○福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例

平成30年3月29日

条例第18号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 人員に関する基準(第4条)

第3章 施設及び設備に関する基準(第5条・第6条)

第4章 運営に関する基準(第7条―第18条)

第5章 ユニット型介護医療院の基本方針並びに施設及び設備並びに運営に関する基準

第1節 この章の趣旨及び基本方針(第19条・第20条)

第2節 施設及び設備に関する基準(第21条・第22条)

第3節 運営に関する基準(第23条・第24条)

第6章 雑則(第25条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第111条第1項から第3項までの規定に基づき、介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、法及び介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成30年厚生労働省令第5号)の例による。

(基本方針)

第3条 介護医療院は、長期にわたり療養が必要である者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、その者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない。

2 介護医療院は、入所者の意思及び人格を尊重し、常に入所者の立場に立って介護医療院サービスの提供に努めなければならない。

3 介護医療院は、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、居宅介護支援事業者(居宅介護支援事業を行う者をいう。以下同じ。)、居宅サービス事業者(居宅サービス事業を行う者をいう。以下同じ。)、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

4 介護医療院は、入所者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

5 介護医療院は、介護医療院サービスを提供するに当たっては、法第118条の2第1項に規定する介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない。

(令和3条例30・一部改正)

第2章 人員に関する基準

第4条 介護医療院には、医師及び看護師のほか、次に掲げる従業者を置かなければならない。

(1) 薬剤師

(2) 准看護師

(3) 介護職員

(4) 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士

(5) 栄養士又は管理栄養士

(6) 介護支援専門員

(7) 診療放射線技師

(8) 調理員、事務員その他の従業者

2 前項各号に掲げる従業者に関し必要な基準は、規則で定める。

(令和3条例30・一部改正)

第3章 施設及び設備に関する基準

(施設)

第5条 介護医療院は、次に掲げる施設を設けなければならない。

(1) 療養室

(2) 診察室

(3) 処置室

(4) 機能訓練室

(5) 談話室

(6) 食堂

(7) 浴室

(8) レクリエーション・ルーム

(9) 洗面所

(10) 便所

(11) サービス・ステーション

(12) 調理室

(13) 洗濯室又は洗濯場

(14) 汚物処理室

2 前項各号に掲げる施設に関し必要な基準は、規則で定める。

(構造設備の基準)

第6条 介護医療院の建物(入所者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。以下この条において同じ。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)としなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建ての介護医療院の建物にあっては、準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建ての介護医療院の建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 介護医療院は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備及び入所者に対する介護医療院サービスの提供を適切に行うために必要な設備を設けなければならない。

4 前3項に規定するもののほか、介護医療院の構造設備に関し必要な基準は、規則で定める。

第4章 運営に関する基準

(内容及び手続の説明及び同意)

第7条 介護医療院は、介護医療院サービスの提供の開始に際し、あらかじめ、入所申込者又はその家族に対し、施設の運営についての重要事項に関する規程の概要、従業者の勤務の体制その他の入所申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について文書により入所申込者の同意を得なければならない。

(提供拒否の禁止)

第8条 介護医療院は、正当な理由なく介護医療院サービスの提供を拒んではならない。

(入退所)

第9条 介護医療院は、その心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他医療等が必要であると認められる者を対象に、介護医療院サービスを提供するものとする。

2 介護医療院は、入所申込者の数が入所定員から入所者の数を差し引いた数を超えている場合には、長期にわたる療養及び医学的管理の下における介護の必要性を勘案し、介護医療院サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。

3 介護医療院は、入所申込者の入所に際しては、その者に係る居宅介護支援事業者に対する照会等により、その者の心身の状況、生活歴、病歴、指定居宅サービス等(法第8条第24項に規定する指定居宅サービス等をいう。)の利用状況等の把握に努めなければならない。

4 介護医療院は、入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討し、その内容等を記録しなければならない。

5 前項の検討に当たっては、医師、薬剤師、看護師、准看護師、介護職員、介護支援専門員等の従業者の間で協議しなければならない。

6 介護医療院は、入所者の退所に際しては、その者又はその家族に対し、適切な指導を行うとともに、居宅サービス計画の作成等の援助に資するため、居宅介護支援事業者に対する情報の提供に努めるほか、退所後の主治の医師に対する情報の提供その他保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

(介護医療院サービスの取扱方針)

第10条 介護医療院は、施設サービス計画に基づき、入所者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を踏まえて、その者の療養を適切に行わなければならない。

2 介護医療院サービスは、施設サービス計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して行われなければならない。

3 介護医療院の従業者は、介護医療院サービスの提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、入所者又はその家族に対し、療養上必要な事項について、理解しやすいように指導又は説明を行わなければならない。

4 介護医療院は、介護医療院サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

5 前項の緊急やむを得ない場合とは、身体拘束廃止委員会(管理者及び入所者の介護医療院サービスの提供を担当する者から構成され、身体的拘束等に係る判断、身体的拘束等の適正化のための対策その他必要な事項について検討を行う会議をいい、テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことができるものとする。以下同じ。)が次のいずれにも該当すると判断した場合とする。

(1) 入所者又は他の入所者等の生命又は身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと。

(2) 身体的拘束等を行う以外に当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するための手段がないこと。

(3) 身体的拘束等が一時的なものであること。

6 介護医療院は、身体的拘束等を行うに当たっては、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 前項の規定による身体拘束廃止委員会の判断の結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該身体的拘束等が必要な理由、その態様、時間その他必要な事項について入所者又はその家族に対して説明した上で、文書により入所者の同意を得ること。

(3) 当該身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに第4項の緊急やむを得ない場合の具体的内容を記録すること。

7 介護医療院は、身体的拘束等を行っている場合にあっては、その間、当該身体的拘束等が第5項各号に定める要件のいずれにも該当するかについて判断するため、必要に応じて身体拘束廃止委員会を開催しなければならない。この場合において、当該身体的拘束等が同項各号に定める要件のいずれかに該当しないと判断されたときは、直ちに当該身体的拘束等を廃止するものとする。

8 介護医療院は、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体拘束廃止委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

9 介護医療院は、自らその提供する介護医療院サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(令和3条例30・一部改正)

(診療の方針)

第11条 医師の診療の方針は、次に掲げるところによるものとする。

(1) 診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対して、的確な診断を基とし、療養上適切に行われること。

(2) 診療に当たっては、常に医学の立場を堅持して、入所者の心身の状況を観察し、要介護者の心理が健康に及ぼす影響を十分配慮して、心理的な効果をもあげることができるよう適切な指導を行うこと。

(3) 常に入所者の心身の状況、病状、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、適切な指導を行うこと。

(4) 検査、投薬、注射、処置等は、入所者の病状に照らして適切に行われること。

(5) 特殊な療法、新しい療法等については、別に厚生労働大臣が定めるもののほか行わないこと。

(6) 別に厚生労働大臣が定める医薬品以外の医薬品を入所者に施用し、又は処方しないこと。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第17項に規定する治験に係る診療において、当該治験の対象とされる薬物を使用する場合においては、この限りでない。

(管理者による管理)

第12条 介護医療院の管理者は、専ら当該介護医療院の職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該介護医療院の管理上支障のない場合は、同一敷地内にある他の事業所若しくは施設等又はサテライト型特定施設(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の介護老人保健施設、介護医療院又は病院若しくは診療所であって当該施設に対する支援機能を有するものとの密接な連携を確保しつつ、これらとは別の場所で運営される指定地域密着型特定施設(福岡市指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等を定める条例(平成24年福岡市条例第67号。以下この条において「指定地域密着型サービス基準条例」という。)第62条第1項に規定する指定地域密着型特定施設をいう。)をいう。)若しくはサテライト型居住施設(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設(指定地域密着型サービス基準条例第72条第1項に規定する指定地域密着型介護老人福祉施設をいい、サテライト型居住施設である指定地域密着型介護老人福祉施設を除く。)、介護老人保健施設、介護医療院又は病院若しくは診療所であって当該施設に対する支援機能を有するものとの密接な連携を確保しつつ、これらとは別の場所で運営される指定地域密着型介護老人福祉施設をいう。)の職務に従事することができるものとする。

(管理者の責務)

第13条 介護医療院の管理者は、当該介護医療院の従業者の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。

2 介護医療院の管理者は、従業者にこの章及びこの条例に基づく規則の規定(介護医療院の運営に関する基準に係る規定に限る。)を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。

3 介護医療院の管理者は、介護医療院に医師を宿直させなければならない。ただし、当該介護医療院の入所者に対するサービスの提供に支障がない場合にあっては、この限りでない。

(非常災害対策)

第14条 介護医療院は、非常災害に関する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に従業者に周知するとともに、定期的に避難、救出その他の必要な訓練を行わなければならない。

2 介護医療院は、前項に規定する具体的計画を立てる際には、想定される非常災害の種類及び規模に応じ、それぞれ立てなければならない。

3 介護医療院は、第1項に規定する訓練の実施に当たって、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならない。

(令和3条例30・一部改正)

(秘密保持等)

第15条 介護医療院の従業者は、正当な理由なく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。

2 介護医療院は、従業者であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

3 介護医療院は、居宅介護支援事業者等に対して、入所者に関する情報を提供する際には、あらかじめ文書により入所者の同意を得ておかなければならない。

(苦情処理)

第16条 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。

2 介護医療院は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。

3 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関し、法第23条の規定による市町村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は当該市町村の職員からの質問若しくは照会に応じ、入所者からの苦情に関して市町村が行う調査に協力するとともに、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

4 介護医療院は、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。

5 介護医療院は、提供した介護医療院サービスに関する入所者からの苦情に関して連合会(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第5項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下この項及び次項において同じ。)が行う法第176条第1項第3号の規定による調査に協力するとともに、連合会から同号の規定による指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。

6 介護医療院は、連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を連合会に報告しなければならない。

(事故発生の防止及び発生時の対応)

第17条 介護医療院は、事故の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。

(2) 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制を整備すること。

(3) 事故発生の防止のための委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)及び従業者に対する研修を定期的に行うこと。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

2 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。

3 介護医療院は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。

4 介護医療院は、入所者に対する介護医療院サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。

(令和3条例30・一部改正)

(虐待の防止)

第17条の2 介護医療院は、当該介護医療院における虐待の発生又はその再発を防止するため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 当該介護医療院における虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該介護医療院における虐待の防止のための指針を整備すること。

(3) 当該介護医療院において、介護職員その他の従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。

(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

(令和3条例30・追加)

(暴力団員等の排除)

第18条 介護医療院の管理者は、福岡市暴力団排除条例(平成22年福岡市条例第30号)第2条第2号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)又は同条第1号に規定する暴力団(以下「暴力団」という。)若しくは暴力団員と密接な関係を有する者であってはならない。

2 介護医療院は、その運営について、暴力団、暴力団員及び暴力団又は暴力団員と密接な関係を有する者の支配を受けてはならない。

第5章 ユニット型介護医療院の基本方針並びに施設及び設備並びに運営に関する基準

第1節 この章の趣旨及び基本方針

(この章の趣旨)

第19条 第3条及び前2章の規定にかかわらず、ユニット型介護医療院(施設の全部において少数の療養室及び当該療養室に近接して設けられる共同生活室(当該療養室の入居者が交流し、共同で日常生活を営むための場所をいう。以下同じ。)により一体的に構成される場所(以下「ユニット」という。)ごとに入居者の日常生活が営まれ、これに対する支援が行われる介護医療院をいう。以下同じ。)の基本方針並びに施設及び設備並びに運営に関する基準については、この章に定めるところによる。

(基本方針)

第20条 ユニット型介護医療院は、長期にわたり療養が必要である入居者一人ひとりの意思及び人格を尊重し、施設サービス計画に基づき、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、各ユニットにおいてその入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援しなければならない。

2 ユニット型介護医療院は、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、市町村、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

3 ユニット型介護医療院は、入居者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。

4 ユニット型介護医療院は、介護医療院サービスを提供するに当たっては、法第118条の2第1項に規定する介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない。

(令和3条例30・一部改正)

第2節 施設及び設備に関する基準

(施設)

第21条 ユニット型介護医療院は、次に掲げる施設を設けなければならない。

(1) ユニット

 療養室

 共同生活室

 洗面設備

 便所

(2) 診察室

(3) 処置室

(4) 機能訓練室

(5) 浴室

(6) サービス・ステーション

(7) 調理室

(8) 洗濯室又は洗濯場

(9) 汚物処理室

2 前項各号に掲げる施設に関し必要な基準は、規則で定める。

(構造設備の基準)

第22条 ユニット型介護医療院の建物(入居者の療養生活のために使用しない附属の建物を除く。以下この項及び次項において同じ。)は、耐火建築物としなければならない。ただし、規則で定める要件を満たす2階建て又は平屋建てのユニット型介護医療院の建物にあっては、準耐火建築物とすることができる。

2 前項の規定にかかわらず、市長が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、規則で定める要件を満たす木造かつ平屋建てのユニット型介護医療院の建物であって、火災に係る入居者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。

3 ユニット型介護医療院は、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備及び入居者に対する介護医療院サービスの提供を適切に行うために必要な設備を設けなければならない。

4 前3項に規定するもののほか、ユニット型介護医療院の構造設備に関し必要な基準は、規則で定める。

第3節 運営に関する基準

(介護医療院サービスの取扱方針)

第23条 介護医療院サービスは、入居者が、その有する能力に応じて、自らの生活様式及び生活習慣に沿って自律的な日常生活を営むことができるようにするため、施設サービス計画に基づき、入居者の日常生活上の活動について必要な援助を行うことにより、入居者の日常生活を支援するものとして行われなければならない。

2 介護医療院サービスは、各ユニットにおいて入居者がそれぞれの役割を持って生活を営むことができるよう配慮して行われなければならない。

3 介護医療院サービスは、入居者のプライバシーの確保に配慮して行われなければならない。

4 介護医療院サービスは、入居者の自立した生活を支援することを基本として、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止に資するよう、その者の心身の状況等を常に把握しながら、適切に行われなければならない。

5 ユニット型介護医療院の従業者は、介護医療院サービスの提供に当たって、入居者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。

6 ユニット型介護医療院は、介護医療院サービスの提供に当たっては、当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束等を行ってはならない。

7 前項の緊急やむを得ない場合とは、身体拘束廃止委員会が次のいずれにも該当すると判断した場合とする。

(1) 入居者又は他の入居者等の生命又は身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いこと。

(2) 身体的拘束等を行う以外に当該入居者又は他の入居者等の生命又は身体を保護するための手段がないこと。

(3) 身体的拘束等が一時的なものであること。

8 ユニット型介護医療院は、身体的拘束等を行うに当たっては、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 前項の規定による身体拘束廃止委員会の判断の結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 当該身体的拘束等が必要な理由、その態様、時間その他必要な事項について入居者又はその家族に対して説明した上で、文書により入居者の同意を得ること。

(3) 当該身体的拘束等の態様及び時間、その際の入居者の心身の状況並びに第6項の緊急やむを得ない場合の具体的内容を記録すること。

9 ユニット型介護医療院は、身体的拘束等を行っている場合にあっては、その間、当該身体的拘束等が第7項各号に定める要件のいずれにも該当するかについて判断するため、必要に応じて身体拘束廃止委員会を開催しなければならない。この場合において、当該身体的拘束等が同項各号に定める要件のいずれかに該当しないと判断されたときは、直ちに当該身体的拘束等を廃止するものとする。

10 ユニット型介護医療院は、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 身体拘束廃止委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること。

(2) 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。

(3) 介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。

11 ユニット型介護医療院は、自らその提供する介護医療院サービスの質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。

(準用)

第24条 第7条から第9条まで及び第11条から第18条までの規定は、ユニット型介護医療院について準用する。この場合において、第13条第2項中「この章」とあるのは、「第5章第3節」と読み替えるものとする。

第6章 雑則

(委任)

第25条 この条例に定めるもののほか、介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 医療法(昭和23年法律第205号)第7条第2項第4号に規定する療養病床等を有する病院又は病床を有する診療所の開設者が、当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床を平成36年3月31日までの間に転換(当該病院の療養病床等又は当該診療所の病床の病床数を減少させるとともに、当該病院等の施設を介護医療院、軽費老人ホーム(老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の6に規定する軽費老人ホームをいう。)その他の要介護者、要支援者その他の者を入所又は入居させるための施設の用に供することをいう。)を行って介護医療院を開設する場合における当該介護医療院の建物については、第6条第1項及び第22条第1項の規定は、適用しない。

(令和3年3月29日条例第30号)

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(虐待の防止に係る経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から令和6年3月31日までの間、この条例による改正後の福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例(以下「改正後の条例」という。)第3条第4項、第17条の2(改正後の条例第24条において準用する場合を含む。)及び第20条第3項の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とする。

(事故発生の防止及び発生時の対応に係る経過措置)

3 施行日から起算して6月を経過する日までの間、改正後の条例第17条第1項(改正後の条例第24条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「次に掲げる措置を講じなければ」とあるのは、「第1号から第3号までに掲げる措置を講じるとともに、第4号に掲げる措置を講じるよう努めなければ」とする。

福岡市介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準を定める条例

平成30年3月29日 条例第18号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第8類 生/第2章
沿革情報
平成30年3月29日 条例第18号
令和3年3月29日 条例第30号