何歳でもチャレンジできる「未来のまち」へ一人一人が「幸せ」に生きるために福岡100

市は、「人生100年時代」に向け100のアクション(事業・取り組み)を実践する「福岡100」を2017年にスタートさせました。誰もが心身ともに健康で自分らしく暮らせるまち、そして、何歳でもチャレンジできる「未来のまち」を目指し、取り組みをさらに加速させていきます。
 2040年には、市に住む人の3人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されています。
 高齢化と少子化が進むこれからの急激な社会構造の変化に対応するため、市は、全国に先駆けて新たな社会システムづくりに挑戦しています。
100番目のアクションは
「福岡100」のアップデート
 市は、市民の皆さんや大学、企業等と一緒に、AI、IoT、ビッグデータなどの先進技術を積極的に活用し、持続可能な制度や仕組みづくりを進めてきました。その結果、これまでに99の「アクション」を実践することができました。
 節目となる100番目のアクションは「福岡100を新しいものへとアップデート(更新)し、次のステージへと歩みを進めること」です。
 健康寿命の延伸はもちろん、市民一人一人が、性別や年齢、生まれ育った環境、障がいの有無などに関わらず、自分にとっての「幸せ」や自己実現に向けて行動できる、持続可能な社会を目指します。

福岡100の新たな取り組みBeyond バリア プロジェクト
 
「Beyond(ビヨンド) バリア」とは、「障壁を超える」という意味です。このプロジェクトでは、誰もが活躍できるまちを目指し、時間や距離、手段など、さまざまな制約を超えた自分らしい働き方ができる環境づくりに取り組みます。

●自宅にいながら社会参加を
分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」
 市内には、重度障がいや難病、その他さまざまな理由で外出が困難な人がいます。
 市は、Beyond バリア プロジェクトの第1弾として、民間企業が開発した分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を利用した実証実験を開始しました。外出が困難な人たちが、分身ロボットのパイロット(操縦者)として、自宅等からパソコンやタブレット端末などを使って、遠隔操作で案内業務などに従事します。
 11月30日(水曜日)まで、博多区役所1階の博多の魅力発信コーナーで、外出が困難な人たちが博多の伝統工芸品の説明等を中心とした案内業務を行っています(平日午前11時から午後3時)。
 12人がチームとなって、1時間交代で来庁者をおもてなしします。来庁者は、ロボットを通じて会話をしたり、案内用のタブレット端末で補足情報を得たりすることができます。
分身ロボットオリヒメは博多区役所1階南玄関そばにいます
 チームの一員で、東区に住む臼井美嘉さん(41)は「私は狭心症の持病があり、子どもを産んでから十数年間家にこもっていました。この仕事を通じて、自宅にいながら、いろいろな場所にいる皆さんと直接コミュニケーションを取ることができるようになりました。仕事の選択肢が増えて、社会参加ができ、とてもうれしいです。伝統工芸品に関するクイズを出題するほか、チームで各自の会話の内容などの情報を共有することで、さらに良いおもてなしができるよう工夫しています。12月からは、デイサービスの利用者の皆さんの話し相手として、市内の高齢者施設の業務に従事します。またいろいろな人と話ができるのが楽しみです」と話しています。
 分身ロボットを活用した事業に関する問い合わせは、障がい企画課(電話 092-711-4248 FAX 092-711-4818)へ。

福岡100・未来のまちへのアクション年齢を重ねても活躍できるまちへ

シニア活躍応援プロジェクト
 
令和2年の国勢調査の結果によると、福岡市の総人口のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は22.1%でした。
 高齢化が進行する今、シニアの皆さんが意欲や能力に応じて活躍できる環境が求められています。市は、無料のセミナーや個別相談、雇用先の開拓など、働きたいシニアと企業をマッチングする仕組みをつくり、就業を応援しています。
 中央区に住む園田政浩さん(71)は、9月から博多区中洲のホテルにサービススタッフとして、週3回、午後1時から5時間勤務しています。
園田政浩さん写真
 園田さんは、「定年退職後、市が主催する就業セミナーに参加し、さまざまな仕事に挑戦しました。私は通信会社で長く営業職をしていたこともあり、人と話すのが大好きです。区役所の『シニアお仕事ステーション』でこの求人を見つけました。ホテルの業務は覚えることも多く大変ですが、お客様の笑顔を励みに元気に働いています。体が動く限り、仕事を続けていきたいです」と話してくれました。
 同プロジェクトのジョブコーディネーター・福田哲也さん(63)は、「人生経験豊かで、細やかな気配りができるシニアの皆さんに、博多らしいおもてなしをしてもらいたいホテル側と、働く意欲があるシニア側の意向がうまくマッチしました。今後、このような雇用は増えていきそうです」と話しています。
 問い合わせは、シニア活躍応援プロジェクト事務局(平日午前9時~午後5時 電話 092-433-7780 FAX 092-287-9330)へ。

シニア・ハローワークふくおか
 シニア・ハローワークふくおか写真
市福岡商工会議所ビル(博多区博多駅前二丁目)1階に、おおむね60歳以上の人向けの就業支援窓口を開設しています(平日午前9時半~午後5時)。
 
【問い合わせ】 シニア・ハローワークふくおか 

電話 092-292-7989 

FAX 092-473-1734

福岡100・未来のまちへのアクション住み慣れた地域で暮らし続けるために

認知症フレンドリーシティ・プロジェクト
 
高齢者の7人に1人、90歳以上の3人に2人が認知症であるといわれています。市は、認知症の人が住み慣れた地域で、安心して、自分らしく暮らせるまちを目指して同プロジェクトを立ち上げました。
 認知症コミュニケーション・ケア技法「ユマニチュード(マルアール)」の講座を、家族介護者や専門職だけでなく、地域住民、児童生徒などにも展開し、その普及に取り組んでいます。さらに、「認知症カフェ」の開設促進や、GPS機器を活用した認知症の人の見守りなどに加え、認知症の人が社会参加し、活躍できる場所の創出にも力を入れています。
 また、認知症の人を含む全ての人が安心してストレスなく暮らせるまちをつくっていくため、ユニバーサルデザインの理念に基づいた「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」を策定しました。
 博多区役所のトイレに導入された認知症の人にもやさしいデザイン
▽トイレの扉など目立たせたいものは、周囲の壁や床とのコントラストをつける▽目線の位置に、分かりやすい文字とピクトグラムを掲示する―など、簡単な工夫で、誰もが行動しやすく、より過ごしやすい環境をつくることができる30のポイントをまとめています。
 認知症の人にもやさしいデザインは、令和3年度末時点で市内29の公共施設や高齢者施設に導入されています。
 
【問い合わせ】 認知症支援課 

電話 092-711-4891 

FAX 092-733-5587

地域包括ケア情報プラットフォーム
 
医療・介護・健診等に関するデータを一元的に集約・管理・活用するための情報通信基盤「地域包括ケア情報プラットフォーム」を構築しました。約230種・43億件のデータを蓄積し、大学等と連携してその分析結果を活用することで、市民の健康寿命の延伸に向けた施策を推進しています。
 「痩せ過ぎ」「同年代と比較して歩行速度が速くない」「咀嚼(そしゃく)力の低下」などが、市民の要介護状態の発生リスクを高める要素であることが令和3年度の分析結果で明らかになりました。その結果に基づき、市民の皆さんの健康増進のためのさまざまな取り組みを実施しています。
 
【問い合わせ】 政策推進課 

電話 092-711-4812 

FAX 092-733-5587

Fitness(フィットネス) City(シティ)プロジェクト
 上り下りすると音が鳴る巨大階段ピアノ写真
市が令和元年に実施した市民アンケートによると、日頃の運動習慣(おおむね週1回以上)がない人の割合は、30~50代の現役世代が最も多く、市民の健康を阻害している要因の一つになっています。
 「住むだけで健康になるまちづくり」に向け、公園や道路、駅など身近な環境を活用し、自然と楽しく体を動かしたくなる仕掛けや、仕組みづくりに取り組みます。
 
【問い合わせ】 政策推進課 

電話 092-711-4812 

FAX 092-733-5587

オーラルケア28(にいはち)プロジェクト
 
歯と口の健康は、全身の健康や、食事・コミュニケーションなど日々の生活の充実に密接に関わる重要なものです。
 市民の皆さんに28本(親知らずを除く)の永久歯を生涯健康に保ってもらおうと、治療よりも予防に重点を置き、世代ごとの特性に応じた歯科口腔(こうくう)保健の取り組みを行っています。
 
【問い合わせ】 口腔保健支援センター 

電話 092-711-4396 

FAX 092-733-5535

買い物支援
 
高齢化や世帯の単身化が進む中、日常生活に関する支援を要する高齢者等へ、特に日々の生活に欠かせない買い物への支援の必要性が高まっています。
 市は、地域団体と連携しながら、▽買い物先への送迎▽臨時販売所の開設▽移動販売▽宅配―など、地域の実情に合わせた支援を行っています。
 
【問い合わせ】 地域福祉課 

電話 092-733-5346 

FAX 092-711-4232

ベンチプロジェクト
 通称「おさるのベンチ」が市内各所に次々と設置されています
市は、高齢者や障がい者、妊婦、子ども連れの人などからの休憩需要に応えるため、歩道上や市有地・民有地の道路沿いに誰もが快適に利用できるベンチの設置を進めています。
 全ての人が気軽に外出しやすい「ユニバーサル都市・ふくおか」の実現を目指します。
 問い合わせ 地域福祉課 電話 092-733-5344 FAX 092-711-4232
 100のアクションの達成はゴールではありません。一人一人が幸せに暮らせる「人生100年時代の未来のまち」をみんなでつくっていきましょう。
 
■問い合わせ先/福岡100推進課 

電話 092-711-4544 

FAX 092-733-5587

優しさを伝えるケア技法「ユマニチュード(マルアール)」を救急の現場にも
 救急隊員を対象としたユマニチュードの講座の様子
市の救急搬送傷病者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は全体の半数を超え、今後も増加が予想されます。
 世界初の取り組みとして、市は救急隊員を対象としたユマニチュードの講座を行っています。10月28日、博多消防署で同講座が開催されました。
 市消防局機動救急隊(第1)の阿比留幸貴隊員(33)は「今回で4回目の研修です。以前は接し方が分からず、認知症を抱えた傷病者に怖がられたり、救急車への移動を拒否されたりすることがありました。研修を重ね、気持ちに寄り添った対応ができるようになってきたと感じます。一刻を争う救急の現場ですが、認知症の人に安心して、ストレスなく受け入れてもらえるよう、これからもこの技法を取り入れていきます」と話してくれました。
阿比留幸貴隊員
福岡100をもっと知ろう
 
福岡100のこれまでの取り組みや最新情報を、ホームページ(「福岡100」で検索)に掲載しています。また、次のような情報発信も随時行っています。

福岡100公式note(ノート)
 
福岡ゆかりのタレントやクリエイターなどによる、福岡100のプロジェクト体験記やコラムなどを発信しています。
 ホームページ https://fukuoka-city.note.jp/
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