東区には、東区の歴史や文化、伝統を多くの人に伝え、魅力を再発見してもらおうと、「東区歴史ガイドボランティア連絡会」(以下、さんぽ会)が活動しています。
結成13年目を迎える同会の活動を紹介します。
さんぽ会とは
福岡市民ボランティア団体「さんぽ会」は、東区福岡市民センターで開催された郷土史講座の受講生らによって、講座で学んだことをたくさんの人に伝えたいと、平成20年に結成されました。
約40人の会員が、毎月の定例会で地域の歴史に関する研究発表を行ったり、東区内の公民館などで開催される郷土史講座の講師を務めたりしています。
東区内の史跡を巡る町歩きを開催
さんぽ会は、年に10回程度、東区内の史跡を巡る「町歩き」を開催し、その際のボランティアガイドを行っています。
2021年1月11日に開催された箱崎地東区の町歩きには、抽選で選ばれた25人が参加しました。
この日は、筥崎宮(はこざきぐう)で行われた神事「承天寺一山報賽式(じょうてんじいちざんほうさいしき)」を見学した後、地東区内に点在する史跡や神社などを巡りました。
九大箱崎キャンパス跡地の開発が進む箱崎地区は、旧市街地としても知られ、貴重な建造物が数多く残っています。
※<1>~<8>は当日のルート順
<1>筥崎宮
本殿・拝殿・楼門・鳥居は国指定の重要予約文化財。
正月の「玉せせり」や秋の「放生会」は、多くの参拝客や観光客でにぎわう
<2>玉取恵比寿(たまとりえびす)神社
正月に筥崎宮で行われる「玉せせり」開始前に木玉が運ばれ、競り始めの地点となる
<3>ZEN環境設計
非公開の町家
<4>長性禅寺(ちょうしょうぜんじ)
室町時代に建立された寺
<5>車僧観音(しゃそうかんのん)
大和国吉野郡上北山村の白瀧山宝泉禅寺の正虎禅師を信仰した村人によって祭られたもの
<6>御茶屋跡(おちゃやあと)
参勤交代の諸大名、重臣や幕府の要予約人等の宿泊、休憩に利用された黒田藩別邸跡
<7>網屋天満宮(あみやてんまんぐう)
菅原道真を漁師の守護神として祭礼を行ってきた。
昭和29(1954)年に箱崎浜から現在地に移転
<8>藤野家(ふじのけ)住宅
非公開の町家
ガイドは、同東区には町家が福岡市内で一番多く残っている(約50軒)こと、「御茶屋跡」は、かつて参勤交代の際に、諸大名の宿泊や休憩所として利用されていたことなどを紹介しました。
参加者は
「テレビで見たことがあった承天寺一山報賽式を実際に見ることができて良かったです。箱崎にはあちこちに歴史的な建物があり、奥が深いと思いました。
またゆっくり見て回りたいです」
と笑顔でした。
次回は、2021年3月末に名島エリアの町歩きを計画しています。
さんぽ会ホームページ(「さんぽ会TOP」で検索)などでお知らせします。
東区の魅力を語り継ぐ仲間を募集
同会では、一緒に活動する仲間を募集しています。
会員の池間夏子さん(34)は
「公民館などで開催する郷土史講座では、紙芝居を作るなど工夫をしながら活動を楽しんでいます。さんぽ会のことをもっと多くの人に知ってもらい、老若男女問わず、東区の魅力を語り継ぐ活動に参加してほしいです」
と話します。
入会を希望する人は、加藤徳生会長(電話 092-090-6177-9478 FAX 092-603-6200)までご連絡ください。
同会の詳細は、ホームページでも紹介しています。
東区は、さんぽ会と協力して、東区内のエリアごとの史跡などをまとめた『東区歴史ガイドマップ』を発行し、東区役所となみきスクエアで配布しています。
また、東区ホームページ(「東区歴史ガイドマップ」で検索)でも公開し、町歩きのPRをするなど、活動を支援しています。
【問い合わせ先】
東区生涯学習推進課
電話 092-645-1144
FAX 092-651-5097