福岡城の中にある国史跡の鴻臚館は、7世紀後半~11世紀前半の約400年間、大宰府の外交を担った客館の遺構です。
鴻臚館は、唐や新羅から来た使節や商人をもてなす迎賓館や、遣唐使や遣新羅使の宿泊所として使われました。
鴻臚館は、平安京(京都)と難波(大阪)にも置かれていました。
遺構は昭和62(1987)年に、平和台球場の改修工事に伴う発掘調査で発見されました。
奈良・平安時代の瓦が大量に発見され、谷を挟んで北と南に瓦葺きの建物があったことが分かりました。
新羅や唐、イスラムの陶器や、ペルシャのガラスの器など、国際色豊かな品々が発掘されています。
古代のトイレも国内で初めて発見されました。
北館側で見つかった二つのトイレは、いずれも深さ約4メートルの穴を掘り、その上に板を渡して使用したようで、そこからは大量の棒切れ「籌木(ちゅうぎ)」も出土しています。
紙が貴重だった当時は、木を細いへら状にして「トイレットペーパー」として使っていたと考えられます。
魚や獣の骨、植物の種なども見つかっていることを考えると、トイレは食習慣が異なる外国人と日本人が別々に使っていたのかもしれません。
「鴻臚館跡展示館」には、建物の一部を実物大に復元したものや、出土した陶磁器などが展示されています。
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鴻臚館跡展示館
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