第3条第1項第2号及び第3号並びに第5項第2号並びに第39条第2項の基準を満たすほか、ユニット型介護医療院における夜間及び深夜を含めた介護職員並びに看護師及び准看護師の配置の実態を勘案して職員を配置するよう努めるものとする。

(栄養管理に係る経過措置)

6 施行日から令和6年3月31日までの間、改正後の規則第15条の2(改正後の規則第41条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、改正後の規則第15条の2中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする。

(口くう衛生の管理に係る経過措置)

7 施行日から令和6年3月31日までの間、改正後の規則第15条の3(改正後の規則第41条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、改正後の規則第15条の3中「行わなければ」とあるのは、「行うよう努めなければ」とする。

(感染症の予防及びまん延の防止のための訓練に係る経過措置)

8 施行日から令和6年3月31日までの間、改正後の規則第25条第2項第3号(改正後の規則第41条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、介護医療院は、その介護職員その他の従業者に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修を定期的に実施するとともに、感染症の予防及びまん延の防止のための訓練を定期的に実施するよう努めるものとする。

福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例施行規則

平成30年3月29日 規則第63号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第2章
沿革情報
平成30年3月29日 規則第63号
令和3年3月29日 規則第49号