SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS誰一人取り残さない「持続可能」な未来へSDGsについて考えてみよう

地球上の誰もが安心して暮らし続けるための国際目標「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」への取り組みが、世界中で進んでいます。SDGsを達成するための市の取り組みや、私たち一人一人が実践できるSDGsを紹介します。

●SDGsって何だろう

今、私たち人類は、台風・洪水・干ばつなどの異常気象や、感染症、経済格差、紛争など、さまざまな課題に直面しています。このまま何の対策も講じなければ、私たちは安心してこの地球で暮らし続けることができなくなるかもしれません。
 そんな危機感から、世界中のさまざまな立場の人々が話し合い、課題を整理し、解決方法を考え、2030年までに達成すべき17の国際目標を立てました。それが、2015年の国連サミットで加盟国193カ国の全会一致で採択された「SDGs(Sustainable(サステナブル) Development(デベロップメント) Goals(ゴールズ) =持続可能な開発目標)」です。

●続けていくこと

SDGsは、一つしかないこの地球で、誰一人取り残されることなく、安全・安心に暮らし続けることができる世界を目指しています。
 どんなに優れた取り組みでも続けていくことができなければ意味がありません。SDGsは、サステナブル(持続可能)な世界を実現するために、進むべき方向性を示した「道しるべ」のようなものです。

●福岡市の取り組み

市は、多くの市民の皆さんと共に策定した「福岡市総合計画」に基づき、経済的な成長と安全・安心で質の高い暮らしのバランスが取れたコンパクトで持続可能な都市づくりを進めることで、SDGsの達成に向けて取り組んでいます。
 また、上下水道や環境の分野など市の強みを生かしながら、国連ハビタット福岡本部との連携やアジア太平洋都市サミットなどを通じて、アジア諸都市のSDGsの達成にも貢献しています。

●SDGsと私たちの暮らし

SDGsの目標は、環境に関することだけでなく、教育や産業、福祉など幅広い分野にわたります。全ての人に思いやりを持ち、困っている人に声を掛けることも、SDGsの達成につながります。そのためには、行政や企業等の団体、そして私たち一人一人の行動が大切です。

▽家事などの役割分担は、性別にかかわらずみんなで協力する▽定期的に健康診断やがん検診を受ける▽マイバッグを持参し、レジ袋は使わない▽菓子箱などの雑がみもリサイクルに―など、私たちにできることはたくさんあります。

●出前講座でSDGs

市は、地域や学校、会社などを職員が訪問し、市の取り組みや暮らしに役立つ情報について話す「出前講座」を行っています。
 「SDGs(持続可能な開発目標)について」「環境とSDGs~未来のために今できること~」など、SDGsに特化した講座だけでなく、市が行う全ての出前講座のテーマが何らかのSDGsのゴールにつながっています。出前講座を受けることも、私たちが始められる小さなSDGsへの取り組みです。
 出前講座の内容や申し込み方法は、市ホームページ(「福岡市出前講座」で検索)で確認するか、広聴課(電話 092-711-4067 FAX 092-733-5580)にお問い合わせください。 
 市のSDGsへの取り組みについては、市ホームページ(「福岡市 SDGs」で検索)で詳しく紹介しています。

■問い合わせ先/企画調整部

電話 092-711-4093

FAX 092-733-5582

SDGsが掲げる17の国際目標
SDGsが掲げる17の国際目標のイメージ画像
SDGsには、17の目標が掲げられ、次のような世界共通のマークで表現されています。
<1>貧困をなくそう <2>飢餓をゼロに <3>すべての人に健康と福祉を <4>質の高い教育をみんなに <5>ジェンダー平等を実現しよう <6>安全な水とトイレを世界中に <7>エネルギーをみんなにそしてクリーンに <8>働きがいも経済成長も <9>産業と技術革新の基盤をつくろう <10>人や国の不平等をなくそう <11>住み続けられるまちづくりを <12>つくる責任つかう責任 <13>気候変動に具体的な対策を <14>海の豊かさを守ろう <15>陸の豊かさも守ろう <16>平和と公正をすべての人に <17>パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの円形のロゴの画像。17の目標が一つになり、統合している様を太陽のような形状で表しています。

SDGsで「楽しい循環生活」を
ローカルフードサイクリング
代表・たいら由以子さん(55)の話

写真:ローカルフードサイクリングの代表、たいら由以子さん
26年前、がんの告知を受けた父のために、無農薬野菜を探しました。当時、市内では販売している所は少なく、「安全な野菜を手に入れるには自分で作るしかない」と思い立ち、良い土で野菜を作るために行き着いたのが、生ごみや落ち葉を分解し堆肥化させる「コンポスト」でした。
 食事療法で、父は宣告より2年も長く生きることができました。食べることは生きることにつながると強く感じ、以来20年以上にわたりコンポストの普及に関わる仕事を続けています。
 近年、本来食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」が問題になっています。食べ物を捨てることは、その食材そのものだけではなく、例えばそれを作るためにかかった家畜の餌や水、育てた人の手間までも捨ててしまうことになります。
 生ごみも、その9割は水分です。そのまま燃えるごみとして出してしまうと燃えにくくなり、多くの二酸化炭素も発生します。でも、その生ごみをコンポスト容器に入れれば、土の栄養に生まれ変わり、命を循環させることができます。
 人類の進化に伴って、土は痩せ、海には分解できないものがたくさん流れ着いています。地球が何億年もかけて育んだ自然が破壊されようとしているのです。今からでも遅くはありません。自分たちの暮らしに身近な範囲から、楽しく、健康になれる「循環生活」を始めてみませんか。続けていくことで、命を循環させることの大事さや自然の力を感じてもらえると思います。
写真:たいらさんが独自の配合で開発した「LFコンポスト」。内袋とバックにはペットボトル再生素材を使用しています。

私たちの暮らしを支える自然の恵み豊かな博多湾を未来へ
私たちの暮らしは、自然の恵みに支えられています。
 森は、きれいな空気と豊かな水を生み出し、雨を土壌に保水することで水害などから私たちを守ってくれます。また、森から流れ出す水が河川を通り、海へと運ばれることで、多様な生き物が生育する豊かな環境がつくられていきます。

●博多湾NEXT会議

豊かな博多湾の環境を未来の世代に引き継いでいくために、4年前に「博多湾NEXT(ネクスト)会議」が設立されました。
 市民の皆さんや市民団体、漁業関係者、企業、学校と市が連携・共働し、「アマモ場」づくり活動を中心に、博多湾の環境保全・創造活動や、博多湾の魅力発信に取り組んでいます。
 同会議のメンバーで、海を守るための活動を行う「ふくおかFUN(ファン)」代表の大神弘太朗さん(36)に聞きました。
写真:「博多湾は、160万人みんなの意識でもっと美しい海になります」と話す「ふくおかFUN(ファン)」代表の大神弘太朗さん
 博多湾に初めて潜ったとき、都会の人工海浜である地行浜の岸からわずか数メートルの場所で、最初に見つけた生き物がアマモの小さな群落でした。アマモは「海のゆりかご」と呼ばれ、生き物を育む役割と、二酸化炭素を吸収・固定する機能を持っています。アマモを増やせば、生き物ももっと増えるのではないかと、アマモ場づくり活動を続けています。福岡の素晴らしい海を未来に残していくために、私たちにできることを一緒に考えましょう。
写真:アマモに産み付けられたイカの卵
●「博多湾ブルーカーボン・クレジット」を購入しませんか
 博多湾内の天然のアマモ場から採取した種子をポットで育て、植え付けをしている皆さんの集合写真
アマモや海藻など海の植物が光合成で吸収した二酸化炭素のうち、分解されずに長期間貯留される炭素を「ブルーカーボン」といいます。陸域の森林等が吸収する炭素「グリーンカーボン」と同様に、気候変動対策として世界的に注目されています。
 市は、博多湾の藻場で吸収された二酸化炭素の吸収量をクレジット化した「博多湾ブルーカーボン・クレジット」を販売します。クレジットの販売収益は、博多湾NEXT会議のアマモ場づくり活動などに活用されます。クレジットを購入することで、博多湾の環境保全・創造の取り組みに貢献できます。
ブルーカーボンとグリーンカーボンの模式図
 募集期間は、11月1日(月曜日)~12月24日(金曜日)です。販売数量や料金など詳しくは、市ホームページ(「博多湾 ブルーカーボン」で検索)でご確認ください。
 このほか、「ふくおか応援寄付」のメニュー「海のゆりかご・アマモ場づくり活動」への寄付でも、博多湾の環境保全活動を応援することができます。詳しくはお問い合わせください。

■問い合わせ先/みなと環境政策課

電話 092-282-7178

FAX 092-282-7771


博多湾市民シンポジウム開催(オンライン)
【日時】 10月20日(水曜日)午後4時半~6時半 

【料金】 無料
 
博多湾で環境保全活動を実施している団体や海洋生物の専門家を招き、オンライン形式でシンポジウムを開催します。
 博多湾NEXT会議会員によるアマモ場づくり活動や、博多湾の魅力、ブルーカーボンに関する情報などを発信します。
 また、令和2年度にクレジットを購入した企業の脱炭素社会の実現に向けた取り組みについても紹介します。
 視聴方法など詳しくは、みなと環境政策課にお問い合わせください。

ラブアース・クリーンアップ
海洋ごみ削減のために~
写真:東区志賀島海岸で一昨年行われた一斉清掃イベントの様子
プラスチックなど海洋ごみの約8割は、私たちが暮らすまちで発生し、川を通って海へ流れ込んでいます。
 「ラブアース・クリーンアップ」は、市民・企業・行政が協力し、海岸や河川、公園等を一斉に清掃する地域環境美化活動です。感染症対策のため、今年度は一斉清掃イベントは実施しませんが、個人や企業・地域団体等のグループが行う清掃活動に対し、ごみ袋の配布や、ごみの収集などの支援を行います。
 ごみは正しく分別し、ポイ捨てはやめましょう。一人一人ができることから始めて、みんなで海洋ごみを減らし、豊かな自然を守りましょう。詳しくは、市ホームページ(「福岡市 ラブアース」で検索)で確認するか、家庭ごみ減量推進課(電話 092-711-4039 FAX 092-733-5907)へ。

市科学館でSDGsを楽しく学ぼう

【場所・問い合わせ】 市科学館(中央区六本松四丁目)3階連携スクエア

電話 092-731-2525

FAX 092-731-2530 

【料金】 無料 

【開館時間】 午前9時半~午後6時 

【休館日】 火曜日(祝休日の場合は翌平日)
 写真:五つのブースが並んでいる様子写真:スギの集成材や段ボールの遊具で遊んでいる様子写真:タッチパネルで遊びながら自然にSDGsについて学んでいる様子
市科学館の連携スクエアで、「再生可能エネルギー」「環境に優しい天然ガス」「九州を走る省エネ車両」など、福岡の地元企業の技術の特性やSDGsへの取り組みについて、体験型の展示で遊びながら学ぶことができます。
 同館広報担当の板垣早織さんは「科学や技術の進歩について理解することはSDGsの目標達成への第一歩です。市科学館では今後もSDGsをテーマにしたイベント等を実施していきます」と話しています。
「7番、エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「9番、産業と技術革新の基盤をつくろう」「11番、住み続けられるまちづくりを」「12番、つくる責任 つかう責任」のタイトル画像
 市科学館のイベントなど詳しくはホームページ(「福岡市科学館」で検索)をご覧ください。






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