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今回の展示では青白磁(せいはくじ)の「合子(ごうす)」をご紹介します。身には蓋をうける部分がつくられていて,蓋とセットで用をなす小さな容器です。「影青(いんちん)」ともよばれる青白磁(せいはくじ)は,釉薬(ゆうやく)が模様にたまって水色を呈する美しさから,中国宋代に江西省景徳鎮窯(こうせいしょうけいとくちんよう)などで盛んに生産され,平安時代後期から鎌倉時代にかけて日本にも輸出されました。蓋には宋代の陶磁器に多くみられる花鳥が表現されることが多いのですが,展示品には牡丹(ぼたん)と鳳凰(ほうおう)が描かれています。福岡市では,当時国際貿易港として栄えた博多遺跡群などから出土しますが,幕府のあった鎌倉や全国に点在する経塚(きょうづか)などからも発見されており,商品として流通し,有力層に珍重されたであろうことがわかります。 青白磁の合子は,中国でも日本でも,お墓や寺院,経塚などから出土しており,中にお香や砂金,白粉(おしろい)をいれた痕跡があることもわかっています。現在でも同形の容器は,仏具や茶道具の香合(こうごう)として使用されています。 中世博多に暮らした人々は美しい小さな合子に何をいれたのでしょうか。 |