暮らしを支える 博多港

博多湾に面した福岡市は、古くから交易の拠点として栄えてきました。博多港は、福岡市のみならず、九州の皆さんの生活や経済活動を支えています。博多港の役割や市民生活との関わりなどを紹介します。
 私たちの暮らしに必要な物の多くが、博多港に運ばれてきます。船は一度に多くの荷物を運べるため、日本と海外との貿易の99・5%、国内の輸送の39・8%に船が使われています。
 博多港は、中国の沿岸都市や韓国の他、経済成長を続ける東アジアとも行き来しやすい位置にあります。その立地の良さから、九州内の外国貿易で使用されるコンテナの取り扱い量は、博多港が5割を占めています。
 JR貨物のターミナルや都市高速道路にも近く、九州・西日本の各地へと早く運ぶことができます。
ふ頭の地図
■ それぞれの役割を担うふ頭
 
博多港には、24時間コンテナを扱うアイランドシティと香椎パークポートのコンテナターミナルをはじめ、自動車などさまざまな荷物を扱う箱崎ふ頭、石油が集まる荒津地区、多くの穀物を扱う須崎ふ頭、ガスの貯蔵タンクがあり建設資材が運ばれる東浜ふ頭があります。
 また、中央ふ頭には全国有数の国際旅客ターミナル「博多港国際ターミナル」と「中央ふ頭クルーズセンター」があります。博多港と韓国・釜山港を結ぶ旅客船やフェリーが就航し、クルーズ船も寄港します。コロナ禍前の令和元年には、約280万人が博多港を利用して国内や海外を行き来しました。
 
■問い合わせ先/港湾空港局総務課 

電話 092-282-7183 

FAX 092-282-7771

福岡市の港湾地区

〈コンテナターミナル〉
 月に200隻近くのコンテナ船が24時間出入りする、最新の設備を備えた物流拠点。
〈箱崎ふ頭〉
 博多港で一番大きなふ頭で、いろいろな種類の品物を扱う。穀物を船から吸い上げる機械や食品を保管する冷凍・冷蔵の倉庫を備える。
〈中央ふ頭〉
 福岡の海の玄関口「博多港国際ターミナル」と「中央ふ頭クルーズセンター」があり、税関や出入国管理、検疫などの施設を備える。
〈博多ふ頭〉
 博多ふ頭の旅客ターミナルからは、志賀島・玄界島行きの市営渡船(3面参照)のほかに壱岐・対馬航路や五島航路も運航している。

豊かな博多湾を未来へ
 
博多湾には、干潟や藻場など豊かな自然環境があり、たくさんの生き物が暮らしています。市は、この豊かな環境を守り次世代へとつないでいく取り組みの一つとして、脱炭素化を進めています。

■ カーボンニュートラルポート
 
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いて実質ゼロにすることです。国は、港湾地域で集中的に脱炭素化を進めるため、「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成を推進しています。
 市は博多港CNP形成推進協議会を設置し、「2040年度温室効果ガス排出量実質ゼロ」を目指して、チャレンジを進めていきます。問い合わせは、港湾空港局計画課(電話 092-282-7082 FAX 092-282-7771)へ。

■ 世界で注目される「ブルーカーボン」
 
植物は、光合成によって二酸化炭素を吸収し、炭素を取り込みます。森林などの陸上の植物が吸収した炭素を「グリーンカーボン」と呼ぶのに対し、アマモや海藻など海の植物が吸収した炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれます。ブルーカーボンは、新たな二酸化炭素の吸収源として世界的に注目されています。
 
●「博多湾ブルーカーボン・オフセット制度」クレジット購入者募集
 志賀島のアマモ場
市は、博多湾に生育するアマモなどの藻場によるブルーカーボンを、取引可能な形態(クレジット化)にして販売する「博多湾ブルーカーボン・オフセット制度」を令和2年に創設しました。販売収益をアマモ場づくりなど、博多湾の環境保全の取り組みに活用しています。
 令和4年度の「博多湾ブルーカーボン・クレジット」の販売を、11月1日(火曜日)から開始します。詳しくは、市ホームページ(「博多湾 ブルーカーボン」で検索)でご確認ください。
 
●ふくおか応援寄付でも
 
「ふくおか応援寄付」でも博多湾の環境保全活動を応援することができます。市ホームページ(「ふくおか応援寄付」で検索)で環境・自然分野「海のゆりかご・アマモ場づくり活動」を選んで申し込んでください。
 
■問い合わせ先/みなと環境政策課 

電話 092-282-7178 

FAX 092-282-7771


広がるアマモ場づくり
 
アマモは浅い海で育ち、花を咲かせて種を作る海の植物です。アマモ場は「海のゆりかご」とも呼ばれ、生き物の産卵場や生息場としての役割のほか、水質の改善や地下に根を張って海底を安定させるなどの働きがあります。また、アマモは吸収した炭素を海底に長期間貯留することから、「ブルーカーボン生態系」と呼ばれ注目されています。
 
●奈多小学校でもチャレンジ
 育成ポットでアマモを育てる奈多小の5年生
奈多小学校(東区)の生徒たちは、アマモを育て、地域や企業の協力を得ながら、海への植え付けまでを行っています。奈多小教諭の吉窪夏実さん(31)は「地元のダイバーが子どもたちの苗を丁寧に植え付けてくれました。奈多海岸の美しさや豊かな生態系を守るために、子どもたちと一緒に考えながら環境学習に取り組んでいます」と話しました。

博多港で楽しく学ぼう
 
博多港のシンボルとして親しまれている「博多ポートタワー」「博多港ベイサイドミュージアム」(博多区築港本町)が、今年3月にリニューアルオープンしました。

■ 博多ポートタワー
 博多ポートタワー
博多ふ頭にある博多ポートタワーは、約60年にわたり博多港を見守ってきました。地上70メートルの展望室からは博多湾と市街地を360度望むことができます。改修工事で網入りの窓ガラスが強化透明ガラスに変わり、景色が見やすくなりました。
 また、新たにフルカラーLED照明を使用し、タワー全体をさまざまな色でライトアップできるようになりました。春夏はブルー、秋冬はオレンジを基調に、季節やイベントに合わせた演出を行っています。
 最上階には「博多ポートラジオ」があり、博多港に出入りする船舶に向けて、安全航行のために必要な情報を提供しています。

■ 博多港ベイサイドミュージアム
 
博多ポートタワーのそばにある博多港ベイサイドミュージアムは、博多港の役割や歴史などを分かりやすく紹介する施設です。パネルや模型などを展示し、博多港について楽しく学ぶことができます。ぜひお立ち寄りください。
 
【開館時間】 午前10時から午後5時 (入場は4時40分まで) 

【料金】 無料 

【休館日】 水曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日から1月3日 

【問い合わせ】 博多ポートタワー 

電話 092-291-0573

博多港ベイサイドミュージアム 
博多港ベイサイドミュージアム
電話 092-282-5811

博多港見学会
 コンテナクレーン
港や各ふ頭の施設を船やバスで見学します。港が果たす役割や市民生活との関わり、海を生かしたまちづくりについて、市民ボランティア「博多港ポートガイド」が分かりやすく紹介します。
 博多湾を船で1周するコースと、バスで各ふ頭を巡りコンテナターミナルを見学するコースがあります(バスは、各自で手配してください)。料金は無料で、平日の午前10時から午後4時に実施します(見学は約1時間半)。対象は市内に住むか通勤・通学する小学生以上の団体(10人以上)です。1カ月前までに博多港振興協会(電話 092-271-1378 FAX 092-282-4757)にお申し込みください。詳細は市ホームページ(「博多港見学会」で検索)で確認を。

 市民の皆さんに港を身近に感じてもらおうと、アイランドシティに設置しているコンテナクレーン1基を、塗装補修工事に合わせてキリン柄に塗り替えました。

《博多ポートタワー》
 
昭和39(1964)年完成。高さ100m。設計は、東京タワーや大阪の2代目通天閣と同じ建築家・内藤多仲氏。民間レジャー施設「博多パラダイス」として開業し、昭和51年から市の施設として、博多港をPRする役割を担っている。

市営渡船で島に行こう
 
市営渡船には、市内の四つの島と本土を結ぶ4航路があります。島に住む人の生活航路としてはもちろん、観光客を運ぶ観光航路としての役割も担っています。博多ふ頭から玄界島に35分(1日7便870円)、志賀島に30分(下記参照)で、西区姪浜旅客待合所から能古島に10分(下記参照)、小呂島に65分(月・水・金曜日1便、火・木・土・日曜日2便1,790円)で行くことができます。詳細は、市ホームページ(「福岡市営渡船」で検索)で確認するか、客船事務所(電話 092-291-1085 FAX 092-281-5329)へ。 ※運賃は大人片道料金。

志賀島・西戸崎
博多ふ頭に停留する「きんいん1」の写真
博多旅客待合所(博多ふ頭)~志賀島1日15便 680円、西戸崎(15分) 450円
 金印公園の写真
博多ふ頭から西戸崎を経由し、志賀島まで船で行くことができます。志賀島には、海の神様を祭った志賀海神社や金印が発見された場所に設けられた「金印公園」、博多湾を一望できる潮見公園などがあります。

能古島
レインボーのこの写真
姪浜旅客待合所から能古島 平日23便、土日祝休日21便 230円
 能古島アイランドパーク写真
博多湾に浮かぶ能古島には、1年を通じて季節の花が楽しめる「のこのしまアイランドパーク」をはじめ、歴史に触れられる能古博物館や市内を一望できる展望台などがあります。









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