令和4年度予算暮らしに「ぬくもり」と「彩り」を

市は、コロナ禍でも経済を循環させ、持続可能な財政運営に取り組んでいます。市民の皆さんが心豊かに生活できるよう、環境を整備し、誰一人取り残さない、ぬくもりと彩りのあるまちづくりを進めていきます。

ぬくもりを感じられるまち
 
市は、子どもたちが将来への希望を持って、夢を育み、また、周りの大人たちも生き生きと暮らせるようサポートします。

■ 全ての子どもたちを守るために
 
困難を抱える子どもを早期に発見し、支援につなげます。
 
●子どもの習い事を応援
 
生活保護世帯または児童扶養手当受給世帯の小学5年生~中学3年生を対象に、スポーツ教室や文化教室、学習塾などの習い事の費用を助成します(7月分から電子クーポンで交付)。
 子どもの将来が、生まれ育った環境に左右されることなく、個性や能力を伸ばし、自己肯定感が育まれるよう支援します。
 
●ヤングケアラーを支援
 子どもたちが元気に遊ぶ様子の写真
ヤングケアラーとは、本来大人が担うような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもをいいます。
 学校に行けなかったり、友だちと遊ぶ時間がなかったりするなど、育ちや教育に影響があるヤングケアラーを支援するため、コーディネーターが相談に応じ、支援につなげます。
 また、育児支援ヘルパーを派遣し、年下のきょうだいの世話などをする子どもの負担を軽減します。
 
●タブレット端末を活用して子どもの悩みに対応
 タブレットを活用した授業の様子
子どもが相談しやすい環境を整えるため、小中学生に配付している学習用タブレット端末を活用し、低学年でも簡単に操作して相談できるインターネットサイトを開設します。臨床心理士などが相談に応じ、児童虐待などで支援が必要な子どもの早期発見に努めます。
 
●学校看護師とスクールソーシャルワーカーを増員
 
たんの吸引などの医療的ケアが必要な子どもたちをサポートするため、学校看護師を8人増員します。
 また、スクールソーシャルワーカーを市内全ての中学校区と市立高校・特別支援学校に配置し、小学生から高校生までの困難を抱える子どもを支えます。
 
●乳幼児健診の情報をデジタル化
 
市が実施している乳幼児健診の結果を、市と医療機関、保護者で共有できるシステムを来年度の導入に向けて構築します。
 
●こども見守り支援課を新たに創設
 
保育・教育・福祉など、市の各部署が管理する子どもに関する情報を組み合わせることで、困難を抱える子どもを早期に発見し、必要な支援につなげるための仕組みづくりを行います。

■ 誰もが生き生きと安心して暮らせるまちに
 
誰もが自分らしさを発揮しながら生活できるようサポートします。
 
●障がい者の工賃向上の支援強化
 障がいのある人が手作業をしている様子の写真
障がい者の就労支援施設では、障がいのある人の社会参加や経済的自立に向けた支援が行われています。個々の施設は規模が小さく、営業ノウハウ等が不足していることから、新たな業務の開拓や各施設への受注支援等を一括して行うセンターを設置します。
 障がいのある人が自分の能力や経験を生かし、より多くの工賃(賃金)が得られるよう支援体制を作ります。
 
●がん患者のウィッグや補整具等の購入を補助
 
がん患者が医療用ウィッグや補整具等を購入する際の費用を補助します。
 がん患者の社会参加を応援し、療養生活の質がよりよいものになるよう支援します。
 
●高齢者のフレイルを予防
 
フレイルとは、要介護の前段階のことで、加齢や慢性疾患により心身の機能が低下した状態をいいます。
 市が保有する医療・健診・介護のデータからフレイルのリスクが高い高齢者を抽出し、専門職が訪問することで、必要な支援につなげます。
 
●ベンチプロジェクトを推進
 ベンチの写真
外出の途中で休憩できるよう、身近な場所にベンチを設置する「ベンチプロジェクト」を拡充し、市が管理する道路で設置可能な全てのバス停にベンチを設置します。誰もが気軽に外出しやすい環境を整えます。
 
●町内会活動を支援
 登校時の見守りをしている写真
町内会(自治会)は、住民のつながりや助け合いの基盤となる大切な団体です。防災訓練や子どもの見守り、夏祭りなどの活動で育まれた「顏の見える関係」が、安全で安心なまちづくりを支えています。
 町内会が行う、地域の活性化や課題解決につながる活動を幅広く支援するため、補助金を支給します(本紙4面に関連記事)。

子どもの権利を守ります
~保護者の休息もサポート~

●子どもの意見表明を支援
 
里親家庭や児童養護施設等では、親の病気や虐待などの事情で家族と生活できなくなった子どもたちが暮らしています。抱えている不安や悩みを里親や施設職員に打ち明けられない子どももいることから、専門スタッフが定期的に里親や施設を訪ね、子どもが自分の思いや考えを言えるよう支援します。

●里親ショートステイを拡大
 
平成29年度から西区で実施していた里親ショートステイサービスを全市に拡大します。育児疲れが子どもへの虐待につながることもあるため、身近な地域の里親に一時的に子どもを預けることで、良好な親子関係を取り戻してもらうための取り組みです。

彩り豊かなまちへ
 
天神ビッグバンや博多コネクティッドなどの大型プロジェクトの進行により、福岡のまちは大きく変わり始めました。高層ビルが建ち並ぶ中でも、まちを歩けば緑があふれ、花の香りが漂い、アートに触れることができます。また、都心から近い場所に、山や海などの豊かな自然があります。
 市のさまざまな魅力に磨きをかけ、市は、市民一人一人が心の豊かさを感じられるまちを目指します。

■ フクオカ アートネクスト
 
●アートウイークを開催
 
福岡のまちは、古くからアジアとの交流を通して発展してきました。そこには多様な価値観を受け入れ、感性を育んできた風土があります。市美術館や福岡アジア美術館をはじめ、市内各所で身近に現代アートに触れることのできる「アートウイーク」を今秋開催します。
 
●アーティストカフェを開設
昨年度のウォールアートの写真 
現代アートの分野で新しい価値の創造にチャレンジする作家が成長・活躍できるよう、旧舞鶴中学校(中央区城内)に「アーティストカフェ」を開設します。
 また、優れた作家を表彰する「フクオカアートアワード」を創設し、若手を中心とした作家の育成につなげるなど、アーティストの創作活動とスタートアップを支援します。
 
●フクオカ ウォールアートプロジェクト
 
昨年度に引き続き、天神や博多駅周辺の建設現場の仮囲いやビルの壁面を活用し、アート作品を展示します。アーティストに作品発表の場を提供し、まちににぎわいを創出します。

■ 自然の魅力をブラッシュアップ
 
●油山市民の森・油山牧場をリニューアル
 も~も~らんど油山牧場の写真
身近なレクリエーションの場として市民に親しまれている「油山市民の森」(南区桧原)と「も~も~らんど油山牧場」(南区柏原)では、市内を一望できる立地を生かし、より魅力的な憩いの場になるようリニューアルに着手します。
 
●海辺の魅力を高めるために
 きれいに整備された歩道の写真
志賀島地区(東区)と北崎地区(西区)の海辺の魅力を高めようと、「フクオカイースト&ウエストコーストプロジェクト」を推進しています。
 昨年、北崎地区の歩道が一新されました。今年度中には無電柱化が完了します。老朽化した「海づり公園」(西区小田)も、幅広い年代が楽しめるようリニューアルします。また、志賀島地区でも無電柱化工事が始まります。
 両地区とも、自転車に乗って楽しむ「サイクルツーリズム」の推進や、立ち寄りスポットづくりの検討などに地域と一体となって取り組みます。
 新型コロナウイルス感染症対策については、ワクチン接種を進めながら、医療機関への支援などを継続します。コロナ禍で打撃を受けた中小企業や商店街向けの支援も行います。
 引き続き、感染拡大防止と経済活動の両立に向けた取り組みを進めていきます。

水素リーダー都市プロジェクト
 水素ステーションの写真
水素は利用時に二酸化炭素を排出しない、環境に優しいエネルギーです。
 市は、中部水処理センター(中央区荒津二丁目)で、下水から製造した水素を燃料電池自動車(FCV)に供給する水素ステーションを運営し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めています。※現在、同ステーションは機能強化のため、リニューアルを行っています(今夏再開予定)。
 FCVの普及促進を図るため、民間企業を対象にFCV購入時の費用を助成します。また、給食配送トラックやごみ収集車のFCV化を目指します。







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