下水道の役割

私たちが安全で衛生的な生活をするうえで、大きな役割を果たしている下水道。ここでは役割をご紹介します。「水」は主に海から大気中へ蒸発し雲となり、次に空から雨や雪として地上に降り、そして川となって海へ流れるというように、地球上で常に循環しています。私たちはその循環の中で、水を利用しながら生活しています。この「水の循環」の中で、下水道は「私たちが使用した後の、汚れた水をきれいに処理して自然にもどす」といった重要な役割を担っています。さらに、下水道には「まちに降った雨などを川や海まで速やかに排水し、まちでの浸水被害を防ぐ」という役割も果たしています。

水の循環

下水道は、雨水をまちから速やかに排水したり、私たちが使用した後の汚れた水を集め、きれいにして川や海などの水質を保っています。下水道は、こうした「水の循環」を通して、豊かな自然を守るという大切な役割を担っています。また、今日では、こうした役割に加えて、汚れた水をきれいに処理する時に必要な電力などのエネルギーを削減したり、処理過程で発生する汚泥などの物質を有効利用して、自然への影響を減らすなど、環境保全に積極的に貢献しています。

生活の中の下水道

下水道は、私たちの生活とどのような関わりがあるのでしょうか。

環境が改善し、街が清潔に

家庭や工場などから発生する汚染が、側溝や水路に流れると、悪臭や蚊、ハエの発生の原因となります。下水道ができると、これらの水は直接、下水管に流れるため、街が清潔になります。

トイレの水洗化で快適な生活が

 下水道が整備されると、トイレの水洗化ができ衛生的で快適な生活ができるようになります。

浸水を防ぐ

 下水道は、汚水だけでなく、雨水も排除します。雨が降っても川や海に排水して、道路の冠水や建物の浸水が起こらないように街を守っています。

循環型都市づくり

 処理した水を再生水として利用したり、下水汚泥の有効利用を図るなど、循環型都市づくりを進めます。

川や海の水質を保つ

 汚水が直接、川や海に流れないように下水管で集め、水処理センターで処理・浄化します。これにより、川や海の水質が保たれ、豊かな自然環境が守られます。

もしも下水道がなかったら

福岡市では昭和5年の事業着手より、80年近くを経て下水道の整備を行い、現在では福岡市に住む人の99%以上が下水道を利用することができます。もしも下水道がなかったら、みなさまのくらしはどのような問題がおきるのでしょう?

  • トイレから悪臭が発生し、不衛生になる。
  • まちに雨水があふれて家や道路が浸水する。
  • よごれた水が排水口から川などに流れ出し、川がきたなくなる。
  • 工場などから出るよごれた水によって川や海の魚が死んでしまう。



このように危険で不便な生活になってしまいます。下水道の整備により、安全で快適なくらしが守られているのです。