例年,春から夏にかけて,カラスに関する苦情や被害の相談を数多くいただいております。カラスの習性,被害防止策など,カラスに関するよくある質問をまとめました。
カラスを含む野生鳥獣がもともと棲んでいた場所が,住宅地などに開拓され,カラスが棲む場所やエサがなくなったことや,住宅地に生ゴミなどの食物が豊富であること,街路樹や電柱などの巣作りができる環境があることなどが挙げられます。
カラスはエサをもとめてゴミ袋を荒らします。ゴミを出すときは,以下の点に注意しましょう。
カラスは繁殖期(3月から7月ごろ)に,市街地の公園の木や街路樹,電柱などに巣を作り,ヒナを育てます。この時期に巣の近くを通ると,子育て中で神経質になっている親ガラスがヒナを守るため,通行人を威嚇したり,後ろから人の頭をめがけて飛んできたりすることがあります。
対処法としては,自己防衛が基本となります。
カラスの巣を見つけたときは,できるだけ近くを通らないようにしましょう。どうしても通行しなければならないときは,傘をさす,帽子をかぶるなど,頭上を守る方法が有効です。
親ガラスが人を襲うときは前兆があります。巣に近づくと,はじめは「カァッ,カァッ」と短い声で鳴きながら頭上を飛び回り警戒します。その後,近くの木などにとまって「ガァー,ガァー」と濁った声で鳴き始めます。それでも立ち去らない場合に,後方から襲ってきます。そうなる前に,すぐにその場を離れるようにしましょう。
カラスを含む野生鳥獣は,「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」により,許可なく捕獲や駆除を行うことが禁じられております。よって,福岡市においても,カラスの捕獲や駆除を行っておりません。
生活被害がひどく,防除対策などをしても被害が軽減しない場合は,専門業者(有料)が捕獲等の許可を得て対応することがあります。対応可能な専門業者については,電話帳やインターネットで調べてください。
カラスの巣は,卵やヒナがいない場合に限り,撤去することが可能です。この場合は,巣がある場所(街路樹や電柱など)の管理者を確認し,管理者に被害状況を説明して,巣の撤去を依頼してください。
カラスなどの野生鳥獣は,自然のままに生きていくのが本来の姿であり,自然の中での出来事については見守ることが基本です。現在,カラスの生息数が増え,様々な被害をもたらしています。もし弱っているカラスを見かけても,そのまま見守ってください。
カラスを含む野生鳥獣の死体が,福岡市内の道路や歩道などの公道にある場合は,専門の回収業者である『井ノ口商会(環境局の委託業者)』が無料で回収しております。ただし,死体が民有地にある場合や,所有者(占有者)が判明しているペットである場合の回収については,有料となりますのでご注意ください。
『井ノ口商会』 TEL:092-671-3895 (福岡市内に限る)
「都会のカラス ~その被害と私たちにできること~」(環境省発行) (7,839kbyte)