安全・安心・ふくおか市
みんなの笑顔があふれるまちへ

春は、入学や就職、引っ越しなどで環境が変化する人も多い季節です。毎日を安心して過ごせるよう、「防犯」や「交通安全」について改めて考えてみませんか。

 犯罪の傾向や、子どもたちを守るための市の取り組みなどについて、防犯・交通安全課の小畑和彦課長に話を聞きました。
小畑和彦課長
 ●コロナ禍の犯罪傾向
 福岡市の刑法犯認知件数は、令和元年が1万4043件、昨年令和2年は1万798件に減少しました。犯罪件数は、全国的にも減少傾向が見られます。これは、新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増え、空き巣や街頭犯罪が減ったことが要因と考えられます。
 ただし、福岡市では詐欺、横領などの知能犯が前年の389件から468件と大幅に増加しています。昨年末には、約2千万円をだまし取られるという事件も発生しました。
 また、窃盗犯は大幅に減っているものの、就寝中に住居に侵入する「忍び込み」は、前年の52件から57件に増えています。その被害の多くは、無施錠によるものでした。油断しがちな2階のベランダや、一見入りにくそうなトイレの窓からも犯人は侵入してきます。在宅時間が増え、家にいるからと安心せずに、しっかり鍵を掛けましょう。
忍び込み居空き
 ●自転車の安全利用を
 コロナ禍で人との接触を避けるため、通勤などに自転車を利用する人が増えました。宅配サービスの自転車も、街中でよく見掛けます。
 自転車は便利な乗り物ですが、時として危険な乗り物にもなり得ます。自転車の通行は、車道が原則。歩道は歩行者優先です。先を急ぐあまり、危険な運転をしていませんか。走行ルールを守り、人に優しい運転を心掛けてください。
 ●子どもたちを交通事故や犯罪から守るために
 歩行中の交通事故死傷者数を見ると、子ども関連の事故では、7歳児が最も多くなっています。新一年生はまだ交通ルールに慣れていない上に、初めて一人で行動する機会も増えます。入学前に、通学路などを子どもと一緒に歩いて、危険な箇所や交通ルールを教えてあげましょう。
 児童を交通事故から守るために、市は毎年新一年生に黄色い帽子とランドセルカバーを配布しています。
黄色は遠くからでも目立ち、ドライバーが最も認識しやすい色
 また市は、子どもたちの安全確保を強化するために、「IoT」を活用した子ども見守りサービスを全ての市立小学校で開始しました。
 みんなで、福岡市を安全・安心なまちにしていきましょう。

IoTを活用した子ども見守りサービス
 子どもたちの安全は、防犯パトロールカー(青パト)や登下校時の見守りなど、地域の皆さんの活動に支えられています。今後高齢化が進み、共働き家庭が増えて、子どもたちを見守る人が減ってしまったとしても、それを補い、さらに強化できるよう、市はIoTを活用した子ども見守りサービスを開始しました。
 福岡市立小学校に通う全児童を対象に、見守り端末機「オッタバイ」を順次配布し、今年(2021年)1月末から全151校でサービスを実施しています。市内約2800の固定基地局(見守りポイント)を児童が通過すると、その情報が検知されます。今後は私立小学校等にもサービスを広げ、基地局も3000を目標に増やしていきます。
見守り端末機「オッタバイ」
 サービスの利用には、スマートフォン等での登録(無料)が必要です。万が一子どもが行方不明になった場合には、取得された位置情報が警察に提供され、捜査に大きく役立ちます。保護者の皆さんは、子どもたちの安全のために、小学校で配布された端末機を登録してください。
 また、市民の皆さんも、スマホを使って子どもたちの見守りに参加することができます。「見守り人アプリ」(無料)を入れることでスマホが移動式の基地局になり、さらに細かく位置情報を検知できるようになります。
 ※児童の個人情報がスマホに記録されることはありません。
 市内全域にこの見守りサービスが広がることで、「福岡市の児童は見守られている」と印象付けることができ、犯罪の抑止にもつながります。
見守りサービスのイメージ

子どもたちを見守る
最終回 IoTによる見守りサービス
 昨年(2020年)6月から「オッタバイ」を使ったIoTによる見守りサービスを活用している田島小学校(城南区)で話を聞きました。
写真左から岡さん、才守校長
才守美穂校長
 田島校区では、登下校の見守りや青パトによる防犯パトロールなどで、地域の皆さんが子どもたちを守ってくださっています。これにIoTによる見守りが加わり、保護者の皆さんも積極的に登録しています。緊急事態が発生したとき、たとえ人が見ていなくても子どもが基地局を通過した情報は検知され、県警とも連動します。いざというときの安心感につながりますので、登録をお勧めします。

保護者・岡 園子さん
 夫婦でアプリに登録しています。有料サービスにも登録しているので、小2の子どもが通学路にある4カ所の基地局を通るたびにスマホにお知らせが届き、仕事中でも家に帰ってきているのが分かって安心です。毎日便利に使っていますが、市公式のLINE(ライン)から発信される防犯情報で近隣で起きた事件や不審者情報を知ると、気を引き締めなければ、と思います。今後一人で習い事などに通うようになると、市内全域で見守ってくれるこのサービスがさらに役立ちそうです。

安全・安心なまちを目指して
 犯罪や交通事故のない安全なまちをつくるために、市は地域の実情や特性を踏まえた施策を行っています。一人一人が防犯や交通安全への意識を高め、みんなで住みよいまちにしていきましょう。
 ■2面・3面の問い合わせ先/防犯・交通安全課 電話 092-711-4054 FAX 092-711-4059

LINEで防犯情報を配信しています
(アカウント名:福岡市 LINE ID:@fukuokacity)
 犯罪に巻き込まれないために、今何が起きているのかを知り、備えることから始めましょう。
●防犯・交通安全情報を知ろう
 福岡市LINE公式アカウントの「防犯・交通安全」のカテゴリーで、福岡県警の防犯メール「ふっけい安心メール」で配信される緊急事案をお知らせしています。ニセ電話詐欺事案、交通安全情報、不審電話・不審者情報などがトーク画面に配信されます。
情報受信イメージ

悪質な客引き行為を防ぐために
~防犯カメラを活用しスピーディーに対応~
 市は、繁華街での悪質な客引き行為の抑制のために、天神や博多駅周辺などに「客引き対策指導員」を配置しています。
 指導員は、市が設置した防犯カメラの映像をリアルタイムで確認します。悪質な客引き行為を発見すると、直ちに街頭で巡回中の指導員を現地に向かわせるなど、防犯カメラを活用した効果的な指導・注意喚起を行っています。
客引き対策指導員
街頭防犯カメラの設置を補助します
 自治会や町内会などの団体が、街頭防犯カメラを設置する際の費用の一部を助成します。
 次回(令和4年度設置分)の募集期間は2021年4月1日~6月30日です。補助金の交付には条件があります。詳しくは福岡市ホームページ(「福岡市 街頭防犯カメラ」で検索)をご覧ください。

「電話でお金」は全て詐欺です
~不審な電話にご注意ください~
 電話でお金の話をするのは、全て詐欺です。身に覚えのない電話やメールは無視しましょう。少しでも「怪しい」「おかしい」と思ったら、迷わず最寄りの警察等に相談を。

ワクチン接種をかたる不審電話にご注意ください
 「新型コロナウイルスのワクチン接種のために予約金が必要」などとかたり、金銭や個人情報をだましとろうとする電話に関する相談が寄せられています。市区町村等の職員が電話をして、ワクチン接種のために金銭や個人情報を求めることはありません。
 困ったときは一人で悩まず、消費者ホットライン「188」に電話でご相談ください。
 <相談例>
 ▽「ワクチンが接種できる。後日返金されるので10万円を振り込むように」と電話があった
 ▽自治体を名乗って「ワクチン接種に2万円かかります。書類を送ります」と電話があった

こんな事件も起きています
 昨年(2020年)12月、中央区在住の高齢者の携帯電話に「利用料金の未納があり、支払わなければ裁判になる」などのメールが届きました。
 その後、会社員を名乗る男から電話で「あなたの携帯電話が原因で旅行会社等のパソコンがウイルスにかかった」「訴訟になっているので和解金を支払う必要がある」などと言われ、現金や電子マネーなど1,890万円をだまし取られました。

「出前講座」をご利用ください
 講師が地域や学校、職場等に出向き、防犯や交通安全についての出前講座を行います。また、交通安全教育用DVDの貸し出しも行っていますので、ぜひご活用ください。
 いずれも料金は無料です。詳しくは、防犯・交通安全課へ。

交通事故をなくそう

 昨年(2020年)の県内の交通事故発生件数は2万1,495件(前年比-5,441件)、負傷者数は2万7,575人(前年比-7,502人)、死者数は91人(前年比-7人)と減少傾向にあります。さらなる減少に向け、歩行者・ドライバーともに交通安全に努め、悲惨な交通事故を未然に防ぎましょう。

歩道は歩行者優先です
 自転車は道路交通法で車両と見なされ、違反すると法律により罰せられることがあります。
 自転車は車道の左側を走行するのが原則です。例外として歩道の走行が認められている場合も、自転車は車道寄りを徐行しましょう。歩道は歩行者優先です。

自転車用ヘルメットの着用を
 市は、中学生以下の子どもが自転車を利用する際にヘルメットを着用するよう、条例に定めています。
 自転車事故の死因は頭部損傷によるものが多く、ヘルメット非着用時の致死率は着用時に比べて約2.4倍高くなっています。子どもはもちろん、高齢者にもヘルメット着用を勧め、大切な家族を守りましょう。

後部座席もシートベルトを忘れずに
 運転席や助手席だけでなく、後部座席にもシートベルトの着用が義務付けられています。後部座席でシートベルトを着用していなかった人が交通事故に遭った場合、致死率は着用者の約3.3倍といわれています。

交通安全を学ぶ
ふっけいコアセンター
 場所 南区花畑四丁目 福岡自動車運転免許試験場内 問い合わせ 県警察本部交通企画課 電話 092-641-4141 メール kotsukikaku@police.pref.fukuoka.jp 料金 無料 開館時間 平日午前10時~11時、午後1時半~2時半
 交通安全について楽しく学べる施設です。シミュレーターやVR(仮想現実)等を使って道路での危険を疑似体験できるほか、飲酒体験ゴーグル、俊敏性測定器などを備えています。
 また、地域・企業・学校等を対象に、さまざまな講習も行っています(要予約)。詳しくはホームページ(「ふっけいコアセンター」で検索)で確認を。






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