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写真1 太型蛤刃石斧柄 |
写真2 諸手鍬未製品 |
元岡・桑原遺跡群は糸島半島の東側付け根に位置する遺跡群で、九州大学移転に伴い1995年より大規模な発掘調査がおこなわれています。12次調査地点では奈良時代の製鉄炉26基が発見されました。その南側の谷からは半裁した木の内側を刳りぬき、合わせた管状の木製品が10点ほど出土しています。長さ60cm、径4〜6cmの大きさで、一方が焦げていました。これらは炉の温度を上げるために空気を送り込むための送風管です。木製の送風管の出土は珍しく、元岡・桑原遺跡群の他の地点では土製の送風管が出土しています。 | ![]() |
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写真4 舟形 |
写真5 横槌状木製品 |
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写真6 火錐臼 |
写真7 鳴鏑 |
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註
1)エダックス社製エネルギー分散型蛍光X線分析装置(Eagle μprobe/対陰極:モリブデン(Mo)/検出器:半導体検出器/印加電圧:20kV・電流値2400〜805μA/測定雰囲気:真空/測定範囲0.3oφ/測定時間120秒)。なお、今回の分析も非破壊の定性分析をおこなった。分析は全ての資料を対象におこないたかったが、大型品や、厚みの差が著しい資料に関しては資料室の構造上、調査が困難であったため分析できなかった。
【参考文献】
肥塚隆保 1999「ガラスの調査研究」『日本の美術』No.400 至文堂
佐藤一郎2008「博多居留宋人が遺したもの」『福岡市博物館研究紀要』第18号 福岡市博物館
比佐陽一郎 2008「ガラス」『中世都市博多を掘る』 海鳥社
比佐陽一郎 2009「博多遺跡群161次調査で出土したガラス資料と156次調査出土の権について」『博多126―博多遺跡群第161次調査報告―』 福岡市埋蔵文化財調査報告書第1038集 福岡市教育委員会
比佐陽一郎・片多雅樹 2003「今宿遺跡3次調査出土ガラス小玉の保存科学的調査」『今宿遺跡2―第3次調査の概要―』福岡市埋蔵文化財調査報告書第738集 福岡市教育委員会