現在位置:福岡市ホームの中の市政全般の中の国際交流・国際貢献の中の留学生支援の中の福岡市留学生サポートパッケージの中のグローバルコミュニティFUKUOKAからグローバル コミュニティ FUKUOKA 報告書(パネルディスカッションその2)
更新日: 2018年12月19日

グローバル コミュニティ FUKUOKA 報告書(パネルディスカッションその2)


★パネルディスカッション★
「求められるグローバル人材の姿や福岡でのグローバル人材の活躍について」

コーディネーター

  • 太田浩氏(一橋大学国際教育センター教授)

進行

  • 八塩圭子氏(フリーアナウンサー/学習院大学特別客員教授)

パネリスト

  • 太田和秀氏(九州大学工学研究院教授/九州大学アジア人財プログラムリーダー)
  • 龍造寺健介氏(本多機工株式会社 代表取締役社長)
  • 藤見哲郎氏(スタートアップカフェ エグゼクティブコンシェルジュ)
  • 桜井貴史氏(株式会社リクルートキャリア 新卒斡旋統括部 新卒エージェントサービス部マネージャー)
  • 福岡市長 髙島宗一郎

4 スタートアップカフェの取組み

1.はじめに

 スタートアップカフェの藤見です。これから皆さまには、スタートアップカフェの取組みについて紹介させていただきます。


2.スタートアップカフェ

 スタートアップカフェは、昨年(平成26(2014)年)10月にスタートしました。アクセスも非常に良く、アップルストア福岡天神の向かいにある、TSUTAYA BOOKSTORE TENJINの3階にスタートアップカフェはあります。

 スタートアップカフェでは、これから起業したいという人たちのために、起業の入り口として必要なサービスの提供を行っています。具体的には、ビジネス設計の構築や事業における資金計画の明確化、商品サービス化、マーケティングを含めた収益化といったそれぞれの段階における適切な情報提供をはじめ、起業家同士の交流、行政書士や司法書士といった手続き関係における専門家との相談など、ワンストップで支援を行っています。また、起業で重要になってくるのは人材なので、インターン生も含め、人材確保の支援も行っています。


スタートアップカフェ エグゼクティブコンシェルジュ 藤見哲郎氏の画像

3.人材マッチングサービス

 スタートアップカフェでは、人材マッチングサービスを行っています。起業する時に大事になってくるのは、やはりチームです。スタートアップカフェでは、専門的なキャリアを持つCTO(最高技術責任者)、CFO(最高財務責任者)、CMO(最高顧客市場分析調査責任者)、COO(最高執行責任者)といった方とのマッチングのほか、情熱と行動力がある学生のインターンや留学生の皆さんを巻き込んでいくことで、起業する時の成功確率をさらに上げていくためのチーム力アップにも取り組んでいます。


4.タイにいた日本人からの相談

 タイにいた日本人から相談を受けたケースで、福岡市にはわずか3日間しか滞在できなかった方の事例を、ここで皆さまに紹介します。

 資金関係では助成金などに詳しい非常勤のコンシェルジュがアドバイスを行い、税理士にも会っていただきました。登記関係では行政書士がアドバイスを行い、システム開発のパートナーとして海外のクラウドサービスを紹介しました。メディアミックスのブランディング関係では地元のブランディング会社を紹介し、観光のインバウンドプロモーション関係では萩市のふるさと大使との面談を設定しました。何とか3日間で全てのマッチングを行い、1か月で法人登記まで完了することができました。今ではタイと日本でビジネスにチャレンジしています。


5.企業相談

 スタートアップカフェでは、ほぼ毎日、起業関連イベントを開催しています。起業相談件数は年間1,304件で、そのうち、法人登記をした人と個人事業主で開業した人は、把握しているだけでも36件を超えています。

 スタートアップカフェができた当初は、相談件数も月100件以下でしたが、今年(平成27(2015)年)9月には、その1.5倍の148件にまで増加しています。相談に来る方の年齢層は、30代から40代が多数を占めていますが、中には80代のおばあちゃんもいたりと、幅広い年齢層の方から相談を受けています。


6.日本で第一位

 福岡市では、コワーキング(Coworking)スペースがどんどんと増加しており、スタートアップカフェのパートナーである日本政策金融公庫の福岡西支店の創業融資実績が東京の新宿支店を抜いて日本で第1位になるなど、福岡市の創業の盛り上がりは数字として表れてきています。このことは、リスクテイク、つまり負債を負ってでも創業したいという人たちが増えてきているという、非常にリアルな数字だと思います。スタートアップカフェの様々な取組みがユニークだということで、スタートアップカフェには全国からたくさんの方々に視察に来ていただいています。


7.終わりに

 スタートアップカフェでは、スタートアップの裾野を広げるという意味でも、グローバルスタートアップシティの入口部分をしっかりと充実させていくことに取り組んでいます。最初は数名のサポーターでしたが、今ではサポート体制も充実してきて、外国人の方への対応もかなりできるようになってきています。今後もサポート体制をさらに充実していくことで、創業の数を増やし、創業の成功確率を高められるよう我々もしっかりと取り組んでまいります。本日はよろしくお願いします。



5 日本における留学生採用の現状

1.はじめに

 リクルートキャリアの桜井です。これから皆さまには、日本における留学生採用の現状について紹介させていただきます。 


2.就職エージェントとは

 就職エージェントでは、キャリアアドバイザーが学生に対し企業紹介や内定サポートを行い、リクルーティングアドバイザーが企業に対し学生の紹介や採用サポートを行っています。就職エージェントの目的をひとことで言うと、学生と企業との間の「ミスマッチの解消」です。 


リクルートキャリア桜井氏

3.志望職種とのミスマッチ

 留学生の志望職種と,実際に留学生がどこに配属されているのかを比較してみると,ここにミスマッチが1つあります。留学生の志望職種8位の「営業・販売」が,実際の配属先では1位になっているということです。
 しかし,よく話を聞いてみると,「営業・販売」について留学生がきちんと理解しているかというと,そうではないのです。イメージだったりします。たとえ「国際業務」に配属されたとしても業務の中で営業職に就くことはあります。就職エージェントでは,こういう部分を留学生にきちんと説明し,企業と留学生とのミスマッチを解消させるためのサポートを行っています。


4.留学生を採用する上での課題

 留学生を採用する上での課題について企業に尋ねると、「キャリア・パスや社内のロール・モデルをうまく説明できない」という答えが最も多く返ってきます。これについては、社内のキャリア・パスやロール・モデルをもう一度ひもといて、留学生が興味あることに置き直すためのサポートを行っています。また、次に企業から多く挙げられる「志望者が集まらない」という課題についても、ミスマッチを解消するためのサポートを行っています。


5.グローバル新卒採用の現状

 グローバル展開企業における新卒採用では、海外に留学している日本人大学生へのニーズが極めて高くなっています。また、ASEANへの企業進出が加速する中、日本へ留学している外国人留学生へのニーズも、今、非常に伸びてきています。さらに、トップエンジニアやコンサルタントなど、特定の専門分野では、海外の大学まで企業が自ら出向き、外国人大学生を直接採用するという動きも増えています。 


6.終わりに

 留学生を企業が採用する動きは年々増加しており、全国的にも顕著な伸びを示しています。企業と留学生がもう一段上のレベルで理解し合い、お互いのミスマッチを解消することができれば、企業による留学生採用もさらに進むと思っていますので、今日この場で皆さまといろいろな課題について共有し、話し合えたらと考えています。本日はよろしくお願いします。