福岡市美術館FUKUOKA ART MUSEUMミュージアムへ行こう12月23日(木曜日)~来年2月13日(日曜日)市美術館でゴッホの軌跡をたどる

12月23日(木曜日)~来年2月13日(日曜日)に市美術館(中央区大濠公園)で、各地を遍歴しながら描き続けた画家・ゴッホの生涯を振り返る特別展「ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が開催されます。

◆世界中で愛される画家・ゴッホ
フィンセント・ファン・ゴッホの「種まく人」の写真フィンセント・ファン・ゴッホの「黄色い家(通り)」の写真
 1853年にオランダのズンデルトという小さな村で生まれたフィンセント・ファン・ゴッホは、27歳で画家を志し、33歳の時にパリに渡りました。その後、新天地を求め南仏のアルルに赴き、鮮やかな色彩と激しい筆致の新たな画法にたどり着きます。しかし、画家として大成を目指すも孤独にさいなまれ、心身を病み、サン=レミの療養院に入院しました。
 小康を得たゴッホは、1890年5月に南仏のオーヴェール=シュル=オワーズに移り住み、2カ月間で77点の作品を描きました。アルル時代に描いたシリーズ〈ヒマワリ〉と並ぶ、代表的なシリーズ〈糸杉〉の集大成《夜のプロヴァンスの田舎道》を描いたのもこの時期です。今では誰もがその名を知り、世界中で愛される画家・ゴッホですが、高く評価されるようになったのは、オーヴェールに移り住んだその年の7月に、37歳という若さで非業の死を遂げた後のことでした。

◆ゴッホを見出した収集家・ヘレーネ・クレラー=ミュラー

 ゴッホの没後、彼の作品は、そのドラマチックな人生とともに広く知られるようになります。その立役者の一人が、ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869~1939)です。
 ヘレーネは、36歳の時に美術評論家で教師のヘンク・ブレマーの個人講義を受けて美術の世界にのめり込みました。鉄鋼業と海運業で財を成した夫アントンと共に収集した近代絵画は約1万1千点に上ります。とりわけゴッホの作品とその人生に魅了され、個人としては世界最大となる約270点を収集しました。
 ヘレーネは、作品を後世に伝えるため、美術館設立にも情熱を注ぎました。1938年にオランダ・オッテルローに開館したクレラー=ミュラー美術館には、ゴッホをはじめとする近代の巨匠の傑作が収集され、現在も多くの人々が訪れています。
 本展では、クレラー=ミュラー美術館とゴッホ美術館(オランダ・アムステルダム)のコレクションから、ゴッホの作品52点を展示します。また、ヘレーネが収集した、ミレー、ルノワール、モンドリアンら印象派から20世紀美術まで、幅広い時代の作品20点も併せて展示します。

市美術館・ゴッホ展担当学芸員忠あゆみさんに聞きました
学芸員忠あゆみさんのイラスト画像
 鮮烈な色彩感覚や筆致、そしてその生きざまから、「狂気の画家」ともイメージされるゴッホですが、若い頃は伝道師になろうとしていたことからも分かるように、穏やかで、高い教養を持つ人物だったようです。
 ゴッホの色彩感覚には葛飾北斎ら日本の浮世絵も影響を与えましたが、〈糸杉〉シリーズのエメラルドグリーンや、《種まく人》のブルーなどの決して写実的ではない色使いは、見た物を自分の中で解釈し昇華させた、ゴッホならではのものです。
 市美術館でゴッホ展が開催されるのは、2000年以来21年ぶりです。本展では、ゴッホの代表作とともに、各地を遍歴し描き続けた彼の生涯を振り返り、評価と人気が高まっていく過程も紹介します。
 ゴッホの作品は画集や複製画などでも見ることができますが、色の鮮やかさや輝き、手の動きまで伝わってくるような筆遣いは、実際の作品を見るからこそ、さらに強く感じられるものです。ぜひ作品を間近で見て、ゴッホの魅力を感じてください。
 会期中は、館内でオリジナルグッズの販売のほか、2階レストラン「プルヌス」でゴッホの作品をイメージしたコースメニューなども提供します。
 詳しくは、ホームページ(「福岡市美術館 ゴッホ展」で検索)でご確認ください。

■問い合わせ先/市美術館

電話 092-714-6051

FAX 092-714-6071

ゴッホ展
響きあう魂 ヘレーネとフィンセント


<開催概要> 

【日時】 12月23日(木曜日)~来年2月13日(日曜日)午前9時半~午後5時半(入館は5時まで) 

【場所】 市美術館2階特別展示室 

【休館日】 月曜日、12月30日(木曜日)~1月1日(土曜日・祝)、4日(火曜日)、11日(火曜日)※1月3日(月曜日)、10日(月曜日・祝)は開館。また、市美術館の年末年始休館期間(12月28日~1月4日)のうち、12月28日、29日、1月2日、3日はゴッホ展のみ開催。 

【料金】 一般2,000円、高大生1,300円、小中生800円

※会場内の密集を避けるため、状況により入場制限を行う場合があります。特に土日祝日、1月2日、3日は、ARTNE(アルトネ)チケットオンラインまたはローソンチケットで日時指定チケットの事前購入をお勧めします。
 チケットに関する問い合わせは、西日本新聞イベントサービス(平日9時半~午後5時半 電話 092-711-5491 FAX 092-731-5210)へ。
ゴッホの作品をイメージしたコースメニュー「ゴッホ展スペシャルコース3300円」の写真館内オリジナルグッズの販売。青山デカーポ監修「ゴッホ缶」ビューティーショコラ5個入り1080円


福岡アジア美術館
Fukuoka Asian Art Museum

インド独立75周年・日印国交樹立70周年ヒンドゥーの神々の物語
1月2日(日曜日)~3月29日(火曜日)
古代オリエント博物館、コブウシ土偶の写真
 アジア美術館では、インド文化の基盤となり、あつく信仰されてきたヒンドゥーの神々にまつわる展示を行います。
 古代インダス文明の出土品から、17世紀以降の優美なインド更紗(さらさ)やガラス絵、大衆文化を彩った民俗画、現代アートまで、立体・絵画・印刷物・写真など約500点の貴重な資料・作品を通して、ヒンドゥーの神々のイメージがどのように変わっていったのかを紹介します。
 会期中は、ギャラリートークやワークショップなどを開催するほか、「神様ポスター」などの関連グッズやインドの雑貨等の販売も行います。また、7階のアートカフェでは、インドのまぜご飯「ビリヤニ」(850円)や郷土菓子「ラドゥ」(インドのコーヒー付き・750円)が楽しめます。
 詳しくは、ホームページ(「あじび ヒンドゥー」で検索)でご確認ください。
黒田豊コレクションより「ドゥルガー」の写真(20世紀)福岡アジア美術館所蔵。TKプットゥサミの「ヴィシュヴァールーパ」の写真。(20世紀前半)
<開催概要> 

【日時】 来年1月2日(日曜日)~3月29日(火曜日)午前9時半~午後6時(金・土曜日は8時まで) ※ギャラリー入室は30分前まで 

【場所・問い合わせ】 アジア美術館(博多区下川端町リバレインセンタービル7・8階)

電話 092-263-1100

FAX 092-263-1105 

【料金】 一般200円、高大生150円、中学生以下無料 

【休館日】 水曜日※2月23日(水曜日・祝)は開館、24日(木曜日)は休館。

福岡市博物館
Fukuoka City Museum

創業200周年記念 フィンレイソン展
―フィンランドの暮らしに愛され続けたテキスタイル―

1月15日(土曜日)~2月27日(日曜日)
タンペレ歴史博物館所蔵のライナ・コスケラ作、「エレファンティ(象)」。寝具用生地(1969年の作品)タンペレ歴史博物館所蔵のアヌ・サーリの2006年の作品。「アヤトス(思考)」生地。
 市博物館では、北欧・フィンランドで最も歴史あるテキスタイルブランド「フィンレイソン」の展覧会を開催します。
 フィンレイソンは、1820年の創業以来、良質でおしゃれなデザインのカーテンや寝装具などを製作し、フィンランドの家庭で長く愛用されているブランドです。世界的キャラクター・ムーミンの柄の生地製作等に取り組むなど、伝統を守りながらも常に新しいものを追い求め、日本でも人気を博しています。
 本展では、創業当時の見本帳や製品などの貴重な資料のほか、1900~2000年代の代表的なデザインの布や原画等を一挙に公開。200年にわたり北欧の暮らしに根差し、愛されてきたテキスタイルブランドの魅力を伝えます。
 会場では、オリジナルグッズなども販売します。詳しくは、ホームページ(「福岡市博物館 フィンレイソン展」で検索)をご覧ください。

<開催概要> 

【日時】 来年1月15日(土曜日)~2月27日(日曜日)午前9時半~午後5時半※入館は閉館の30分前まで 

【場所】 市博物館(早良区百道浜三丁目) 

【問い合わせ】 福岡会場事務局(東映)

電話 092-532-1081

FAX 092-532-1090 

【料金】 一般1,300円、高大生1,000円、小中生600円※中学生未満は保護者同伴 

【休館日】 月曜日

岡市科学館
FUKUOKA CITY SCIENCE MUSEUM

小惑星探査機
「はやぶさ2」帰還カプセル特別公開
1月28日(金曜日)~2月1日(火曜日)
はやぶさ2の帰還カプセル、背面ヒートシールドの実物の写真
 市科学館では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還カプセルなど6点を5日間限定で無料公開します。地球に帰還した本物のカプセルが見られる貴重な機会です。
 打ち上げから6年、約52億kmにわたる宇宙の旅を経て、「はやぶさ2」は小惑星リュウグウで採取したサンプルが入ったカプセルを、昨年12月にオーストラリアの砂漠に着陸させました。現在、この貴重なサンプルを基に、地球が生命惑星となったプロセスの解析が進められています。
 帰還カプセルの展示に合わせ、館内で関連企画を実施します。5階基本展示室内では、「はやぶさ2」のミッションの軌跡を紹介するパネル展示や、帰還カプセルの付属品の展示のほか、宇宙の楽しさが体感できるテーブルサイエンス等を行います(要基本展示室入場券)。
 また、6階ドームシアター(プラネタリウム)では、『はやぶさ2 太陽系の起源をさぐる大いなる冒険』を特別投映します。料金など詳細は、ホームページで確認を。
地球上空を飛行している「はやぶさ2」の写真
<開催概要> 

【日時】 来年1月28日(金曜日)~2月1日(火曜日)午前9時40分~午後8時(各回20分・20回に分け公開)※特別公開につき通常の開館時間と異なります。 

【場所・問い合わせ】 市科学館3階企画展示室(中央区六本松四丁目)

電話 092-731-2525

FAX 092-731-2530 

【料金】 無料 

【定員】 各回50組(1組2人まで) 

【申し込み】 12月15日(水曜日)正午からホームページ(「福岡市科学館」で検索)で先着で受け付け。

各ミュージアムからのプレゼント
プレゼントグッズの写真
<1>市美術館「ゴッホ展」チケット(ペア3組)<2>アジア美術館「ヒンドゥーの神々の物語」チケット(ペア5組)<3>市博物館「フィンレイソン展」チケット(ペア5組)<4>市科学館「はやぶさ2」ナノブロックとマグネットのセット(3人)。
 はがきに、希望するプレゼントの番号(<1>~<4>)と、住所・氏名・年齢、「来年やってみたいこと」を書いて、12月20日(必着)までに広報課「ミュージアムプレゼント」係(〒810-8620市役所10階)へ。当選者に12月25日ごろプレゼントを発送します。



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