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更新日: 2021年2月17日

市長会見|市長のオフィス

2月16日市長会見

発表内容

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発言・質疑要旨

令和3年度当初予算案について(財政局財政調整課)

記者
 おはようございます。幹事社のKBCです。
 市長のほうから、発表案件をよろしくお願いいたします。

市長
 はい、よろしくお願いいたします。
 いよいよ、福岡市の新年度の予算の発表会見の日がやってまいりました。
 毎年この時期に新年度、どういった事業をするのかということをお話をするわけですけれども、ただ、本当に去年一年間、新型コロナウイルスということで、非常にやっぱり大きな市民生活に影響を受けた一年でした。そういう中で、新しい年の予算をつくるわけです。

 【フリップ1 (596kbyte)】新しい年度の予算のテーマは「とりもどせ元気!」です。
 やはり、今、多くの皆さんが、これは新型コロナウイルスによって、この一年間、本当に大きなダメージを受けました。そこから大きく、やはり新年度、回復をして、そして元気を取り戻していこうということで、この「とりもどせ元気!」というものが新年度の予算の大きなテーマになったわけです。

 【フリップ2 (643kbyte)】具体的にはと言いますと、これは最大のポイントは予算の規模。福岡市としては、初めて1兆円を超える予算を組むことになりました。
 単年度としても、これは1兆円を超える予算なんですが、これ、実は特に新型コロナウイルスに関するさまざまな施策の中で、やはり年度末の予算の承認を待ってからですね、実行していくということではなくて、もうできるだけ早く執行していくためにも、2月の補正予算と合わせる。一体的な編成を行うということで、すべきことは、とにかく迅速に行動できるように組んでいます。
 この2月補正と新年度の予算を合わせますと、これは1兆965億円という規模になります。その中でもコロナ対策費としてが、これが2,800億円ですから、全体の4分の1がコロナに関する予算ということになるわけです。

 【フリップ3 (943kbyte)】具体的に、では、そのコロナの対策どういったものがあるのかを見てみたいと思います。
 まず、明日から先行接種が始まりますワクチンの接種について、これは福岡市については、非常にいい体制が組めたと思っています。福岡の医療関係者の皆さんと議論しながら、つくり上げたその体制は、それは中心が普段のかかりつけの地域のクリックになるということです。
 地域のクリニック、およそ700のクリニックが実際に手を挙げていただいたわけですね。ですから、かかりつけ医、これまでの病歴ですとか、こうしたもろもろも、基礎疾患も含めてですね、把握していただいている先生にしっかり相談しながら、高齢者の皆さんもワクチン接種をしていただける。それから、アフターフォローも含めてできるということですね。
 これを中心とした、そのワクチン接種の体制をつくるということが福岡市の、ワクチン接種の大きな体制になるわけです。
 併せて、当然そのワクチンの接種は進むにしてもですね、やはりコロナ対策ということは併せてしていかなくてはいけません。PCR検査、抗原検査、こうした検査体制をしっかり拡充していくということと併せて、コロナの患者を受け入れていただいた病院に対しての特別給付金等については、引き続き行っていきたいと思います。

 【フリップ4 (907kbyte)】それから、コロナ関係で痛んだ事業者等への支援なんですが、ここが一つ、今回の予算の大きなポイントになります。コロナで痛んだ事業者のために、大きく経済を下支えしていくという取り組みをします。
 特に、地場経済の下支えとして、例えば学校のトイレの洋式化とか、それから例えば通学路等々とかの、いわゆる歩道の整備とか、身近な生活改善の部分で、つまりやらなければいけない事業についてはですね、これを前倒しするという形で過去最大、つまりリーマンショック後の過去最大規模の公共事業費を組んでいます。1,730億円組まれます。
 もちろん、これは必要ない工事をするということではなくて、そもそも予定されている学校のトイレの洋式化だとか、歩道の要するにフラット化ですね、こうしたことをするために、こういった事業を前倒しをするという形で、しっかり仕事をつくっていきたいと思っております。
 それから、中小企業向けには、融資枠5,800億円という、これは過去最大規模を準備をして、しっかり中小企業の下支えをしていきたいと思います。
 ならびに市民の皆さんには、20%のプレミアム付きの商品券も発行して、消費喚起につなげていきたいと思います。

 【フリップ5 (768kbyte)】新型コロナウイルスによって、今回のような緊急事態宣言、本当にこれはもう今回が最後にしたいわけですけれども、万が一、今後もこうしたことが起きたときにですね、例えば保育園が休園になるとか、こういうことになると働くご両親にとっては、非常にこれ、預ける場所がないといって大変なことになってしまうわけですね。
 そこで、福岡市としては、ベビーシッターの費用、これを補助することによって、1時間当たり上限1,400円、1日10時間までサポートをできるように、このベビーシッター費用を補助していきたいと思います。
 また、感染対策として、人がたくさん集まるような公共施設、例えば公民館とか、学校とか、それから公園、障がい者施設、こうしたところの蛇口ですね、手を洗った後に水を止めるために触らなきゃいけないってことがないようですね、非接触で水が止まるような、そんな蛇口にこれから入れ替えを一気にしていって、感染対策ということも行っていきたいと思います。コロナ関連はここまでです。

 新しいチャレンジの部分に移っていきたいんですが、非常に大きな新年度のですね、取り組みの特徴として、これがあります。
 【フリップ6 (877kbyte)】プレコンセプションケアの推進です。プレコンセプションケアって、あまりまだ聞きなじみがないかもしれません。これは自分の体のことをよく知って、その上で、自分で主体的に意思を持って自分のライフプランを立てていこうという考え方なんですね。
 これを学校教育の現場の中に、こうしたプレコンセプションケアというものを入れていって、そして、小さい頃からですね、自分の体のこと、そして自分のライフプランのことを主体的に考えるというきっかけをつくっていきたいと思います。
 さらに30歳になった女性についてですね、これはAMHという、抗ミュラー管ホルモンというんですが、この検査を500円で受けることができる、こういう検査を行いたいと思います。
 これは希望者が受けることができるということなんですが、卵巣機能の検査であります。この検査を500円で受けていただくんですが、実際これは血液検査なんですね。ですから、例えば婦人科とか、産婦人科に対して、少しこう、やっぱり敷居が高い、ハードルが高いと思っている方にも、これは血液検査で卵巣機能の検査ができるわけですから、ずいぶんこれハードルは下がってくると思うんですね。
 ですから、これは単に数値を伝えられるということだけではなくて、これまでのライフスタイル、もしくは普段の生活習慣、こうしたところから見直していくきっかけになっていただければと思っています。
 今日はですね、この分野については専門的な見地からもお話をいただきたいと思っています。ゲストの方にお越しをいただいております。ズームで参加をいただきます。
 アイブイエフ詠田クリニックの院長で、産婦人科医の詠田先生に今日はオンラインで参加をいただいております。詠田先生から、このプレコンセプションケアの新しい取り組みについて、一言いただいてよろしゅうございますでしょうか。

アイブイエフ詠田クリニック 詠田由美(ながた ゆみ)院長
 はい、分かりました。おはようございます。詠田クリニックの院長の詠田です。
 女性の健康づくりの重要性についてですが、女性が男性と対等な社会で活躍していくには、男性と比較したり、競争をすることなく、女性ならではの活躍の仕方を考えていかなければならないと思います。
 プレコンセプションケアは、男性にはない、女性の特有の身体的な違いを知ることで、社会活動をしながら、自分らしいライフスタイルを創作していけると思います。女性が女性の体を学び、自分の女性としての健康に気を配り、ライフプランを設定する。これからの女性の生き方に必要なことだと思います。今回、福岡市が助成するAMH検査ですが、卵巣にある卵子の数を推定する検査です。
 私は長年、産婦人科医として患者さんに出会ってきましたが、卵子の数が減少することはほとんどの人が知りません。卵子の話の後に言われるのは、「このことをもっと早く知っておけば、ライフプランを設計し直していたのに」という言葉です。
 AMH測定の意義はあまり知られていません。また、検査は自費で、5,000円前後で非常に高額です。AMHは現在ある卵子の数を推定する検査です。将来の結婚、出産の時期を決定していくのに、よい指標になると思います。
 このプレコンセプションケアは長年、産婦人科医が担当してきましたが、やはり未婚既婚を問わず、産婦人科の診察は内科と違って敷居が高いものです。そのため、プレコンセプションケアに接する機会はなかったと思いますが、このように採血という方法で卵巣の状態が分かる検査です。
 気軽な気持ちで産婦人科を受診し、検査結果をドクターと話し、そして体のことでお話しする機会が増えるのではないかと思いますので、非常にいい取り組みだと思います。

市長
 はい、先生ありがとうございます。

詠田院長
 はい。

市長
 今、国のほうでは、いわゆる不妊治療というようなところの保険適用というようなことが菅政権の下で議論はされていますが、そもそものですね、最初のところ、自分の体をまず若いうちからしっかり知っていくという、学校教育の中にプレコンセプションケアという発想を入れていくということ。
 そして、30歳という一つの節目の時期に、女性が卵巣機能の検査を行うというような中でですね、自分の体について、そしてライフプランについてを考えるきっかけにしてほしいということなんです。
 もちろん、これ相談については、女性お一人でもいいですし、また、パートナーいらっしゃる方はパートナーと一緒に、その結果を聞きに行って、お互い、その生活習慣だとか、いろんなものを考えるきっかけになればと思っています。
 先生がいらっしゃる間に、この部分についてご質問があれば、1、2問、お受けしたいと思うんですが、先生に対してのご質問であれば、お願いします。じゃあ、どうぞ。

記者
 すみません、KBCの児玉と申します。
 今回のプレコンセプションケアの対象の年齢が30歳となっていることについて、30という年齢にしたことに関する理由を教えていただけますでしょうか。

詠田院長
 私は決定までの過程は分からないんですけれども、ちょうど30歳前後というのが、子宮筋腫、子宮腺筋症など、子宮頸がんとかですね、非常に婦人科疾患が増え始めるターニングポイントの年齢です。
 この時期に一度、産婦人科を受診する機会を取っておくということは、非常に良いことだと思います。30歳という年齢設定は、そこにあるのかなと思います。

市長
 はい。そこと併せて、そのAMHの値ですね。これがやっぱり個人差が大きく、また出てくる年齢というのが、これ30歳ぐらいから、また大きく個人差も出てくるというようなお話もありました。
 こうしたことをこれまで専門の先生方と行政で議論を続けてくる中で、30歳という年齢にしました。
 ほかに質問がある方、お願いします。はい、どうぞ。

記者
 すみません、西日本新聞の塩入と申します。プレコンセプションケアをですね、学校教育の現場に取り入れていくことについての意義についてお伺いしたいんですが。

市長
 先生、聞こえましたか。

詠田院長
 はい、聞こえました。先ほども言いましたように、本当に、今、学校教育の中で、初経教育があります。それから、割と福岡では、性病教育とか、避妊教育というのも、報道なんかでも広くされて、非常にそこは進んでいるんですけれども、割と高等教育を受けた方でも、卵子の数が減るということを誰も本当に知らないです。
 そのことをやっぱりどこかで知る機会、本当に私、1万人以上の患者さんとお話しして、80%の方が一度もこういうことを聞くことが、機会がなかったということをお話になります。
 そういう意味では、やはり義務教育の間に、一度こういうことを知っておくということが重要なことじゃないかと思います。

市長
 はい、よろしゅうございますかね。はい、詠田先生、どうも今日ありがとうございました。

詠田院長
 はい、どうもありがとうございました。

市長
 失礼します。
 ということで、お聞きいただきましたとおり、女性について言うと、生まれたときに卵子の数が決まって、これというのはもうずっと年を重ねるごとに、これは減っていくというようなことなんですね。
 もちろん、数ということと、質ということは、また違ってくるわけですけれども、いずれにしても、こうしたことを早いうちに知っておくということが非常に大事ということで、一番大事なことは、これは主体的に自分のことを知って、自分で自分の人生を主体的にプランニングしていくということがすごく大事なのかなと思っております。
 繰り返しになりますが、ですから、こういった検査の結果とかはですね、もちろん女性一人でもいいし、また、パートナーがいらっしゃる方はパートナーと一緒に考えていくというようなことも大事になってくるのかなと思います。はい。では、発表を次に続けたいと思います。

 【フリップ7 (952kbyte)】子育て支援の充実ということで、福岡市では3歳の子どもから中学校卒業まで、一医療機関について500円で医療を月額500円で受けることができるという、これは「ふくおか安心ワンコイン」をスタートさせていきたいと思います。
 家庭環境いろいろありますが、やはり、その家庭の状況によって医療を受ける環境が異なるということは避けなければいけないと思います。そうした中で、「ふくおか安心ワンコイン」ですね、これについて言うと、まさにその500円ということで、そうした家庭の環境に関係なく、子どもたちが誰でも健康に不安を持ったときには医療機関にかかることができる制度を構築したいと思いますので、「ふくおか安心ワンコイン」ぜひ覚えていただければと思います。
 ならびに子ども家庭支援センター、これを東区(正しくは、東部エリア)にも新設をいたしまして、福岡市内の中で中央区、南区、東区(正しくは、東部エリア)という3施設の体制にしたいと思います。
 それから、支援が特に必要な支援対象の児童についての見守りを強化をするためにですね、例えば国の備蓄米を使ったりだとか、もしくはいろんな形で配食ということも含めて、しっかりさまざまな支援対象の子どもたちを見守る体制というものを強化をしていきたいと思います。

 【フリップ8 (935kbyte)】続いて、誰もがいきいきと暮らせるまちづくりということで、重度障がい者に対しては、通勤とか、それから仕事中のトイレとか、食事、もしくはたんの吸引の介助、こうした仕事中に必要となる福祉のサービスというものを、これを原則、自己負担1割で受けることができるような新しいサービスを始めます。
 これは10月のサービス開始を予定しておりますので、障がい者の皆さんにとって働きやすい環境をつくって、自分らしい生き方の選択肢が広がることを期待をするものです。
 それから、若者に対してで言うと、例えば引きこもりとか、さまざまな困難とか、不安を抱える若い人たちの支援というのも充実をさせていきたいと思います。今、実は福岡市内に支援団体というものがいくつもあるんですね。
 ただ、こうした支援団体、それぞれで活動して、強みというものがそれぞれあるわけですが、こうした皆さんが一つ、一堂に会してですね、ネットワークとして、日頃から情報共有をしたり、また、より専門性の高いところにつないでいったりというような、こういうやり取りができるようなネットワークを構築をするということ。
 ならびに、その全体のネットワークの拠点というものも今後、必要になってくるのではないかということで、こうした拠点づくりについても検討を新年度からスタートをしたいと思っています。
 それから、ミドル世代、就職氷河期世代というんですが、30代の半ばから40代の皆さんですね、私も入っているんですが、やはり就職氷河期と言われて、非常に就職困難だった時代があります。
 こうした皆さんの就職支援ということを特にここの世代に特化して行っていくためにですね、専任のキャリアコンサルタントと、それから、求人開拓のスタッフを配置をいたしまして、求職活動のアドバイスを行うということも、もちろん行いますし、求職者の希望とか適性に応じた求人というものを開拓をしていくということによって、効果的な就職の支援につなげていけるように、こういった事業も新たに新年度、行いたいと思います。

 【フリップ9 (903kbyte)】新しい時代へのチャレンジ、特に福岡市が進めてきた、このDXの取り組みについては、新型コロナウイルスということで、さらに後押しの風を受けることになったわけです。
 ご承知のとおり、ハンコレス等は進んで、福岡市の場合は完了していて、そして今、DXデザイナーの皆さんと一緒に、誰もが使いやすいユーザーインターフェースとか、仕組みづくりに取り組んでいるわけですが、令和4年度までに、オンライン申請をおよそ90%にしていきたいと思っています。
 新年度についてなんですが、新年度は、まずはやはり利用者が一番多い住民票、それから税の証明、こうしたものを取りに来るために、わざわざ皆さん仕事等々をですね、休むとかして区役所に来て並んでということに大変時間を使っているわけですね。
 そこで、新年度については、この住民票や税証明などについては、オンラインで申請をすれば、もう役所でその情報を受け取ったらですね、それをご指定の、そのご自宅等々に郵送をいたしますので、全く役所に来ずに、こうした証明書を受け取ることができる。こういったことも、もう具体的に皆さんに見える形でサービスを実装していきたいと思います。
 それから、こうしたオンラインの取り組みというのを福岡市が進めていく中で、当然、「私はちょっと苦手なんだが」という高齢者の方もいらっしゃるでしょう。福岡市内の151ある公民館全てに、これはWi-Fiを整備をして、さらにオンラインの申請ってこうするんですよというような、そんな相談会、説明会を全ての公民館でも行っていきたいと思っております。
 こうした中で、誰も取り残すことなくですね、便利なサービスを皆さんが使っていけるようにということでチャレンジをします。
 もちろん、申請はちなみにオンラインだけではなくて、窓口にどうしても来たいという、そのスマホが使えないような皆さんにも、もちろん利用していただけるような、そうした部分はもちろん残していきますけれどもね。

 【フリップ10 (907kbyte)】先日、国際金融都市という中で、TEAM福岡、第1号案件を先日、会見させていただきました。MCPというですね、ファンド・オブ・ファンズという、ファンドの本当に取りまとめ役の会社が、企業が香港から本社機能一部を福岡に持って来ていただけることになったわけですが、これ、福岡の企業の皆さんのいろんな新しいチャレンジとか、もしくはスタートアップを大きく羽ばたかせるためにもですね、こうした金融機能の強化、新年度もしっかりとチームのメンバーの皆さんと一緒にチャレンジをしていきたいと思います。
 それから、スタートアップについても、これも当然、引き続き行っていきます。すそ野を広げるためにスタートアップカフェをつくった時期だとか、Growth Next(グロースネクスト)をつくったりって、いろんなことがあったんですが、ずいぶんおかげさまで、福岡のスタートアップエコシステムというものも成長し、充実をしてくる中で、IPOをする、上場するような企業も出てきました。
 そこで、新年度については、この新規上場に向けてですね、特に専門的な知識が、またこれ必要になってきたりするんで、こうした部分の専門家のサポートということも新年度、行っていきたいと思います。
 毎年、このスタートアップについても、いろんな新しい取り組みを発表していくんですが、やはり毎年毎年、その何ていうか、ステージが上がっているなということを私も発表しながら感じます。

 【フリップ11 (1,114kbyte)】新型コロナウイルスを受けて、密にならない自然の中での楽しみも非常に注目を集めました。例えばヒロシのひとりキャンプみたいなものも注目をあげて、非常に再生回数が伸びたりだとか、アウトドアとか、外で遊ぶということが非常に注目をされた一年だったと思います。
 福岡市の特長は、コンパクトなエリアの中に働くエリアがギュッと、コンパクトにあって、そして、その周辺部には豊かな山と海がすぐ近くにある。このコンパクトシティが福岡市のまさに売りだったわけですけれども、まさにその売りである海と山のその資源をブラッシュアップ、磨き上げようということで、キャッチフレーズ「Work Hard, Play More Hard」、要するに、よく働き、そして、さらにもっともっとよく遊ぶということですね。
 まず、海でいくと東と西、つまり志賀島と北崎、ここには素晴らしい海と絶景があるわけですね。こうした魅力をブラッシュアップしていくために、無電柱化ですとか、それから、歩道の美装化ですね。歩道を、とっても映えるような形にしたりとかして、その地域地域の魅力をですね、ブラッシュアップしていきたいと思います。
 これは「Fukuoka East & West Coast」構想でございまして、イーストコースト、ウエストコーストあるんですけど、イーストコーストのほうは、今もう進んでいます。あっ、ウエストコーストが進んでいますね。
 イーストコーストの道切り部分の無電柱化とか、結構、これ思っているより大変で、やっぱり周り海という中で、どう電線を地中に埋めるかということを関係機関の皆さんとしっかり議論を進めて、これも着実に進めていきたいと思います。
 それから、山でいきますと、まさに油山市民の森というところがすぐ近くにあるわけですが、これもずいぶん、ご承知のとおり老朽化してきてるというのは、皆さん、知ってのとおりなんですね。
 ここもですね、今、民間でアウトドア、外をやっぱり非常にこう、面白く活用できたり、とにかくセンス良くですね、民間がセンス良く、やはりこういった自然を活用して、いい場所に仕上げていただいていらっしゃるところたくさんありますんで、こうした民間の力を使って、油山についてもこれからリニューアルをしていきたいと思います。その公募、新年度にしていきたいと思っております。

 【フリップ12 (1,390kbyte)】最後になります。コロナが例え落ち着きを見せたとしても、やはり、これからも感染症というものは、この地球で襲ってくるんだなという、その脅威を知った年でもありました。
 ですから、新年度については、この感染症対応シティというところをしっかりと、まちづくりの中のコンセプトに埋め込んでいきたいと思います。それは新規、そして既存、2つの取り組みに大きく分けられます。
 まず、新規で建物を新しくつくったり、まちづくりをするという部分については、ビッグバン、コネクティッド、スマートイーストとありますが、例えば感染症対応をすれば、さまざまなインセンティブが付くという形でハードも、それから、まちづくりもこれは感染症により強いハードをつくっていくということ。
 これを行うと同時に、既存の建物、ハードですとか、店舗内については、これは一店舗60万円上限ということで、例えば換気のシステムを取り入れたり、もしくは工事をしたりというような費用の助成をするということで、合わせて、既存店舗、それから新しいハードづくり、まちづくり、両方合わせてですね、感染症に強いまちを目指した取り組み、感染症対応シティへの取り組みを進めていきたいと思います。
 まだ、もちろん、まだまだほかにもいろんな事業があるわけですけれども、主だった新年度予算について発表させていただきました。私からは以上です。



質疑要旨

記者
 それでは、質問をさせていただきます。まず、幹事社から質問させていただきます。
 今回、コロナの景気低迷もあって、市税収入などの落ち込みも予想されていますけれども、そのあたりでも1兆円を超える予算を編成された点について、改めて受け止めをお願いいたします。

市長
 はい。
 新型コロナウイルスで大きな影響を受けました。福岡市は7年連続税収過去最高を更新し続けるという、政令市で唯一の、こうした一つの記録もつくってですね、これは本当に市民の皆さんがものすごくやっぱりチャレンジをして、そして、税収を納めていただいたというですね、まさに福岡の元気を象徴する状況が本当にコロナの直前まであった。
 ホテルは取れない、もう建設ラッシュが続く。こういう状況があったわけですけれども、新型コロナウイルスというものが来て、やはりやりたいけれども、そのビジネスをしたくてもできないという厳しい状況。特に9割の皆さんが第3次産業という福岡において、非常に厳しい状況が続いたわけですね。
 今回のテーマが「とりもどせ元気!」ということで、予算を組んだわけです。特に、今、改めてお示しをしたフリップにあるように、やっぱりこういった民間の皆さんが大変な状況にあるときこそ、逆に、行政のほうがしっかり支出を行って、そして、地元経済の下支えをするというですね、普段は民間の皆さんに頑張っていただいて、税収を納めていただく。
 一方、本当に民間の皆さんが厳しいときには仕事をつくっていくというですね、このメリハリを大事にしております。
 ですから、あのリーマンショック以降、最大規模の公共事業、これもやはり無駄な事業なんていうものには、これに対しては1円も使うべきではないと思いますが、先ほども申しましたように、学校のトイレの洋式化だとか、こういう、もともと予定をしていた、やらなければいけない事業についてを前倒しをするという形で、今年やはり元気を取り戻していただくということにつなげているというのが、一つの大きな特徴なのかなと思います。

記者
 ありがとうございます。各社さんからあれば、よろしくお願いいたします。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 朝日新聞の神野と申します。確かに税収厳しい中で、特に教育分野ですとか、子育てとか、その未来への投資の部分に、ちょっと新規事業の数とか金額的にも多く、重点的にされているのかなと思うんですけど、そのあたりの思いみたいなのがもしあれば、お聞かせ願いたいと思います。

市長
 そうですね。子育てはこれまでも、ずいぶん力を入れてきて、取り組みは進めてきたつもりなんですが、やはり、もちろんコロナで大変という状況はあるんですが、そこで、やはり一番影響を受けてしまうのは、実は子どもたちであったりするわけですよね。
 ですから、こうしたコロナがあって、もちろん目に一番留まるのは、空室になっていくテナントだとか、こうした経済の落ち込みということが非常に目に見えるわけですが、一方で、今、家に、家の中での状況が見えない子どもたちというのも、非常にやはりコロナの影響を受けている。
 そうした中で、やはり今後もいろいろな状況があったとしても、子どもたちの教育を受ける環境ですとか、もしくは健康、心身ともに健康でいられる状況をしっかり保っていく。
 そして、やはりいろんなご家庭があるわけですから、そうしたご家庭を最後のセーフティーネットとして、行政としてしっかり網を何層にも張って、誰一人取り残すことがない形で、取り組みを進めていくことが肝要かと思いますので、こうした経済的な支援と合わせて、教育分野とか、子育て分野というところにも新規事業をたくさん、今回は考えて予算化をしております。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 西日本新聞の塩入と申します。今回の予算で、市債残高というのは一般会計では増加して、全会計では減少しているんですけれども、これと、いわゆる財政規律のバランスの面で、こういう状況なんですけど、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

市長
 私は、やはり、ある意味これまでですね、ずっと、要するに市債というのはとにかく減らし続けるということでやってきました。
 何となく高島的にこう、結構いろいろ攻めているなというかですね、いろいろ経済的に、お金をいっぱい使っているイメージって、もしかしたら、市民の方の中には持っている方いらっしゃるかもしれないんですが、実はずっと市債はもうとにかく減らし続けてきたんですね。
 それは、やはり私自身もまだ40代ですから、やはり今の世代のツケというものを次の世代、つまり人口が少なくなっていく、未来の世代にやっぱりできるだけ残したくないということで、そういう思いで取り組んできました。
 でも、ずっと減らし続けて10年来たんですが、これをただ減らすだけという形でいくのは、これはまたそれで違うのかな。つまり、普段は経済を刺激して税収をとにかく皆さんに納めていただくということで、これを生活の質に振り向けていくという形で税収を使っていたわけですけれども、ただ、やはり市民の皆さんが本当に今のような状況で苦しんでいるときは、逆に、これまで皆さんに納めていただいた、これ税金ですから、これを市民の皆さんに還元をしていく。まちを元気にしていくために事業を行っていくということも、長期で見れば、これは非常に大事なことであろうと思います。
 ですから、今回、一般会計についての市債について増加をしています。ただ一方で、他の部分でやはり当然、切り詰める部分は当然しっかり無駄なく精査をし、全会計としては市債を抑えるという形で全体のバランスを取って、今後とも、やはり借金を次世代のために残さないということはですね、単純にコロナだから何でもしていいわけでもないという視点も、もう一つ、やっぱり大事になりますので、全会計としては着実に市債は減らしていきたいと思っています。

記者
 財政規律としては、ギリギリ保てたというような認識ですかね。

市長
 そうですね、バランスを取ったと思ってください。

記者
 読売新聞の江口です。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 財政調整基金についてなんですけれども、ここ最近はずっと福岡市の貯金にあたる基金というのは、ずっと増えている傾向だったと思うんですが、今年度、ずっとコロナの対応でいろいろ使ってこられて、当初予算のほうでも100億円以上なっていきますというふうな方針を出されていると思うんですけども、今まで災害対策等で取ってこられた、この基金がかなり前年度に比べて、こう減るということについて、ちょっと受け止めをいただければと思うんですけど。

市長
 はい、分かりました。
 財政調整基金についてのご質問が出ました。今、ご質問の中でですね、財政調整基金がここ数年、近年ずっと増えてきているけれども、コロナということで、新年度予算でもずいぶんここから切り崩すということについての所見ということでしたけれども、まずですね、表現としてですね、近年これが「増えてきた」のではなくて、これは「増やしてきた」んですね。
 ここ、結構大事なポイントでですね、自然に増えないんですね。これは意志を持って、私はずっとこれを、少なかった財政調整基金を私は増やしてきたんですね。
 これはもちろん原資は市民の皆さんから税収なんですが、それは何のために市民の皆さんからいただいた税収を積んできたかというと、それはやはり市民の皆さんにとっての有事が来たときに、こうしたものによって、しっかり使えるための、これは家計、普段の、普段というか、市民の皆さんの家計においても、やはり何かがあったとき、例えば病気になったときとか、入院を急にしたらとか、いろんなときのためにお金を取っていると同じように、福岡市としても災害が起きたりとか、有事が起きたときに対応できるように、お金を取っていたわけですね。
 私はまさに今が、その有事だと思っています。ですから、新型コロナウイルスというので、本当はみんな仕事できるもんだったら、みんなしたい気持ちはいっぱいなんですね。ただ、そういう中で、なかなかやっぱり今コロナの状況の中で、緊急事態ということで、いろんなものが制限をされて苦しい状況にある。この状況はまさに緊急事態だと、私は判断をし、この財政調整基金というところを機動的に使うことによって、市民の緊急事態の中でも、少しでも力になれるような形で活用していきたいと思っています。
 併せて、使うことだけではなくて、こうして使った後に、これらのものが国からの交付金によって、しっかりこれは例えば財政調整基金として、もう一回戻すことができるように、するような、こういう取り組みというのも合わせて行っています。
 ですから、完全に使ってゼロになっておしまいではなくて、使ったものもしっかりその後、国からこれが補充されるような政治的な、政治的というか行政的なですね、取り組みということも行うことによって、財源をしっかり確保をしていく努力も合わせてしていくつもりであります。
 はい、どうぞ。

記者
 ごめんなさい、産経の中村です。冒頭に、「とりもどせ元気!」ということで、困っている事業者の人、さっき、まさしく子ども関係の予算、それに、充てられた。
 でも、それだけじゃたぶんないものもたくさん入っているじゃないですか、そのDXの話とか含めて。
 常々「世の中が変わるのって、なかなかないよね」ということはおっしゃっていたと思うのですが、もう一、二年で、たぶん、また、もう今まででいいじゃんというふうな感じになってしまうんじゃないか。限られた財政状況で、なかなかお金を振り向けない中でも、そのDXとか、国際金融、ちょっと国際金融はコロナと違うけれども、感染症とか、そういうところにお金を振り向けた。メリハリをつけてやったということの意義、意味合いというのを、ちょっとお願いできますか。

市長
 はい。
 DXって、まさにこれはご承知のとおり、もう福岡市としては以前から進めてきた話です。でも、やはり、この必要性というものが、改めてコロナによって認識をされたと思うんですね。
 つまり、コロナが浮き彫りにしたものというのは、単純に、もちろん感染症というリスクということだけではなくて、やはり日本の弱い部分をものすごくあぶり出されたと思うんですね。
 本来であれば、市民の皆さんが、この今、スマホで何の情報でも取ることができるし、買い物までできるという状況にあるにもかかわらず、今、コロナの状況の中でも、例えば区役所というのは、いろんな証明書を取ろうとして、たくさんの方であふれていたりという状況。
 やっぱり、こうしたものは本当に必要性は認識をされていたけれども、その喫緊性ということに、なかなかご理解いただけなかったものを変えるチャンスだと思っているわけですね。
 ですから、福岡市として、こうした取り組みをどんどん進めて、今まで区役所に行く、これは申請ベースでいくと、一番多いのが住民票とか、税関係の証明だったんですね。こういう一番、皆さんが利用する、そして、区役所に来なければいけない理由だったものを、これをもうスマホ一つで来る必要がなく、家に郵送されるというふうな利便性をつくっていくというのは、これはもう今、進めるすごいチャンスだと思っているわけですね。
 ですから、コロナで大変ではありますが、今、変えるべきところにしっかりお金を充てることによって、時代をアップデートさせていきたい。今、福岡市が進めていけば、やはりこれを見て、多くの自治体に対してもですね、これはメッセージ性はあると思いますし、この福岡の利便性を見ていただければ、ほかのところも、やっぱりうちもという流れにはなってくると思うんでね。
 そういう、何ていうか、時代を予測すると、だいたい時代は外れるんで、時代をつくっていくつもりで、福岡市からこういう取り組みについては進めていきたいと思います。

記者
 そういう取り組みというのが最終的に税源の涵養、来年なのか、5年後なのか、10年後なのか、いつ返ってくるか分からないけれど、につながってくるというような理解をしてればいいんですか。

市長
 そうです。
 まさに、その時代が変わるとき、つまりコロナによって浮かび上がってきた、そもそものやっぱりこれは感染症だけじゃなくて、日本の弱さとか、弱点、アップデートの必要性があるものというのをものすごく浮き彫りにしたわけですね。
 こうした新しいニーズが生まれたときには、実は新しいビジネスとか、こうしたものがまさに必要とされるときなんですね。
 ですから、福岡市として今、スタートアップももちろん、特に力を入れていますし、企業の新規事業についても応援をしています。今、新しく生まれた、このニーズに対して応えることができるサービスを提供するというのは、企業、成長のものすごい大きなチャンスになると思います。ですから、福岡市として、このスタートアップを応援すること。
 そして、そのスタートアップを応援するというのも、われわれができるのは制度的な応援というのが中心になるんですが、国際金融を進めることというのも、一見関係ないように見えるんですが、この金融が福岡に来るということは、これ企業がスケールアップをしていく、もしくはスタートアップの技術というものが大きく羽ばたいていく上で、一気にスピードを上げることができるんですね。
 ですから、今、予算化している取り組みというものによって、このコロナによって生まれた新しいニーズをビジネスに変えていったり、福岡が大きく強みを持てたりというところに全てつながってくると、私は信じて期待をしているとこであります。

記者
 そういう意味でも、とりもどせ元気?

市長
 「とりもどせ元気!」ですね。

記者
 分かりました。ありがとうございます。

市長
 ありがとうございます。

記者
 すみません。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 読売新聞、池園と申します。ちょっと全体の話に戻るんですけれども、コロナ対策が14カ月予算の中でも4分の1を占めると。大きいのは金融機関の預託金の部分になると思うんですけど、改めて全体の4分の1をコロナに充てたというところで、福岡市のコロナ打倒への思いというのを、ちょっと改めてお伺いしたい、どういう対応でやっていくかということですね。

市長
 コロナの打倒への思いということですよね。全体の4分の1の予算を今回使っています。本当にコロナって、もう本当に腹立たしいし、憎たらしいし、このコロナというのを撲滅、最後の一匹まで、一匹というのか知らないですけど、一粒までね、許さんぞという気持ちでおります。
 それに対しては、本当に光が見えてきたと思います。まさに明日から、ワクチンの先行接種が始まる。これ、これまでの例えばイスラエルだとか、こういう先行事例を見てみますと、このワクチンを受けた方の、その感染する率だとか、重症化リスクというのが極めて成果が出ていると聞いていますので、これが同じく日本人に対してもですね、これが効いてくれることを期待をします。
 ただ、当然これ、最速でやる計画でつくっておりますけれども、やはり全員が打ち終わるまでにタイムラグがあります。希望者全員が打ち終わるまでにはですね。
 そういう中で、やはり完全にコロナを全部忘れていいというわけではなくて、そのワクチン接種を最速で進めていくと合わせて、やはり感染予防の取り組みだとか、それから、やはり万が一、またコロナで例えば今度の夏、それから来年の冬というですね。去年、示したような傾向で同じように、季節に合わせて、こう増えてきたときに対応できる体制というのも、やっぱり去年の反省を踏まえればですね、もう想定外ではなくて想定内にしなければいけないというところがあると思いますので、そういう点において、希望の光は見えてきたんですが、予算としてはしっかり、このコロナ対策だとかについても予算を付けているということで、打倒コロナで、これは意気込みとしても、予算額としても示しているつもりです。

記者
 ありがとうございます。

記者
 そのほか、ございますでしょうか。
 なければ、すみません、発表案件以外の質問に移らせていただきます。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 関連する部分もあるんですが、ワクチンについて、65歳以上の高齢者から始まると思うのですが、そのあたりのワクチン確保については、新しい進捗情報とかがあるかという点と、あと、福岡市独自の優先接種について、国に要望していたかと思うのですが、そのあたり結果がどうなったのかというのを教えてください。

市長
 結論から言うと、特にそれらについて進捗があるわけではないです。
 流通分野というのは、どうしても市が、なかなか情報が市だけじゃ分からないところがあって、今、皆さんが知っている情報と変わらないというのが結論です。
 第一便が届いて先行接種をするということですけど、まず、県自体が医療従事者に打つという、例えば、スケジュール感だとかそういう発表があっているわけではないので、県がどういうふうになっているのか。
 そして、福岡県として、どれぐらいの流通量が来るのか。やはり私としてはですね、緊急事態宣言が出ているエリアについては、やはり先行的にワクチンを配布していただきたいという思いがあります。それはやはり、今、緊急事態宣言を政府が発出することによって、多くの事業者が非常に個人のさまざまな私権を制限されている状況にあるわけですね。
 この状況はやっぱり、できるだけ早く解消しなければいけないということを考えると、ワクチンについてもできるだけ早く、こうした地域についてはワクチンの流通を行っていただきたい。
 それは単に、その緊急事態宣言が出ているエリアだけを守ることではなくて、そこからさらに周辺に、このコロナというものが広がっていくということを防ぐ意味もあると思います。
 ですから、国もですね、当然一日も早く分かれば、情報公開したいというところあると思うんですが、たぶん海外から入ってくる流通というのが、なかなか確定的なことが言いにくいので、きっと政府も言えないんだろうなということは、そこは推測をしますが、ぜひ総理、そして大臣が先頭に立ってですね、ワクチンの確保というところに全力を挙げていただけることを期待をします。

記者
 ありがとうございます。各社さん、ありますでしょうか。

記者
 よろしいですか。

市長
 はい、どうぞ。

記者
 最近の市内の感染状況については、どういうふうに受け止めていらっしゃるんでしょうか。

市長
 はい。
 先ほど、加藤官房長官から連絡があってですね、福岡が今、数字的に新規陽性者が減ってきているということについては、政府のほうも認識をしていただいているということであります。
 ただ、福岡県全体としての特徴として、なぜ病床の稼働率が福岡は下がらないのかというようなご質問がありました。これについては、市にはその情報がないので、なので、なかなかこういうことが理由ですということは、申し上げることは難しい、ということはお伝えしたんですが、ただ、構造的な問題としてですね、一つはやはり、高齢者で基礎疾患を持った方が入院をされていると、コロナが陰性になったとしても転院できないということがあるということ。
 それから、転院させる足ですね。福岡市は特例として救急車で転院させることができるという規制の緩和をですね、今回、特例として行っているんですが、当然それができていない地域もあるんで、転院の足を確保することも大事。
 それから、そもそもの制度の話としてですね、コロナの患者として受け入れていれば、その診療報酬は3倍になるわけですね。これ普通のコロナでない高齢者の基礎疾患の方の入院となれば、当然その診療報酬も落ちてしまうわけですが、これはそれだけではなくて、患者の方が有料になるんですね。
 コロナとして入院を続けている場合というのは、これは無料なんですが、そこから転院をしてしまうと、これは今度、有料になってしまうわけですね。ですから、このインセンティブというのは、つまりできるだけ早く転院をさせたほうがいいというインセンティブを誰にとってももたらさないという制度設計になっているわけですね。
 これが原因ということは、私、福岡市としては、どういう原因でコロナ陰性になっても、どれぐらいの日数、入院を続けられているのかという数字が、われわれは、市は持てないんですね。これは全て県が持っているので、確定的なことが、それが原因と言えるわけではないです。
 ただ、構造的にコロナ病床を空けて、転院を進めるようなインセンティブの構造に制度がなってないという課題点はあるということはお伝えをさせていただきました。
 ですから、ここはやはり医師会の皆さんとか、行政とかが力を合わせて、声掛けをしていく。できるだけ、とにかく速やかに、転院を進めてコロナ病床を空けていくということをしないと、これだけ新規陽性者が減ってもですね、その病床の稼働率は下がらない。
 これは、ただもう、延長になるという時点で私はお話、何度ももう皆さんにしているんで、福岡のマスコミの皆さんはご承知と思うんですが、陽性者がずっと減ったとしても、病床稼働率は減らないんですよ、これは。
 相当働きかけをして転院を促さない限り、という構造的な問題があるということです。

記者
 続けて、課題点を今日、官房長官にお伝えされたということですけど、その反応というのはいかがでしょうか。

市長
 やはり両方にとって、実は患者さんにとってもこれ無料だった、そのコロナ入院であればの延長であれば無料なものが、患者さんにとっても、やはり有料になるとか。そして、病院にとっても診療報酬が3分の1になるとか。こういう、その何ていうか、こういう構造のインセンティブの話というのは、制度的な問題点というところは聞いて、なるほどそうか、というようなところはうなずかれていました。
 ちなみに転院をして、やっぱり再燃する可能性がないとは言い切れないわけですね。高齢者の方を転院させて、コロナが再燃をするというリスクを考えると、簡単には転院で受け入れますよということが言いにくいという医療機関の事情というのは、これはこれで、ものすごくやっぱりよく分かるから、簡単にできるもんじゃないということはよく分かります。
 一方で、転院を受け入れたところには、診療報酬上乗せされるようなインセンティブもあるんですね。でも、これは逆に言うと、つまり患者さんにとっては医療費の負担が有料になっただけではなくて、その分、上がるということにもつながるわけですね。ですから、非常にやっぱりこれって、解くのが難しい問題であることは間違いなくて、何をすれば一気に片付くという話ではないので、そこはやはり制度設計の問題とか、それから、行政としての働きかけの問題とか、いろいろやっぱり総合的に、これ取り組む必要があるなということは思っています。

記者
 そのほか、ありますでしょうか。
 以上で会見を終了いたします。

市長
 はい、どうもありがとうございました。

※発言・質疑内容について、できるだけ忠実に作成しております。