STARTUP CAFE 未来を描こう―アイデアをカタチに
コロナ禍で経済活動が停滞する中、市では将来を見据えた起業の動きが活発になってきています。市は、挑戦したい人や活躍したいという思いを後押しするため、チャレンジしやすい環境づくりを進めています。
チャレンジを応援「スタートアップカフェ」
市は、起業したい人が気軽に相談できる場所をつくろうと、6年前に「スタートアップカフェ」を開設しました。現在は、旧大名小学校を活用した市の官民共働型スタートアップ支援施設「フクオカグロースネクスト」(FGN)内に移転し、起業に興味のある人からすでに起業した人まで、さまざまな人たちが利用しています。
充実した機能と体制
スタートアップカフェには、起業の案内役であるコンシェルジュが常駐しています。毎日予約なしで相談でき、「何から始めればいいの」という質問から、アイデア固め、事業計画の作成、資金調達まで幅広く対応します。IT、介護、福祉、ゲームなどに精通した各分野のコンシェルジュにも相談可能です。また、毎週木曜日夕方には、行政書士等の専門家との個別相談も実施しています(要予約)。
他に、スタートアップ企業とそこで働きたい人をつなぐ「人材マッチングセンター」、海外展開を考えている人や福岡で起業したい外国人の相談を受ける「グローバルスタートアップセンター」などの機能も備えています。さらに、「雇用労働相談センター」も併設され、弁護士等が常駐して、労務や人事等の相談に応じています。
コンシェルジュの佐藤賢一郎さん(35)に話を聞きました。
コロナ禍でも、相談件数は増えています。特に大学生をはじめとした若年層の起業への意識が変わってきました。オンライン相談を4月に始めてから、なかなか来所できない子育て中の人や、訪問したいが行くとなると身構えてしまうという人などからの相談も増え、以前より敷居は下がっている気がします。
法人設立をサポート
一昨年、スタートアップカフェ内に「開業ワンストップセンター」を開設し、法人を設立する際の手続きがまとめてできるようになりました。行政書士などの専門家が、手続きをサポートします。チャレンジしたい人はたくさんいると思います。頭の中にやりたいことがあれば、遠慮なく相談にお越しください。私たちが、寄り添いながらサポートします。まずはここから一歩を踏み出しましょう。
スタートアップカフェを利用して月額定額制の菓子販売会社「ホトギ」を起業した、橋爪飛馬さん(31)の話
当初はカフェを始める予定でしたが、コロナ禍でも売り上げが見込める、インターネットを利用した菓子販売に方向転換しました。お菓子を選んだ理由は、打撃を受けている地方の土産店を元気にしたい、現地でしか買えない珍しいお菓子でみんなを笑顔にしたいという思いからでした。
6月に相談を始めて、必要な知識習得のため4回の研修を受け、8月の開業までコンシェルジュたちが的確に導いてくれました。スタートアップカフェは、対応がしゃくし定規ではないところが魅力です。恵まれた環境を存分に活用できました。
スタートアップ関連イベント
集まれ!未来の起業家たち
テック・スプリングキャンプ
ゼロからビジネスプランを企画し、アイデアをプログラミングで形にします。初心者でも参加可能です。
【日時】 2021年2月28日(日曜日)、3月7日(日曜日)、14日(日曜日)、21日(日曜日)※連続4回のオンライン講座
【対象】 市内に住むか通学する中学生・高校生
【申し込み】 2021年2月14日までに福岡市ホームページ(「福岡市 テックスプリングキャンプ」で検索)でお申し込みください。 問い合わせ 創業支援課 電話 092-711-4455 FAX 092-733-5901
スタートアップ向け成長支援イベント
FGN CALLING(コーリング)
コロナ禍でのスタートアップ企業の変化や適応策について、起業家による体験談や事業紹介(ピッチ)で共有します。また、投資家や先輩経営者との個別相談、マッチングの機会も提供します。※オンラインで開催。
【日時】 2021年2月18日(木曜日)、19日(金曜日)午後1時半から
【申し込み】 ホームページ(「FGN」で検索)でお申し込みください。 問い合わせ Fukuoka Growth Next運営委員会事務局 電話 080-8375-8609
スタートアップカフェ
開館時間 午前10時~午後10時(相談受け付けは9時まで)※緊急事態措置期間は、午後8時以降、オンライン相談のみ対応。
フリー電源・Wi-Fiを備え、コワーキングスペースとしても利用可能。詳細は、ホームページ(ホームページ http://startupcafe.jp)に掲載しています。
■問い合わせ先/スタートアップカフェ 電話 080-3940-9455 メール fukuoka@startupcafe.jp
■企業診断「ゼロドック」
「ゼロドック」は、企業が労務課題を解決し、成長を加速させるための無料診断サービスです。LINE(ライン)を使って設問に「はい」「いいえ」で答えると、専門家から留意すべきポイントと対応策を示した診断票が届きます。問い合わせは、雇用労働相談センター(電話 080-1001-4675)へ。
■新規創業促進補助金 会社設立に係る税の実質完全無料化
特定創業支援等事業の個別相談等によって、起業に必要な四つの知識(経営・財務・販路開拓・人材育成)を身に付け、登録免許税の半額軽減を受けた人は、さらに市の補助を受けられます。市が残りの半額相当(株式会社は7万5,000円、合同・合名・合資会社は3万円)を補助し、実質無料で会社設立が可能です。問い合わせは、創業支援課(電話 092-711-4455 FAX 092-733-5901)へ。
エンジニアフレンドリーシティ エンジニアが輝くまちに
専門的な知識や技能を持つエンジニアは、最先端技術を駆使して新しいサービスや製品を生み出し、私たちの快適な暮らしを支えています。思い描く未来をテクノロジーによって創り出しているのがエンジニアです。
エンジニアカフェに集う
「エンジニアフレンドリーシティ」とは、エンジニアが集まり、活躍し、成長するまちを目指す市の取り組みです。その実現のために、「エンジニアカフェ」が令和元年8月に赤煉瓦(れんが)文化館内に誕生しました。エンジニアの視点で快適な環境や設備を整え、常駐スタッフが、エンジニアやエンジニアを目指す人からの相談に対応します。エンジニアのコミュニティが開催する各種セミナーや交流会のサポートも行います。
カフェを併設した1階メインホールは、用途に応じて作業できるコワーキングスペースで、イベントにも利用できます。地下には、1席ずつ仕切られた集中スペースや、ミーティングスペース、制作作業ができるメーカーズスペースがあります。
エンジニアたちを見守りサポートするコミュニティマネージャーの鈴谷瑞樹さん(37)に話を聞きました。
プロスポーツ選手が毎日練習するのと同じように、エンジニアも日々プログラミングを勉強し、皆さんが日頃親しんでいるスマホなどの製品やゲーム・動画などのアプリを開発しています。孤独なイメージがあるかもしれませんが、実は野球やサッカーのようにさまざまな特技を持った仲間が集まって、互いに技術を磨き成功や失敗に一喜一憂しながら、チームで開発をしています。
新技術や新製品に興味を持つ他業種のエンジニアと、ここでつながることもできます。新しいコミュニティが生まれ、皆さんを驚かせたり楽しませたりする、製品やアプリなどの開発へと展開する拠点になればうれしいです。
全国のエンジニアが福岡市に集まり、住んで、生き生き仕事をしてほしい。興味がある、話を聞いてみたい、何でも構いません。イベントも行っていますので、気軽にお越しください。
未来のエンジニアも
定期的にイベントを開催している植田鷹勇さん(21)に話を聞きました。
私は通信制の大学でエンジニアを目指して勉強しています。人と接することやプレゼンテーションの機会が少ないため、ここで月に2回、テーマを決めてイベントを開催しています。
今日の勉強会には、異業種の5人が来館し、オンラインで20人以上が参加しました。初めて会う人も多く、社会人参加者は就職についてアドバイスしてくれました。通信環境が整っていて、会場の設営も手伝ってくれるので助かっています。これからも新しいことに挑戦し、ここでワクワクすることを見つけたいと思います。
エンジニアカフェのイベント
<1>コミュニケーションと情報モラル
【日時】 2021年2月13日(土曜日)午前11時~正午
【対象】 小学3~6年生 コミュニケーションツール「note」(ノート)を使用して、ゲーム感覚で楽しく学びます。
<2>scratch(スクラッチ)でゲームを作ろう
【日時】 2021年2月21日(日曜日)午後3時~5時
【対象】 プログラミング言語「スクラッチ」を使ったことがある小・中学生 スクラッチを使ってオリジナルゲームを作ります。
<1><2>どちらも保護者同伴。詳細はホームページ(「エンジニアカフェ」で検索)で確認を。2月<1>1日<2>7日以降にホームページのイベントページからお申し込みください。
エンジニアカフェ
開館時間 午前9時~午後10時※緊急事態措置期間は、午後8時以降、オンライン対応のみ。
5G対応、フリー電源・Wi-Fiあり。地下1階の集中スぺース、ミーティングスペース等を利用の際は1階受付へ。
■問い合わせ先/エンジニアカフェ 電話 080-6742-7231 メール info@engineercafe.jp
エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード
「エンジニアフレンドリーシティ福岡アワード」は、福岡のエンジニアのコミュニティ文化の発展に貢献した「エンジニアコミュニティ」と、エンジニアが働きやすい環境づくりや成長につながる取り組みを行った「企業」をたたえ表彰するものです。
今年度は、コミュニティ部門4団体(フクオカドットアールビー、ライン デベロッパー グループ キュウシュウ、女子だらけの電子工作、フクオカ ニワカ)と企業部門5社(ヌーラボ、ヤマップ、グルーヴノーツ、オルターブース、GMOペパボ)が受賞しました。
その中からコミュニティ部門の2団体を紹介します。
フクオカ ニワカ
日本で初めてロボットコンテストの世界大会「ロボマスター」に出場し、ベスト16を獲得しました。世界一を目指して学生や社会人エンジニアたちが集まり、福岡のロボット技術を国内外に向けて発信しています。
女子だらけの電子工作
「電子工作にかわいいが加わったらきっと最強」を合言葉に、女性や子どもが安心して電子工作を楽しんでもらえるよう、4年前から活動しています。「かわいい」がテーマであれば、性別は問わず、初心者でも気軽に参加できるコミュニティです。
■問い合わせ先/新産業振興課 電話 092-711-4334 FAX 092-733-5901