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古代の矢の先端に取り付ける鏃(やじり)には、一般的に石や金属が使われます。しかし中には木で作られた「木鏃」もあります。これは鳥撃ちに使ったという説もあるようですが、ここに示す2点の木鏃は先端が鋭く三角形に加工されるなど、一般的な木鏃に比べて精緻な加工が施されています。先端部の形状は古代中国で使われた弩(ど、いしゆみ)の鏃とされる三翼鏃(さんよくぞく)にも似ています。 弩は中国で秘密兵器とされ国外には伝わらなかったと考えられています。実は密かに日本にも弩が伝来していたのか、それとも鏃の形だけが伝わったのか、あるいは偶然の類似か、その解明には更なる発見や研究が必要です。 |