日時 平成29年11月30日(木曜日)午後2時20分から午後4時30分
場所 ももちパレス 本館3階 特別会議室
(地域の高齢者が元気で楽しく暮らすために)
地域の高齢者が元気で楽しく暮らすために地域に密着した葬祭場づくりを行っている。
活動のひとつは、関心の高い「終活」の勉強会を明るく楽しく行うための講師の派遣である。公民館や集会所での高齢者教室やふれ合いサロンで行っている。死という物をマイナスに考えるのではなくいきいきと生活して頂くために、少しでも不安を解消してもらえればと講師としてお話をさせて頂く。どうしても私ども葬儀社の者が「終活」の話をすると葬儀の話になってしまい、暗い話やマイナスのイメージになると思うが、静かに話しても仕方がないので笑って話せる内に色々なことを考えよう、と話をさせて頂いている。
希望者の方が練習ということで納棺体験、入棺体験をして頂くことがあって、参加者の半分6割位の方が実際に体験される。蓋を閉めて欲しいとご希望頂いたり、扉が開くところから見える景色を眺められたり、また実際に棺の中に寝ている写真を撮られたりと、楽しく笑いを含めた「終活」の勉強会となっている。
またご要望を頂いた際、所有するマイクロバス2台を使っていない時間帯に貸出している。老人クラブやふれあいサロンでのバスハイク、自治協議会の研修や老人クラブの親睦会など、当社の社員が運転し一日を一緒に過ごさせて頂く。
各校区の夏祭り、運動会、文化祭、餅つきなどの行事には、社員派遣しお手伝いをしている。校区行事はテントの貸出、運搬車両の提供と準備で大変なものあり、私達が企業として応援できる力仕事と考え片付けまでお手伝いさせて頂く。
石丸校区では公民館建替時期を機にお声掛け頂き、社会福祉協議会との共催で当社の祭場にて精霊送りを開催している。当社の祭場を使って10年ほど前から行っており、約1000人と近隣校区の方々にもお参りに来て頂いている。
壱岐南校区の方が主体となり毎月第一日曜日に行う地域カフェ「ふら~っとカフェ壱岐南」では生花販売で参加させて頂いている。地域の高齢者や家に引きこもっている方が外に出かけ人との繋がりを持てる機会を設けようと行われており、一緒にどうですかとお声掛けを頂き参加させて頂いた。どのような形が良いか考え、当社で取扱いのある生花販売でご協力できるのではと行ったところ高齢者の方々が買いにいらしてくださっている。参加者100名程度、ボランティアの方々80名程度と来られている盛況ぶりで丸3年になる。
地域に密着し根ざした祭場を作らないと企業として成立しないのではないかと活動している。私自身は地域の一員のような図々しさを半分用い溶け込ませて頂き、何かお手伝いできることをするという姿勢で関わらせて頂いている。今後も地域に根ざした企業づくりを頑張って行きたいと思っている。
(地域の方の笑顔があふれるスーパーづくり)
福岡市南区に本社をおくローカルスーパーマーケットで創業40年を迎える。生鮮食品、野菜肉魚総菜を中心に、少し古い建物外観と漂う昭和の雰囲気を売りに、高齢者の方が中心にお見えくださっている。弥永店の従業員は約90名。その内45名以上が60歳以上で、入社して22年の私よりも長く勤めていらっしゃる方が半分以上である。
地域の活動として、毎年行っている恒例行事が日帰りバスハイクである。私どもが企画し添乗員となって、日帰りツアーのような形でお客様をお連れしている。今年は復興支援もあり朝倉に行かせて頂いた。
また毎年2回行っているダイキョー弥永店夏祭りでは舞台を作り、地域サークルの舞踊、地域の子ども達によるダンス、エアロビダンス、和太鼓をされる方などを中心に、地域で活躍される方の場所づくりを行っており、他にも毎年の恒例行事として、勤労感謝の日のチャリティーや歳末助け合い運動の収益の寄付など、校区の自治会長、町内会長、社会福祉協議会、婦人会などと協力、共催という形で行っている。
当店の店頭広場をご利用頂く福岡市のカフェ事業「ほほえみカフェ」は毎回100名前後の方が参加されている。弥永校区は認知症や独居の方など南区の中で最も高齢化が進んでおり、当社では「ほほえみカフェ」以外に10ヶ所程度、休憩の場所のようなものを提供している。買い物をしなくても気軽に来てもらい会話をすることが認知症防止になると考えており、来年はさらに交流の場を増やしたいと思っている。
創業して間もない頃、地域の方に支えられたという創業者の想いがある。私が子どもの頃の福岡市の渇水時には営業を午前中のみとし、午後からはポリタンクに店舗の井戸水を詰めトラックで団地の方に配布していた。創業者から受継いだ想いを継承し、地域の方からの頼まれごとに答えている。今年は福岡市の災害協定を結ばせて頂き、何か災害があった際に地域に供給できるようにしている。
また弥永校区には認知症の方や家族が安心して暮らせるまちづくりをしている「ほっとかれん隊」というのがあって参加させて頂いている。
最近、毎日同じお米を買って行かれる認知症の方がいらっしゃって、認知症だと知らずに買ってくださるのをありがたいなと思っていた。その方は30年前からのお客様で、毎日来られるなと思っていたところ、認知症の方だと施設の方から連絡があった。その方の写真をください、全員で周知して対応しますと施設の方にお願いし、その翌日の開店直後、お米を買いにいらしたそのお客様と従業員が話しをしている間に施設の方に連絡して迎えに来て頂くという出来事があった。「ほっとかれん隊」に参加して認知症の方の情報も頂いているので、今後は速やかに対応できると思っている。従業員には仕事をせずにお客様と話して良いと伝えており、地域の皆様と仲良くなってもらえると良いと思っている。また配達事業もやらせて頂いており、配達先の団地お住まいの中で倒れていた方の発見につながった事例もあり、様々な形でのお手伝いもできると感じた。
今後も企業としてできることを最大限に生かし、若い方々にも来て頂きたいが、認知症や高齢者の方々が輝ける街づくりに協力していきたいと思っている。
(地域に根差した、地域とともに歩む医療機関を目指して)
「手には技術、頭には知識、患者様には愛を」をモットーに24時間365日運営している。
昨年28年度に行った地域の取組のひとつは、地域の方々を対象に年数回行っている病院の見学会である。各地域の高齢者、老人クラブ、高齢者サロンなどの皆様に向けて施設見学と認定看護師によるBLS心肺蘇生方法の講習会やドクターによる様々な勉強会を行い、健康意識の向上と正しい医療知識を学んで頂くことを目的として行っている。8月に行った和白東校区では40名程度にご参加頂き、子供さんの夏休みを利用しておじいちゃんおばあちゃんも参加されヘリポートやヘリコプターの見学など大変賑やかに行った。
近隣の中高校生を対象とした見学会も行っている。病棟の看護体験や様々な業種のスタッフと関わることで将来職業選択の幅が広がるきっかけになればと行っている。また学生を対象とした実際の病棟で看護体験や医療機器、高度医療機器に触れる体験型実習や高校生を対象にした医師、看護師、薬剤師を講師とした勉強会も行っている。
市民防災訓練に関しては、BLSやAEDの講習会に医師看護師を派遣しドクターカーも配備させて頂いている。心肺蘇生は講習会に参加されると一回やったからいいと仰る方が大変多いけれど、何度も繰り返さないといざという時に自分の身体は動かない、頭で分かっていても身体が反応しないということになる。同じことの繰り返しになるが知識は劣化して行くので記憶を定着をして頂きたいと考え行っている。
和白5校区の夏まつりの協力の他に、駐車場を会場にNPOと共同で年2回のフリーマーケットも行っている。参加者約3000名程度、当院の職員が畑で育てている朝採れ有機野菜を販売させて頂き、健康チェックブースでは骨密度や血管年齢の測定をするなど、今後の生活で気をつけた方が良いことなどを待機する看護師からお話をさせて頂いている。
また平成25年12月から、リハビリスタッフ、理学療法士、作業療法士と健康運動士と約6名で毎週火曜日に地域の体操教室を行っている。当初は待ち時間の有効活用を目的として、患者様をお待ちのご家族の方々に向けて、体操教室を始めますので来られませんか、とお声掛けした。日を重ねるごとに参加者が増え、午前中2回行って合計200名の方にご参加頂く教室に成長している。
そこで体操をするために来るというのが一番の目的だが、集まって会話して笑顔になるから来ると言う方も多く、大半の方が体操教室後にカラオケやランチに行かれたり、引越しされて友達がいないから来ましたという方もいる。コミュニケーションの場として活用して頂くことは予防医学や介護予防の目的が達成できると思っており、地域の公民館や集会所、憩いの家などに出張させて頂いている。
昨年度は院内院外と合わせて370回ほど健康教室を行い合計約15,000名の方にご参加頂いていて、今年度はこの回数を超えようと頑張っている。地域の方々と深く関わりを持つ中で必ず頭に入れていることは、地域の方々が何を望まれているのか、何を不満疑問に思われているのか、直接私が見て聞いて感じたことを還元させて頂くこと、地域の方と本音で話し合える関係づくりをすることが重要だということ。地域の中核を担う病院とさせて頂きたく、地域と同じ目線で共に歩めるよう日々精進と努力をしていきたいと考えている。
(住み慣れたところで暮らし続けるための手伝い)
城南区堤地区の小規模多機能施設で平成21年頃から事業所、行政、地域住民の方々と三位一体となり認知症にやさしいまちづくりを行ってきた。私は普段認知症の方々の在宅の生活を支えており、住み慣れたところに住み続けたいと願う方が多い。認知症の方を取り巻く環境すなわちご近所や地域住民の理解、関心が高まらないと実現は困難である。伴走型支援や共に歩む姿勢がこれからの共創社会を作る重要なキーワードになると思っている。
当事者は住み慣れた地域で暮らし、認知症や介護の必要な状態になった時に私達のところに来られる。介護専門職に預け、やっとデイサービスに行き始めたと、色々な思いで安心するかもしれないが、私達が関わりすぎることで地域での生活と切り離して行ったという反省がある。認知症の高齢者の方で早く帰りたいと言われる方が多く、私達はその想いをかき消す場であっていけない、この方々の想いを叶えるために私達が伴走し、その方々を取り巻く地域の方々の理解を高め押し返すような支援をしたいと思っている。
城南区の一番端にある堤地区は人口12,000人程度で高齢化率が毎年1%づつ上昇し、高齢化と認知症の問題などが地域課題としてある。小規模多機能施設で11年間従事し、当事者の想いを叶えるために味方や理解者あるいは関心者を欲しいと地域の方と擦り合わせを行ってきた。10年前にはまだその土壌がなかったが、それではだめだと思い言い続けた。まずは当事者が望む暮らしをデザインするために、住民の方々と一緒に音合わせしていかなければならない。行政の方にもご協力頂き、認知症を地域で支える音合わせをする。そうすることで土壌を作りネットワークを作って行く。家族を支援しながら辿り着くのはここだよねと、と繰り返しお伝えして行った。
行政の方、住民の方々、自治会長さん、民生委員さんがお見えになる会を事業所が定期的に開催し、20~30名程度で認知症や地域のことを話していく中で、やっぱり街づくりが必要だと繋がっていった。各者の強みを分かち合い地域そのものがうねって行く。私は介護や認知症の話をすることが出来る。地域住民の方々はやっぱりせないかんよね、とエネルギーに変える。行政の方は音頭を取りモデル地域に選んでもらったり事業計画を立てるなど力強く引張ってくださり、平成21年から堤地区は認知症に優しい地域を作ろうと動いていった。
継続的に認知症サポーター要請講座を地域住人に向けて行い、現在は小中学校や親子向け講座、郵便局、マルキョウなど事業者向け講座と数えきれないくらいの回数行っており、認知症予防の話ではなく認知症になった後の話をしている。
その内、住民が動いて劇団を作った。平成21年度に認知症サポーター養成講座のモデル事業を展開する中で講座終了後10名ほどの方が来られて、何かしたいけれど何をして良いのか・・・と相談があった。だったら一緒に啓発活動を続けていきましょう、一緒に劇をしませんか?と冗談半分で言ったところ、劇ならできるかもね、と劇団が結成された。
平成22年度から認知症サポーター要請講座を「劇団つつみ」と一緒に続けて来年10周年を迎える。平成24年度にはもっと元気になって行こうと自治協の方が動いてくださり、ステップアップ講座を行うことになった。サポーター講座終了後オレンジリングをもらった後にグループワークを行う。そこでは行政や地域住民が同じテーブルに座り、何ができる?何が必要?という話をする。「認知症問題って他人事じゃないよね、明日は我が身だよね。」と住人の方が言っていて、「明日は我が身だから一歩踏み出さないといけないよね。何が必要で何が出来る?」と皆で話し合う。出来ない理由を羅列するのはやめよう、出来ることをしよう、絶対やろうと話し、絞り出した答えが「つつみカフェ」である。認知症の当事者と支える介護者、予備軍の私達も気軽に集える居場所が必要だろう、好きな時間に好きなことをして帰れる自由さが担保された喫茶店みたいな居場所が必要じゃないかと展開していった。
平成22年5月「つつみカフェ」は知恵を出し合い公民館で始めて、色々な方がお越しになっている。認知症当事者の方と家族が集まり認知症相談コーナーでは日頃の介護の話をしてガス抜きしたり、住民、サポーター、ボランティア、介護事業所の方々と最近では乳児院のちびっ子達や障がい者施設の方々も来られている。地域というものを考えた時、認知症だけではなく障害、シングルマザー、貧困、虐待等もあって、それらに向き合えるよう地域づくりしたいと思っており、認知症は入り口で皆で助け合っていく地域を作ろう、そうしていく中で他人に優しい地域ができないか、関わり合って支え合う地域になれないだろうかとやっているが、色々な方々に波及していると思っている。
毎月1回、10時から16時まで行い平均100名程度の方が来られて2年目からは予算がついた。認知症カフェとして始めた「つつみカフェ」はごちゃごちゃになって一緒に楽しみ笑顔で帰るユニバーサルカフェになっている。自治協だけ、行政だけ、事業所だけというのではなく、共に手を携えてやっていくことが重要だと思っている。強みを生かして事業や専門職だからできることをすれば良い。私自身は「地域貢献」より「地域融合」と言う方が一緒に考え、地域と事業所がウィンウィンの構造になりこれから共創を示すキーワードになるのではないかと思っている。まずは一方通行ではなく地域を知ること、どういう風にしたら地域に知ってもらえるか、自分達の地域を知ろうとしているかが大事のではないかと思っている。
登壇者の事例報告後パネルディスカッションが行われ、地域の活動の第一歩はどのようなものだったのかなど、ご来場者の皆様の関心が高いと思われるお話が繰り広げられました。
最後に名刺交換会と交流会を行いました。地域、企業、行政の方と、ご来場くださった多くの方々が交流され、ご活躍ぶりなどをお話しされていました。