豊かな自然に恵まれた福岡は、多くの新鮮な食材が手に入ります。
また、古くから大陸との交流が盛んだったことから、相手に学び、地元の食材でもてなす気質が育まれました。
福岡の豊かな「食」は、多くの人を引き付ける魅力の一つです。
代表的な郷土料理「水たき」は、長崎・島原出身の若者が香港に渡った時、西洋料理と中華料理の鳥のスープをヒントに考案し、明治時代に市内で初めて出されました。
「もつ鍋」は、もつ肉とニラをアルミ鍋でしょうゆ味に炊いたもので、戦後、朝鮮半島から来て炭鉱で働いていた人たちが作り始めたそうです。
締めのちゃんぽんは、天神にあるもつ料理店の大将が、兼業していた中華料理店のちゃんぽん玉を拝借して鍋に入れたのが始まりです。
滋味あふれる「おきゅうと」は、海藻の「エゴノリ」が原料で、江戸時代に編さんされた『筑前国産物帳』に「うけうと」として紹介されています。
以前は早朝に売り歩く行商人の声が町に響くほど、朝食には欠かせない物でした。
「博多の台所」として親しまれている「柳橋連合市場(春吉一丁目)」は、大正半ばに鮮魚商が大八車に積んだ魚を売り出したのが始まりです。
鮮魚や海産物をはじめ、肉、野菜、和菓子などの専門店が並び、プロの料理人や一般の人も自由に買い物できます。
気さくな店主から料理法を学んだり、値段交渉したりする楽しみもあります。