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この有文木製品は、復元すると直径35センチほどの円盤形を呈しており、中心に丸い透かしが入っていたと考えられます。 表・裏ともに重孤文(じゅうこもん)(同心円状の文様)、鋸歯文(きょしもん)(三角形を連続して並べたのこぎりのような文様)などが複雑に組み合わせて彫られています。 文様の緻密さ、彫りの深さが均一であることから、熟練した腕を持つ人物が作ったのではないかと推測されます。 また、全体に赤色顔料も塗られていました。作られた当時は、華やかで人目を引くようなものだったでしょう。 用途については明確にわかっておらず、さしば(儀式などで貴人に差し掛けて顔を覆う道具)、盾(たて)、あるいは何らかの標識など様々な説があります。 二千年以上前に生きていた人々の豊かな想像力、卓抜した技術、美的センスがうかがえる逸品です。 |