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滑石は最もやわらかい鉱物の一種です。加工が容易なことから、古来より様々な道具の素材として使われてきました。九州でも福岡県篠栗町や、長崎県西彼杵半島などの産地が知られています。 弥生時代や古墳時代にはネックレスに用いる小さな玉や、過去のこのコーナーでも紹介した子持ち勾玉などに用いられ、その後、中世になると、熱伝導率や保温効果などから鍋などの生活用具にも用途が広がっていきます。 そんな滑石製品の中に、謎の資料があります。時代は中世。直径1.5〜2.5cmほどの窪みが付けられています。窪みは一つのものと、二つ、中には4つのものがあります。これらがすべて同じ用途に使われたのかも分かりません。 中世の貿易都市であった博多遺跡群と、その隣の箱崎遺跡から最も多く出土していますが、他にも博多区の雀居、西区の橋本榎田、更には早良区の東入部といった遺跡でも見つかっています。 |