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ネズミ返しとは,円形もしくは隅丸方形の板の中心に方形の孔をあけた建築部材である。高床(たかゆか)式の建築物において,床下柱の上端付近にこれを取り付ける。柱をつたってのぼるネズミにとっては進路がオーバーハングになるため,先に進めない。結果として,屋内へのネズミの侵入を防ぐことができる。 静岡県山木(やまき)遺跡ではこのネズミ返しが柱に装着した状態で出土したほか,斜方向に孔をあけた長方形状のものもあり,梯子(はしご)に取り付けたものだと考えられている。 現代に及ぶ人間とネズミの戦いは,弥生時代にすでに始まっていたのである。 |