残暑を元気に乗り切ろう

まだまだ暑い日が続きます。バランスの良い食事と規則正しい生活で、体がだるい、疲れやすい、食欲がないなど、いわゆる「夏バテ」を防ぎましょう。

バランスの良い食事を心掛ける
 岡 三枝さん写真
夏バテにならないための食生活について、健康増進課 管理栄養士の岡 三枝さん(49)に話を聞きました。
 連日の猛暑で、疲れやだるさから食欲が落ちていませんか。そうめんやそばなど口当たりの良いものだけで済ませていると、体に必要な栄養素が不足し、さらに疲れやすくなるという悪循環を招いてしまいます。
 
バランスよく食べる
 バランスの良い食事の例
夏の疲れを残さずに元気に過ごすためには、3食しっかり食べることが大切です。いろいろな食材を取り入れ、主食・主菜・副菜をそろえることで、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった、体に必要な栄養素を満遍なく取ることができます。
 全て手作りしなくても、デリバリーや、市販の総菜、冷凍食品、乾物、缶詰などを利用しても構いません。また、カレーや丼なども、冷蔵庫の残り物を利用して具材を工夫すれば、一皿で栄養バランスの良いメニューになります。
 
食欲がないときは
 
暑さで食欲がないときは、おかずを中心にいろいろな種類を少量ずつ食べるなどして、栄養素を補いましょう。
 唐辛子やカレー粉などの香辛料や、ネギ、ショウガ、青ジソなどの香味野菜は食欲を増進させ、レモンなどの柑橘類や酢の酸味は、消化液や唾液の分泌を促します。また、納豆やオクラ、山芋などに含まれるネバネバ成分は、胃の粘膜を保護する働きがあり、消化を助け、胃の負担を軽くします。
 
ゆっくりよく噛(か)んで食べる
 
よく噛んで食べると、胃腸の働きが促進され、消化・吸収がよくなります。さらに、肥満予防や味覚の発達に効果があるといわれています。また、しっかり唾液を出すことで、虫歯や歯周病予防にもつながります。
 市の食育情報や夏を乗り切るためのレシピは、市ホームページ(「福岡市 栄養・食育の部屋」で検索)に掲載しています。

意識して取りたい栄養素
 
●ビタミンB1
 
豚肉、ウナギ、レバー、玄米、大豆製品などに多く含まれます。食事で取った糖質を代謝し、エネルギーに変えてくれる、疲労回復に欠かせない栄養素です。ニンニクやニラ、ネギなどに含まれる香り成分「アリシン」と一緒に取ると、吸収が促進されます。
 
●カリウム
 
野菜、海藻、イモ類、大豆製品、果物などに多く含まれ、体内の水分量を調整し、余分な塩分を排出します。水に溶けやすいため、ゆでるよりも蒸すかレンジで加熱するのがお勧めです。
 
●ビタミンC
 
野菜、果物、イモ類、レバーなどに多く含まれ、免疫機能を高めます。暑さやストレスによって消費されやすいので、毎日の食事でしっかり摂取しましょう。

いくちゃんねる福岡市
 いくちゃんねる福岡市のイメージ
健康増進課の公式インスタグラム「いくちゃんねる福岡市」(@ikuchannel_fukuokacity)で、管理栄養士が作成したレシピのほか、健康や食育に関する情報を紹介しています。
 
■問い合わせ先/健康増進課

電話 092-711-4374
FAX 092-733-5535

作ってみようスパイスで食欲アップ スパイシーゴヤチャン
スパイシーゴヤチャン
 いつものゴーヤチャンプルーを、エスニックな味付けに。ガラムマサラのスパイシーな香りが食欲をそそります。
<材料・2人分>
・ゴーヤ…1本
・豚薄切り肉…120グラム
・卵…1個
・木綿豆腐…1/2丁(約200グラム)
・おろしニンニク…1/2かけ(4グラム)
・ごま油…小さじ4(16グラム)
・塩…ひとつまみ(約0.6グラム)
・ウスターソース…大さじ2(36グラム)
・ガラムマサラ…小さじ1/2(2グラム) ※ガラムマサラがない場合は、カレー粉で代用できます。

<下準備>
 苦みが苦手な人はゴーヤのワタを少し残してみて
ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを取り除き、好みの厚さに切る。豚肉は食べやすい大きさに切り、おろしニンニクをもみ込む。木綿豆腐はペーパータオル2枚で包み、耐熱皿に載せて、ラップを掛けずにレンジで約2分加熱して水気を切る。卵はほぐしておく。

<作り方>
 <1>フライパンにごま油を半量入れて火に掛け、水切りをした木綿豆腐をそのまま入れる。焼きながらへらで食べやすい大きさに崩し、焼き色が付いたらいったん皿に取り出す。
 <2>同じフライパンに残りのごま油を入れて火に掛け、豚肉を炒める。
 <3>豚肉に火が通ってきたら、ゴーヤを加えて炒める。豆腐を戻し入れ、卵を回し入れる。
 <4>全体が混ざったら、塩、ウスターソース、ガラムマサラで味付けする。

適度な運動と質の高い睡眠を
 
夏バテの予防には、暑さに負けない体力づくりや、質の高い睡眠が欠かせません。
 
●暑さに負けない体をつくる
 
体力づくりのためには、日頃からウオーキングなど30分程度の運動をすることが望ましいといわれています。家の中での軽い運動のほか、涼しい時間帯に散歩をするなど、できるだけ外出する機会を増やしましょう。
 体調が悪いときは無理をせず、休憩を挟みながら運動を行いましょう。運動前、運動中、運動後にはしっかり水分を補給してください。
 また、熱中症予防のために、喉が渇いていなくても、水分は1日1.2リットルを目安に小まめに取りましょう。コーヒーやアルコールなどは利尿効果があるため、控えめに。水分補給には水や麦茶などがお薦めです。
 
●十分な睡眠を取る
 
理想的な睡眠時間は、7から9時間といわれています。
 暑さで寝苦しく、睡眠の質が下がりがちです。室温が28℃を超えないように、クーラーや扇風機を上手に利用してください。外が涼しいときは窓を開けて風通しを良くするなど、温度や湿度にも気を配りましょう。
 市は、ぐっすり眠るために役立つ方法のほか、眠りを深くするヨガ、起床時や就寝前のストレッチなど、皆さんの健康づくりに役立つ動画を市ホームページ(「福岡市 健康づくり・スポーツサイト 動画特集」で検索)に多数掲載しています。
 食事と運動と睡眠は密接に関係し、心と体の健康に大きく影響を及ぼします。早寝早起きの規則正しい生活リズムとバランスの良い食事で、健康な毎日を過ごして残暑を元気に乗り切りましょう。
 
■問い合わせ先/健康増進課 

電話 092-711-4374

FAX 092-733-5535


規則正しい生活リズムで食事・運動・睡眠の好循環を
 市健康づくり・スポーツサイトのトップページ
早寝早起きの生活リズムは、心と体の健康に大きな効果をもたらします。
 朝日をしっかり浴び、午前中に屋外で運動をすることで、寝つきが良くなり、睡眠が深くなります。睡眠を十分に取って朝ごはんを食べると、腸内細菌のバランスが良くなり、免疫機能が高まって代謝が上がります。さらに、毎朝決まった時間に食べることで体内時計も整い、質の高い睡眠が取れるようになります。
 ※動画「ぐっすり眠るために役立つ方法」から抜粋

9月は食生活改善普及運動月間減塩メニューで おいしく、健康に
 
食塩を取り過ぎると、血圧が上昇し、高血圧をはじめとした生活習慣病につながります。さらに、胃がんのリスクが高まることも分かっています。
 
●1日マイナス2グラムを目標に
 厚生労働省啓発ツールのイラスト
厚生労働省が令和2年に策定した、健康な日本人成人男女の1日の食塩摂取量の目標値は、男性が7.5グラム未満、女性が6.5グラム未満です。令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、男女共に2グラム程度上回っている状況です。
 
●塩分の取り過ぎに気を付けよう
 
ウインナーやベーコン、ハム、かまぼこ、ちくわなど肉・魚の加工品や漬物など、食塩を多く含む食品の取り過ぎに注意しましょう。
 ▽しょうゆやソースは「かける」より「つける」▽麺類の汁を残す▽汁物は具だくさんにして汁の量を減らす▽だしのうまみを利用する▽低塩の調味料を使う―など、食べ方や調理の工夫等で塩分摂取を抑えることができます。
 また、香辛料や香味野菜、果物の酸味を取り入れると、塩分控えめでもおいしく食べられます。

■「おいしい減塩レシピ」を配布します
おいしい減塩レシピの表紙
 9月1日(木曜日)~30日(金曜日)に、イオンショッパーズ福岡店(中央区天神四丁目)地下1階食料品売り場で、「おいしい減塩レシピ」を配布します。健康増進課管理栄養士が考案した気軽に作れる減塩メニューや、食に関する健康情報を掲載しています。高血圧予防のためにも、ぜひご活用ください。
 ※10月1日(土曜日)から、情報プラザ(市役所1階)で配布。市ホームページ(「おいしい減塩レシピ」で検索)でもダウンロードできます。

第4次福岡市食育推進計画(令和4年度から8年度)
 第4次福岡市食育推進計画の表紙
市は、食育を推進するため、「第4次福岡市食育推進計画」を4月に策定しました。
 
▽食を通じた健康づくり

▽福岡の食材を日々の食事に生かす

▽食を楽しみ、福岡の食文化を伝える

▽環境に優しい食生活を送る―を基本目標に、市民の皆さんから寄せられた意見を反映させました。
 
「食べること」は生涯にわたって続く基本的な営みです。今できることから始めてみませんか。
 詳しくは、市ホームページ(「福岡市 第4次食育推進計画」で検索)をご覧ください。











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