人権スケッチ第47回水平社創立100年、人間の尊厳を差別克服の基軸に

被差別部落(同和地区)の出身という理由だけで、偏見の目を向けられる人たちがいます。
 戦後、その解決に向けて、国は被差別部落の生活環境の改善や、人権に関する啓発・教育を推し進めました。しかし、2016年施行の部落差別解消法に明記されている通り、今なお部落差別は存在しています。人前での露骨な差別は影を潜めましたが、近年はインターネットへの差別的な書き込みや画像の投稿が増えています。
 結婚や転居に際して同和地区かどうかを聞き出そうとするやりとり、勝手にさらされる名前や住所など、うわさや悪意ある発信が、無自覚に拡散されています。こうした人権に対する感覚の欠如が新たな差別を生んでいます。
 今から100年前、いわれのない部落差別と闘うため、当事者たちが立ち上がり、全国水平社が創立されました。
 「人の世に熱あれ、人間に光あれ」、こう結ばれる水平社宣言は日本初の人権宣言とされ、アイヌ民族や在日コリアン、障がい者、公害病などの人権運動に影響を与えました。
 宣言は「人間の尊厳」を何よりも重んじています。人権意識が揺らぐ今、その精神は部落差別だけでなく、あらゆる人権課題を克服する基軸になるでしょう。
 
■問い合わせ先/市人権啓発センター 

電話 092-717-1237 

FAX 092-724-5162



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