法務省委託事業「ココロンセンターだより」98号 発行:令和5年12月(冬季号) 発行元:福岡市人権啓発センター 所在地:〒810-0073福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号健康づくりサポートセンター(あいれふ)8階 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp 電話番号:092-717-1237(代表)、092-717-1247(人権啓発相談室) FAX番号:092-724-5162 CONTENTS「主な内容」 1ページ 福岡市人権尊重週間 人権尊重作品 入選作(ポスター) 2ページ 福岡市人権尊重週間 人権尊重作品 入選作(ポスター) 3ページ 福岡市人権尊重週間 人権尊重作品 入選作(作文・標語) 4ページ 人権啓発指導員コラム、書籍紹介 1ページ 人権尊重作品 入選作(ポスター) 令和6年度 人権尊重作品 福岡市人権尊重行事推進委員会(事務局:福岡市人権啓発センター)では、人権尊重週間行事の一環として、人権尊重やさまざまな人権問題の解決に寄与する作品を募集しました。 ポスター入選作品 小学1年生の作品 横向きのポスターが3点 小学2年生の作品 横向きのポスターが3点 小学3年生の作品 横向きのポスターが3点、縦向きのポスターが1点 小学4年生の作品 横向きのポスターが1点、縦向きのポスターが1点 小学5年生の作品 横向きのポスターが1点、縦向きのポスターが1点 1ページは以上です。 2ページ 人権尊重作品 入選作(ポスター) ポスター入選作品 小学6年生の作品 縦向きのポスターが5点、横向きのポスターが1点 小学生合作の作品 横向きのポスターが1点 中学1年生の作品 縦向きのポスターが2点 中学2年生の作品 縦向きのポスターが3点 中学3年生の作品 縦向きのポスターが3点、横向きのポスターが1点 2ページは以上です。 3ページ 人権尊重作品 入選作(作文・標語) 3ページ上部 人権尊重作品 入選作(作文) すずの音 「ちりんちりん」。 すずの音が聞こえると、わたしはなかよしのおばあちゃんのすがたをさがします。 わたしの家のななめ前に住んでいるおばあちゃんとお友だちです。 おばあちゃんは、かぎにすずをつけています。 すずの音が聞こえるとおばあちゃんが近くを歩いているしるしです。 わたしが、 「こんにちは」。 と言うと いつもやさしい声で 「こんにちは、さあやちゃん」。 と言ってそれからたくさんお話をします。 わたしがお母さんのおなかの中にいた時になかなかうまれてこなくてとても心ぱいしていたそうです。 「ぶじにうまれて、よかったね」。 といつもその時の話をしてくれます。 わたしは、おばあちゃんとお話をすると心が温かい気持ちになります。 ある時、おばあちゃんはわたしに 「今ど生まれかわったら、さあやちゃんとお友だちになりたいな」。 と言いました。 わたしは、 「もうお友だちだよ」。 と言うとにっこりわらって 「あら、うれしい。ありがとう」。 と言いました。 それから少したったきょ年の冬におばあちゃんはなくなりました。 きゅうだったのでとてもびっくりしました。 お母さんとおつ夜というおわかれの会に行きました。 おばあちゃんは昔、絵の先生だったそうで、生とたちがかいた絵がたくさんかざってありました。 おぼうさんがおきょうをよんでいると、おばあちゃんとお話した事を思い出してなみだが出てきました。 ほかの人たちも、みんなないていました。 はじめてわたしのまわりにいる人の「死」をけいけんしました。 おつ夜の時に、おばあちゃんのむすこさんから、わたしとお話する事をいつも楽しみにしていた事を聞きました。 もう会う事は出来ないと思うとかなしいです。 お母さんにおねがいしてわたしもかぎにすずをつけてもらいました。 「ちりんちりん」。 今日もすずの音がします。 3ページ下部 人権尊重作品 入選作(標語) 小学6年生の作品 「しあわせは つらい時ほど 気づきやすい」 小学5年生の作品 「みんなある 君だけの色 大切に」 小学5年生の作品 「わかりあおう 自分らしさ きみらしさ」 小学5年生の作品 「あいさつは みんなの心 晴れやかに」 小学5年生の作品 「気をつけて ふと出た言葉は もどらない」 小学5年生の作品 「だいじょうぶ あなたはあなた それでいい」 小学5年生の作品 「その個性 分かり合う事で 開く道」 小学6年生の作品 「それいいね 皆が認める 多様性」 小学6年生の作品 「認め合おう 心も身体も考え方も みんな違ってあたりまえ」 小学6年生の作品 「その言葉 自分に向けて いえますか」 小学6年生の作品 「思いやり けんかがなくなる いい世界」 小学6年生の作品 「やさしさで みんなの笑顔が ふえていく」 小学6年生の作品 「いいんだよ 自分が好きな 君でいて」 中学1年生の作品 「思いやり思うだけじゃ 変わらない 行動してこそ思いやり」 中学1年生の作品 「見て見ぬふりはもうしない 勇気をもって 『私』から」 中学1年生の作品 「『大丈夫?』 あなたの言葉 希望の光」 中学1年生の作品 「育てよう 差別に気づく あなたの目」 中学1年生の作品 「一人一人の個性を大切に みんな、笑顔で 認め合おう」 中学2年生の作品 「見つけよう 違いじゃなくて 良いところ」 中学2年生の作品 「その言葉 誰かの心に 刺さらない?」 中学2年生の作品 「SNS 本名出せる? その言葉」 中学2年生の作品 「その痛み 仮想じゃないよ リアルだよ」 中学2年生の作品 「違いこそ みんなが持ってる 宝物」 中学3年生の作品 「顔じゃなく 心の表情 考えよう」 中学3年生の作品 「共に生き 互いに認め 歩む未来」 中学3年生の作品 「違うかも 自分にとっての 『あたりまえ。』」 中学3年生の作品 「ありがとう しっかり伝える 感謝の言葉」 中学3年生の作品品 「考えよう 言葉のボールを 投げる前」 3ページ下部は以上です。 4ページ 書籍紹介、人権啓発指導員コラム 4ページ上部(書籍紹介) ココロンセンターライブラリー  人権問題に関する書籍、まんが、絵本、DVDを入荷しました。 貸出を行っています。 ぜひ、ご利用ください。 たまごのはなし(絵本) 著者:しおたに まみこ 発行社:ブロンズ新社    ある日とつぜん目をさましたたまご。 はじめて歩き、はじめて話す。 マシュマロを起こしてキッチンの台を降り、探検にも出かけます。 「しってるかい?じぶんがかんがえていることは、はなさなければ あいてには ほとんど つたわらないんだって」 疑問に思ったことをすぐに言葉にし、相手に伝える。 こわいものしらずで、時には、ちょっと意地悪に聞こえることもあるけれど、それは、“わたしのなかには たくさんの たまごがかくれている”から。 それは、ナッツたちやマシュマロもおなじこと。 まずは、「自分はどう思うか?」がとても大切なことを気づかせてくれます。 絵も繊細で、素敵な絵本です。 (人権全般) アンコンシャス・バイアスをなくそう(DVD) 監修:博士(社会心理学)北村 英哉 企画・製作:株式会社 自己啓発協会 映像事業部 「アンコンシャス・バイアス」とは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、性別や属性に関して自分でも気づかないうちに偏った考え方、ものの見方をしてしまうことです。 これらは、私たちの日常のコミュニケーションの中にも潜んでいて、人を傷つけてしまうこともあります。 誰もが安心して働ける職場を実現するために私たちに出来ることは何か。 「無意識の偏見や思い込み」が引き起こすコミュニケーションギャップの事例を挙げながら「アンコンシャス・バイアス」を取り除くために出来ることを紹介しています。 (人権全般) 4ページ下部 人権啓発指導員コラム 人権啓発推進指導員のコーナー 熊本城が伝えてくれるもの 昨年末、熊本城に行った。 あの未曽有の熊本地震から、まもなく9年になろうとしている。 壮麗な天守閣は復興のシンボルとして、わずか5年後に復旧を終え、公開されている。 先人たちが伝えてきた技、それを引き継ぎ、力を尽くした現在の職人たちの技術力と熊本城への、いや熊本城を見上げる人たちへの熱い思いを見るようで、寒空の中、背筋が伸びた。 しかし、完全な復興まではあと数十年。この地震がいかに熊本の地を痛めつけたのか改めて思い知らされた。 熊本地震というと、わたしは熊本県内の大学に開設されていた避難所のニュースを思い出す。 「災害時には地域の様々な人たちが避難してくる。その中には当然、地域の中で暮らす障がい者もいる。その人たちを排除、隔離しない。」という大前提をその避難所は守り通した。 そしてその運営上の原則は「管理はしない、配慮する。」だったそうである。 これは後にインクルーシブな避難所のモデルとしていくつもの場で紹介されている。 日本は様々な自然災害に見舞われてきた。 辛く、苦しい経験と共に、我々は何らかの気づきや知恵を得たはずである。 先ほどの避難所の例だけでなく阪神・淡路大震災では、日本語も英語も十分に理解できず、必要な情報を受け取ることができなかった外国人が大勢いたことが課題として浮かび上がり、「やさしい日本語」が誕生した。 先人の知恵と職人たちの力が熊本城を復興させ、さらに美しく築いているように、わたしたちも、過去の災害で得た気づきや知恵を学びとして、日々の生活の中で、よりよい共生社会を築いていく努力を続けていかなければならないのではないだろうか。 (青木) 「感動を呼ぶ芸術は人間だけのもの?」 将棋の世界では今やAIがプロの棋士を上回る実力を持つようになった、ということは良く知られています。 さらにAIは将棋のようなゲームの世界だけでなく、音楽や絵画などのクリエイティブな領域にも進出しています。 例えば、AIが作成した女性モデルを起用したCMがそのリアルさから話題になったこともあります。 このようなAIによる創作が当たり前になることで、人間の芸術家の存在意義が問われるようになりました。 様々な懸念があるAIによる人権侵害の一つです。 しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。 AIが作り出したこれらの作品に人間は果たして感動できるのでしょうか? AIは膨大なデータを基に新たな作品を作りますが、その過程には人間が持つ「ひらめき」や「感情」は含まれていません。 例えば、ベートーベンの「運命」の有名な出だし“ジャジャジャジャーン”は「運命」がドアを叩く音を表しているそうですが、AIはそのような繊細な感情を表現できるのか? あるいはモナ・リザのように神秘的で人を惹きつけて止まない絵画を創造できるのか? AIには申し訳ないのですが真に感動を与える作品はやはり人間にしか生み出せないのではないでしょうか。 とはいえ、日進月歩で進化するAIは人間には到底生み出せないような作品を創造することでしょう。 AIによる人権侵害は確かに心配ではありますが、人間とAIが共存し、そのような作品に触れ感動する日が来る、そんな未来が不安でもあり楽しみでもあります。 (森上) 4ページ下部は以上です。 これで「ココロンセンターだより」98号は終わりです。