ふくおかの自然の恵みと郷土料理

海と山に囲まれた自然豊かな福岡市は、海の幸、山の幸に恵まれ、食がまちの魅力の一つです。市は、身近で生産された物を地域で消費する「地産地消」の取り組みを進めています。自然の恩恵や生産者に感謝し、地元で取れる新鮮な食材を使った料理や商品を食べましょう。

 市内では、福岡ブランドのイチゴ「博多あまおう」や春菊、トマトをはじめ、西区北崎の大根やスイカ、能古島(のこのしま)や志賀島(しかのしま)の甘夏など、たくさんの新鮮な野菜や果物が生産されています。
 また、昭和天皇の即位の際に献上されたことで知られる、早良区の脇山米も有名です。他にも11月ごろから3月ごろまで楽しめる西区の「唐泊恵比須(からとまりえびす)かき」や、やわらかくておいしい博多和牛など、福岡ならではの食材があります。
唐泊恵比須かき博多和牛市内産の野菜や果物直売所で販売されている市内産野菜

■ ふくおかさん家(ち)のうまかもん

市は、市内で生産された農林水産物および、その加工食品を「ふくおかさん家のうまかもん」として応援しています。
 「ふくおかさん家のうまかもん」を販売、または材料に使った食品を提供する市内の飲食店・小売店・直売所など828店舗(6月末時点)を認定し、支援を行っています。店舗情報や市内産の食材を使ったメニューなどを市ホームページ(「福岡市 ふくおかさん家のうまかもん」で検索)で紹介しています。
 「ふくおかさん家のうまかもん」を買って、食べて、「福岡の食」をお楽しみください。

●認定店を募集します
「ふくおかさん家のうまかもん」認定店には、市ホームページでの紹介のほか、PRグッズの進呈など、販売促進の支援を行います。申し込み方法など、詳細は市ホームページでご確認ください。

■ 生産者の声
田中智哉さんの写真
志賀島(東区)でイチゴを生産する田中智哉さん(46)に話を聞きました。
 6年前、サラリーマンを辞め自然豊かな志賀島でイチゴ農園を始めました。現在1万3000苗のイチゴを栽培しています。志賀島の自然に育まれた大粒のあまおうのおいしさには、自信を持っています。
 サラリーマン時代に培った商品開発や販路開拓の経験を生かし、「苺(いちご)の実アイス」を開発しました(下記参照)。アイス製造先との打ち合わせから販路開拓まで、市の担当者等のサポートを受けながら行っています。今は外注先で製造していますが、将来は志賀島に自社工場を設けて、オリジナル商品を販売したいと思っています。
 志賀島で農業を始めたきっかけは、後継者不足で農地を使っていない農家の皆さんとの出会いでした。今でも農家の皆さんは、農作業の手伝いやアドバイスをしてくれます。今後は私自身の経験を生かし、若い人たちの力になりたいと思います。
「生産は天気との勝負です」と話す田中さんの写真
■問い合わせ先/農業振興課 電話 092-711-4852 FAX 092-714-4033

「ふくおかさん家のうまかもん」ロゴマーク
 市で取れる海の幸や山の幸「稲穂、カブ、タイ、イチゴ、カキ」を詰め込み、「うまかもん」がぎゅっと詰まっているイメージを表現しました。豊作・豊漁や、たくさんの皆さんに「福」を招くという願いが込められています。

ふくおかさん家のお気に入り
市は、市内産の新鮮でおいしい農水産物を使った商品の開発支援を行い、「ふくおかさん家のお気に入り」として認定しています。詳細は、ホームページ(「ふくおかさん家のお気に入り」で検索)に掲載しています。「ふくおかさん家のお気に入り」の中から、夏にぴったりの冷たいデザートを紹介します。

●脇山ジェラート
煎茶と白米のジェラート
脇山の農産物をふんだんに使ったジェラートで、日本で最も古いお茶といわれる脇山の煎茶、白米、ブルーベリーの3種類があります。価格は1,500円(ファミリーパック500ml)で、博多じょうもんさん入部市場(早良区東入部六丁目)等で販売しています。

●苺の実アイス
苺の実アイス「バニラ」
志賀島で作られた大粒で新鮮なあまおうを冷凍し、バニラ、イチゴミルク、チョコのアイスクリームを詰めた3種類があります。価格は1個350円で、志賀島内の商店等で販売しています。
 また、農家の皆さんとの商品開発プロジェクトや商品への思いなどを紹介しています。詳細は、ホームページ(「福岡市スリーエフ」で検索)をご覧ください。

郷土料理で健康な毎日を
市は、福岡の豊かな農林水産物を日々の食事に取り入れながら食を楽しみ、福岡の郷土の伝統や食文化を継承・発展させ、食を通じた健康づくりを進めていくための「食育」を推進しています。
 福岡市には、地元で採れた新鮮な食材を使った郷土料理が古くから受け継がれています。福岡の伝統や文化を継承する郷土料理を、家族や仲間と一緒に楽しんでみませんか。

■ 知っとう?「あちゃら漬け」
博多雑煮がめ煮おきゅうとだぶ
福岡で広く親しまれている郷土料理には、学校給食の献立にも取り入れられている「がめ煮」や「だぶ」のほか、「博多雑煮」「おきゅうと」、そして夏場によく食べられる「あちゃら漬け」があります。
 あちゃら漬けは、旬の野菜を奇数の種類準備し、赤トウガラシを加えた甘酢でさっと煮て漬け込んだ料理です。奇数は喜ぶ数と書いて「喜数」と呼ばれるなど縁起が良いとされ、お盆のお供えやお盆参りの客のために用意されてきました。
 「あちゃら」の語源は、ポルトガル語で「漬ける」を意味する「アチャール」からという説や、外国から来た食べ物という意味で「あちらから」だとする説など、諸説あります。

■ 健康にもいいあちゃら漬け
宅間真佐代さんの写真
あちゃら漬けの健康への効果や栄養価について、純真短期大学食物栄養学科教授の宅間真佐代氏に話を聞きました。
 あちゃら漬けは酢漬けの一種で、旬の野菜を刻み、酢、砂糖、塩に赤トウガラシを加えた甘酢で煮て漬けたものです。
 酢が持つ酸味には、塩味との相互作用があります。酢の酸味が塩味を引き立ててくれるので、塩分が少なくても十分おいしく、健康的に塩分を減らすことができるのです。
 また、酢は腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やし、腸内環境を整え、免疫力をアップして身体を守ってくれます。
 野菜には食物繊維が多く含まれています。食物繊維は、食事性血糖値の急激な上昇を抑制します。さらに食物繊維には栄養素を包み込む作用があり、消化吸収を穏やかにしてくれるため、肥満予防の効果も期待されています。
 そのほか、食物繊維は血清コレステロール値の上昇を抑え、動脈硬化の予防にも役立ちます。
 旬の食材には体を整える効果があるとされています。旬の野菜を使って手軽に作れるあちゃら漬けは、四季を通して食べていただきたい料理の一つです。冷蔵庫で保存ができますので、作りおきして常備菜としてご活用ください。
野菜をピーラーで帯状にスライスしたアレンジレシピ「リボンあちゃら漬け」

■ この夏ぜひ食べたいあちゃら漬け

市は、あちゃら漬けをもっと多くの人に知ってもらおうと、普及キャンペーンやオンライン家族料理教室など、さまざまなイベントを開催しています。
 この夏は「あちゃら漬け」を食べて、毎日を健康に過ごしましょう。
 市の食育への取り組みについて詳しくは、市ホームページ(「福岡市 栄養・食育の部屋」で検索)をご覧ください。

■問い合わせ先/健康増進課 電話 092-711-4374 FAX 092-733-5535

あちゃら漬けを作ってみよう
基本レシピ(4人分)
あちゃら漬けの写真
●具材と下ごしらえ
 ・レンコン1/2節…皮をむいて、いちょう切りして酢水にさらす
 ・ゴボウ1/2本…皮を包丁の背でこそげ取り、斜め薄切りにして酢水にさらす
 ・板コンニャク1/4枚…短冊切り
 ・キクラゲ(乾燥)4g…水で戻して細切り
 ・ナス1/2本…厚めの拍子木切り
 ・ニンジン1/2本…短冊切り
 ・ショウガ1片…皮をむいて千切り
 ・赤トウガラシ1本…輪切り

●漬け汁
 ・だし120ml
 ・酢120ml
 ・砂糖大さじ4
 ・塩ふたつまみ
 ・薄口しょうゆ小さじ1
《作り方》
 <1>ニンジン、ゴボウ、レンコンを好みの硬さにゆでる。
 <2>漬け汁を沸かし、具材を加えて強火でさっと煮る。
 <3>粗熱が取れたら漬け汁ごと冷蔵庫で冷やす。
 ※耐熱のビニール袋に入れて空気を抜いて冷やすと、より味が染み込みます。
基本レシピ以外にも、キュウリ、オクラ、トマトなど、好きな野菜を使って作ってみてね

もっと知りたい!あちゃら漬け
健康増進課公式インスタグラムのイメージ画像
健康増進課公式インスタグラム「いくちゃんねる福岡市(@ikuchannel_fukuokacity)」で、管理栄養士が作成した「かんたん野菜レシピ」や福岡の郷土料理をはじめ、健康・食育情報を紹介しています。
 このほか、「クックパッド(いくちゃんねる福岡市)」や市の動画配信サイト「福岡チャンネル」でも分かりやすく作り方を紹介しています。
 詳しくは、市ホームページ(「福岡市 栄養・食育の部屋」で検索)をご覧ください。
 また、市ホームページには、あちゃら漬けを提供する店やレシピを紹介する店など、市内で「あちゃら漬けに出会える店」を掲載しています。






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