第48回 人権スケッチ「ヤングケアラー」孤立化を防ぐために

 親の病気などで、本来、主に大人が担う家族の世話や家事を日常的に行っている子どもを、ヤングケアラーといいます。厚生労働省の最新の調査では、小学6年生の約15人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答し、1クラスに2人がヤングケアラーと推定される、深刻な結果でした。
 具体的に子どもたちは、親や祖父母の介護、きょうだいの世話、食事の準備や掃除、洗濯などを担っています。手伝いの範囲を超え、年齢に見合わない重い負担や責任を強いられるケースもあります。
 子どもの年齢が低いほど、家族の世話をするのは当たり前という意識が強く、世話に明け暮れるうちに、学びや遊びの「子どもとしての時間」を失うという事態に陥っています。▽学業がままならない▽友人と遊べず孤立感を深めている▽相談できる相手がいない▽睡眠が十分に取れず、心身に不調を来している―などの事例が少なくありません。
 市は昨年11月、子どもの孤立化を防ぐ糸口になればと、相談窓口※を設置しました。自治体による相談窓口は九州初で、ヤングケアラー・コーディネーターが相談に応じ、支援につなげています。周りの大人が子どもの変化に気付き、声を掛けてあげられる優しい社会でありたいですね。
 ※ヤングケアラー相談窓口 電話 092-982-0073 開館時間 月・火・木・金・土曜日 午前10時から午後6時(土曜日は5時まで。祝休日は休み)
 
■問い合わせ先/市人権啓発センター 

電話 092-717-1237 

FAX 092-724-5162




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