福岡市立中学校柔道事故調査報告書
福岡市立中学校柔道事故調査報告書について
平成27年5月22日,福岡市立中学校の柔道部の活動中に発生した死亡事故について,福岡市教育委員会は,事故を検証し,再発防止策を提言することや,柔道を指導する際の安全指導などについて検討を行うため,外部有識者で構成される福岡市柔道安全指導検討委員会(以下,検討委
員会)を設置しました。
平成27年12月24日,検討委員会から福岡市教育委員会に対して,福岡市立中学校柔道事故調査報告書(以下,調査報告書)が提出されました
ので,その内容について公表します。
「再発防止に向けての具体的取組」について(概要)
- 1 練習計画
- ●初心者の指導計画を作成し,個々の体力・技能レベルに応じた基礎体力づくり,「受け身」や「投げられる練習」を徹底する。
- ●初心者は「受け身」を主とした練習を最低3~4か月間以上行い,危険性のある技で「受け身」の練習をしない。
- 2 指導
- ●指導者は,「受け身」を徹底して指導するとともに,直接,初心者と組み,「投げの技」や「受け身」の習得の程度を把握する。
- ●指導者は,生徒の体格差や能力差,利き腕や「得意技」などの特性をしっかりと理解し,個人の体力や習熟度に応じたきめ細かな指導を行う。
- 3 生徒把握・健康管理
- ●健康や安全に関する体調チェックシート,部活動日誌などに,生徒の健康状態や練習の記録を残す。
- ●頭部打撲や頭痛,体調不良の場合,必ず,顧問は生徒と面談を行い,頭痛などの原因や状態を確認し,練習を止めさせる。また,原因不明の場合,顧問は医者の診断を受けるよう指示する。練習再開にあたっては医師の診断を受ける。
- 4 その他
- ●全柔連「柔道の安全指導」を生徒や保護者に配布し,技の危険性や頭部外傷について生徒・保護者とともに理解を深める。
- ●柔道部顧問と生徒は,中体連柔道専門部が県柔道協会の協力を得て開催する「福岡市中学校柔道安全講習会」に必ず参加する。また,中体連柔道専門部は顧問に受け身等の習熟度の確認の仕方について周知,徹底を図る。
柔道事故調査報告書について