法務省委託事業「ココロンセンターだより」96号 発行:令和6年6月(夏季号) 発行元:福岡市人権啓発センター 所在地:〒810-0073福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 健康づくりサポートセンター(あいれふ)8階 メールアドレス:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp 電話番号:092-717-1237(代表)、092-717-1247(人権啓発相談室) FAX番号:092-724-5162 CONTENTS「主な内容」 1ページ 人権総合講座(ココロンセミナー)【前期】 2ページ 人権尊重推進協議会紹介 3ページ 福岡市人権尊重作品紹介(令和5年度入選作品) 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着図書DVD紹介 1ページ 人権総合講座(ココロンセミナー)【前期】 ココロンセミナー ~考えてみませんか? あなたの人権 わたしの人権~ 福岡市人権啓発センターでは、人権問題を身近に考えていただくためのセミナーを年6回開催しています。 今回、前期3回(7、8、9月)の受講者を募集します。あなたの身の回りにある人権について学んでみませんか? 第1回 7月20日(土曜日)14時~16時 テーマ:同和問題 演題:「人権の花『ひまわり』から考える 様々な人権の問題」 講師:公益社団法人福岡県人権研究所 特任研究員 迫本 幸二さん 第2回 8月17日(土曜日)14時~16時 テーマ:女性 演題:「シングルマザーの現状 ~コロナ禍、物価高での困窮~」 講師:NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡 理事長 大戸 はるみさん 第3回 9月21日(土曜日)14時~16時 テーマ:高齢者 演題:「高齢者の人権 セルフネグレクトと孤立死 ~現場から見た孤立死防止~」 講師:NPO法人孤立防止センター 理事長 速水 靖夫さん ■会場 福岡市人権啓発センター(福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 あいれふ8階) ■定員等 各回60人 事前申込要(先着) 受講料無料 ■申込方法 ホームページの申し込みフォームから。 または電子メール・FAX・はがきの場合は、件名「ココロンセミナー第〇回申し込み」とし、氏名・連絡先(電話番号・メールアドレス)を必ず記載してください。 ■お問い合わせ 〒810-0073  福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号 あいれふ8階 福岡市人権啓発センター TEL:092-717-1237 FAX:092-724-5162 E-mail:jinkenkeihatsu.CAB@city.fukuoka.lg.jp ★講師プロフィール 第1回:迫本 幸二さん 糟屋地区の小学校教諭を経て、福岡教育事務所および福岡県教育センターにおいて、学校における人権・同和教育の教職員研修の指導助言や研修講師を数多く務めた。 那珂川町立小学校長を退職後は、那珂川町役場人権政策課に3年間勤めた。 その後、公益社団法人福岡県人権研究所に勤める傍ら、西南学院大学の非常勤講師として学生の指導にあたる。 令和5年に事務長として人権研究所を退職。 現在は、同人権研究所の特任研究員として、企業や行政職員等の研修をはじめ、子育て問題や人権・同和問題についても研修・啓発を行うなど、幅広く活動している。 第2回:大戸 はるみさん 昭和59年から母子家庭が生きやすい社会を求めて活動する。 福岡市に指定管理者制度が導入されることになり、平成17年NPO 法人を設立、代表となる。 平成18年民間企業を退職し、管理職として福岡市立ひとり親家庭支援センターの管理・運営にあたった。 NPO 法人は、令和2年3月、新型コロナウイルス感染症での一斉休校から、食糧支援を開始し、現在も継続している。 現在はNPO 法人の各事業を中心に活動している。 セミナー事業、子育て支援事業などにも携わっている。 社会福祉士。 第3回:速水 靖夫さん 昭和33年大阪生まれ。65歳。 44歳の時、孤立死・自殺・事件現場などの亡くなられた方の部屋の清掃をする「特殊清掃会社」を起業し、以後数百件もの清掃や遺品整理に携わる。 実際に悲惨な現場を目の当たりにし驚愕すると共に、ご遺族の方々の悲痛な声を聞いてきた。 これらの経験を生かすため「NPO 法人孤立防止センター」を設立。 現在、福岡市から「見守りダイヤル」業務を受託し、住民の孤立死が疑われる異変に気付いた場合に通報を受け、現場での安否確認等を行っている。 1ページは以上です。 2ページ 人権尊重推進協議会紹介 「聞いて!・見て!・感じて!」を大切に 香椎校区 人権尊重推進協議会 香椎校区人権尊重推進協議会(以下「香椎人尊協」)は、平成8年6月15日に設立されました。 香椎校区では、年齢や性別、障がいの有無など、それぞれ違いにかかわらず、だれもが社会の一員として互いに支え合い、自由に安心して暮らすことができる「ユニバーサル社会」、みんながお互いを思いやる「ユニバーサル・タウン」を目指し、地域のつながりを大切にしています。 ■地域との絆を大切に 人尊協のメンバー(6人)を中心に人権啓発について話し合い、町内会・PTAや地域団体の協力を得て、その絆を大切にしながら啓発活動に取り組んできました。 地域との絆が校区の人権意識の向上に大きな役割を果たしています。 子どもたちのポスターや、標語をもとにグッズを作り街頭で配ったこともありました。 昨年は、香椎小学校の先生方を公民館に招いて、「学校で子どもたちが人権について何を学んでいるのか」を知るために、研修会をしました。 また、小学校で人権学習のゲストティーチャーとして話をしたりすることもありました。 「人権って何ですか?」という質問には、「自分がされたら嫌なことは人にはしないこと」と答えましたが、子どもたちの熱心な姿には驚かされました。 ■フィールドワークを通して 「人権というと、ピンとこない。」では、どうしたらもっと身近に感じられるだろう。 そこで、「実際に聞いてみよう!見てみよう!感じてみよう!」と、平和学習に関するフィールドワークを行っています。 ■広報誌「人権かしい」に寄せる想い 設立当初から広報誌を発行しています。 もっと身近に、そしてみんなに関心を持ってほしいとの願いから、当初は、白黒版だったのですが、試行錯誤しながら工夫を重ねて、現在のようなカラー版になりました。 香椎のまちの写真を載せることと、校区の子どもたちの人権標語とポスターを載せることも工夫の一つです。 人尊協のメンバーはそれぞれ仕事を持っていて、講演会や学習会・研修会を計画・実行しながら並行して広報誌を発行することは大変ですが、現在5,000部以上配布しています。 ■これからの香椎人尊協 コロナによる制限が緩和され、講演会の参加者の人数制限も緩やかになりました。 これからもっと多くの人に「聞いて・見て・感じて」いただき、人権について関心を持ってほしい。 そのためにも、多くの方に参加して頂けるような講演会やフィールドワークを考えていきたいと思います。 (香椎校区人権尊重推進協議会会長 寺岡 愼一さんの話により構成) 2ページは以上です。 3ページ 福岡市人権尊重作品紹介(令和5年度入選作品) どっちもできるせかいへ 小学一年生 なつやすみのどくしょで、おうちにあった「SDGsのおはなし」をよみました。 このほんにはミライのちきゅうのために、せかいの人ときょうりょくして2030ねんまで17このもくひょうをたっせいするために、水やでんきのむだづかいをしないことなど、ぼくたちができることがかいてあります。 そのなかでも「もくひょう5 ジェンダーびょうどうをじつげんしよう」というところがこころにのこりました。 ぼくのこうちょうせんせいは女の人でがっこうのリーダーです。 かんごしのおとこの人もかつやくしています。 いもうとのチアリーディングでおとこのこもいるし、ぼくのラグビーチームメイトにもおんなのこがかつやくしていてすばらしいとおもいます。 おとこの人もおんなの人もかつやくできるせかいになるように、かぞくやおともだちのしごとやべんきょう、スポーツをおうえんしてあげたいとおもいます。 ぼくもぼくらしいことでかつやくできるおとなになりたいです。 多様せいの時代を生きる 小学四年生 「男の子なんだから、もっと男らしくきちんとかみを短くせんと。」 夏休み、おじいちゃんおばあちゃんの家にとまりに行ったとき、散歩をしている中で、ぼくはとつ然近所のおじさんに言われました。 「今は男だからかみを短くせないかんとか、そういう時代じゃないとよ。」 ぼくがびっくりして何も言えないでいると、となりにいたおじいちゃんがおじさんに向かって言いました。 ぼくは、かみをすごく短くするよりも、少し長いぐらいがすきです。 家でいつも見ている動画に出ているお兄さんが、かみが長くてとてもかっこいいからです。 ぼくはそのまねをして遊ぶのがとてもすきで、かみを切りにいくときも、「あまり短くしないで下さい。」と、美容しさんにおねがいするくらいです。 ぼくのお母さんはよく、「これからは男だからとか女だからとか、そういうのが無くなる、多様せいの時代になるんだよ。」と言います。 ぼくは、男の子はかみを短くしないといけないとか、女の子だから長くしていい、と言う考えは少しずつなくなっていくと思います。 そして、学校の校そくやマナーに反しなければ、男の子がかみを長くしてもいいと思います。 「今はまだ、みんなそういう考えにはなってないかもしれんね。」 夕食を食べながら、おばあちゃんが言いました。 おばあちゃんが言うには、昔は男の子はぼうず頭、女の子はかみを結ぶというのが当たり前だったそうです。 そして、小さいころは、「女の子らしくしなさい。」と言われて育ったそうです。 今は、中学校のせい服が、女の子でもズボンをはいていいように変わったり、男の子の水着も上着を着たり、少しずつ時代が変わってきたなぁと感じるらしいです。 おばあちゃんの話を聞いて、ぼくはいい時代に生まれたなぁと思いました。 男だからとか女だからとか、せい別でやることを決められたり、かみがたをせい限されたりしたくないからです。 これからは、もっと多くの人に、「多様せい」を理かいしてもらって、今よりもっとだれでも生きやすい時代になってほしいです。 3ページは以上です。 4ページ 人権啓発指導員コラム、新着図書DVD 紹介 4ページ上部 人権啓発指導員コラム 人権啓発推進指導員のコーナー 翼で飛べるのはいつ? 最近、珍しく朝ドラを見ている。 とはいっても朝ではなく、夕食時ではあるが。 昭和を生きた女性が主人公であり、以前から好きな俳優さんが主演だというのが見始めた理由だ。 モデルは、三淵嘉子(みぶち・よしこ)さん。 1940年に女性で初めて弁護士になり、戦後、裁判官に就いた後、新潟家庭裁判所で初の女性裁判所長になった人だ。 法律を勉強していることを知人に話すと驚きあきれられ「他人には言うまいと決心した」。 民法の講義で女性の地位の惨めさを知り「じだんだ踏んだ」など数々のエピソードが残っている。 ドラマでも、当時、女性に参政権がなく、結婚すれば「法的無能力者」として夫に財産を管理されている話があったが、未だ日本社会にある「女性の役割への固定的な見方」は、法律にこそあったのかと、私は、驚きと同時に妙に納得してしまった。 第1話で印象的なシーンがあった。 主人公はじめ女性達が新聞を握りしめ、にじみ出る歓喜を抑えられない表情をする。 そこに書かれているのは、日本国憲法第14条1項「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」。 78年前にこれを読んだ人たちは、将来の日本にどんな期待を抱いたのだろうか。 今の日本はその目にどう映っているのだろう。 世界経済フォーラム(WEF)が発表した2023年度の男女平等ランキングで、146カ国中日本は125位だった。 政治・経済分野における女性活躍が進んでいないことが要因と分析されている。 寅子が「はて?」と言うのが聞こえてきそうだ。 (北村) 運転免許更新の講習で 運転免許証の更新手続きに行った。 ゴールド免許だったので、講習は30分。 担当職員が映像を使いながら安全運転の話をし始めた。 ところが、以前受けた講習とは内容が様変わりしていることに驚かされた。 高齢者の話題が中心だったからである。 全国の認知症高齢者数が将来どの程度増えるのか、その推計を紹介。 認知症の可能性がありながら運転免許を持つ高齢者が少なからずいる一方、自主的な免許返納が追い付いていないとの説明があった。 中には、返納したくても、近くに公共交通機関がなく自家用車を使わないと日常生活に支障をきたすという事情の人もいるかもしれない。 昨今のニュースを見れば、高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違いや逆走などによる事故が相次いでいる。 不幸にも、そうした事故に巻き込まれて、死傷する被害者とその家族のことを考えると、「防げた事故なのに」と複雑な気持ちになる。 また、高齢者が遭う夜間の交通事故は、徘徊して道路を横断中に起きるケースが多いそうだ。 夜間の運転は特に細心の注意が必要という話である。 日本の高齢化率(2023年)は29.1%と過去最高。 さらに、50歳以上の人口は今年、5割を超える見通しという。 年を重ねると運動機能の低下は避けられず、エスカレーターの速度も安全のために「ゆっくり化」しているという新聞記事を読んだ。 世の中で起きている出来事のそこかしこで、超高齢社会がいつも「顔」をのぞかせている。 これからのことを考えれば、もはや、どの世代にも人ごとではない。 (薮) 4ページ下部(新着図書DVD紹介) ココロンセンター ライブラリー 紹介! 人権問題に関する書籍、DVDを入荷しました。 貸出を行っています。 ぜひ、ご利用ください。 「寝た子」はネットで起こされる?! 著者:川口 泰司 発行社:株式会社 公益社団法人福岡県人権研究所 「おいしいお店、近くにないかな?」 「この話題、ちょっと知りたい」 私たちは、知りたい情報をすぐにインターネットで、調べることができます。 匿名ですぐにネットに載せることができるということは、わたしたちにとって、とても便利な半面、さらされる危うさもあります。 その情報元の信頼性はどうなのか、今一度振り返る必要を痛感します。 “もう、「寝た子を起こすな」論は通用しない。「寝た子」はネットで起こされる。” この2文に川口さんの強い思いが表れています。 人権教育のあり方について、考えさせられる一冊です。 DVD【全2巻】 イキイキ働くためのコミュニケーションシリーズ 心理的安全性 ・心理的安全性の高め方(リーダー向け)(オフィス編/作業者編) ・心理的安全な職場を目指して(メンバー向け)(オフィス編/作業者編) 監修:関谷裕希 株式会社:アスパクリエイト 「心理的安全性」とは企業のチーム内で自分の意見や考え方を安心して発言できる状態です。 仕事をしていく中で、「本当はこうした方がいいのに」と思っているのに言えなかったことはありませんか。 企業成長に欠かせないチームの「心理的安全性」のメリットを知り、その効果を高めるために、リーダー、そしてメンバーには何ができるのか。 相互理解の大切さと具体的な対策を紹介しています。 4ページ下部は以上です。 これで「ココロンセンターだより」95号は終わりです。