開発許可制度のあらましです。次のリンクから該当箇所へジャンプできます。
「開発許可制度」とは、都市計画法に基づき、次の二つの役割を果たすことを目的として、開発行為等について都道府県知事等(福岡市では福岡市長)の許可を要することとして、許可基準に該当しない開発行為を制限する制度です。
この二つの役割を果たすため、開発許可制度における許可基準としては、次の2種類の基準が用意されています。
一般的には、市街化調整区域における建築行為等の規制などの内容も、開発許可制度の範囲に含まれます。
また、開発許可制度の主な役割は、制定当時、スプロールの弊害を防止することでありましたが、近年ではコンパクトシティを実現するための役割も重要になってきております。
都市計画制度における開発許可制度は、【技術基準】や【立地基準】への適合性の審査を通じて、都市的土地利用を行う前提として良好な宅地水準を確保すること、また都市計画に定められた土地の利用目的に沿った開発行為が行われるようにして立地の適正性を確保することという二つの役割を有しています。また、特に近年では、コンパクトシティを形成していく必要性が高まっており、まちづくりの将来像を示すマスタープランの内容を実現する手段としても開発許可制度が重要となってきています。
以下に、開発許可制度の個別的な内容を福岡市における場合を中心に挙げておきます。
昭和30年代に始まる高度経済成長にともなって、人口や産業が激しく都市に集中し、郊外部においていわゆる「スプロール」が進行し、道路や公園のように、安全で快適な都市生活を営むためになくてはならない施設が整備されないままに、市街地が形成されるといった弊害が起きました。
このため、都市計画区域について、すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき「市街化区域」と市街化を抑制すべき「市街化調整区域」とに区分し、計画的な市街化を図る「線引き制度」(区域区分制度)が都市計画法に導入されました。
さらに、この「線引き制度」を担保するために創設されたのが「開発許可制度」です。つまり、市街化区域及び市街化調整区域においては、主として建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為を都道府県知事(福岡市では福岡市長)の許可に係らしめて、開発行為に対して一定の水準を保たせるとともに、市街化調整区域にあっては一定のものを除き開発行為を行わせないこととして、その目的を達しようとする制度です。
また、近年は、市街地の拡散と人口減少・高齢化の進展により低密度な市街地が形成され、既成市街地における空き地、空き家等の低未利用土地の発生、将来的なインフラストラクチャーの維持・更新に係るコストの増大等の懸念が生じています。さらに、頻発・激甚化する自然災害を踏まえた災害リスクの高いエリアにおける新たな開発行為の抑制も喫緊の課題となっています。これらのことから、コンパクトシティを形成していく必要性が高まっており、開発許可制度は、都市計画に関する他の制度とあいまって、まちづくりの将来像を示すマスタープランの内容を実現する手段としても重要となってきています。
開発行為の定義については、次のリンク先をご覧ください。
都市計画区域(区域外は1ヘクタール以上)において開発行為をしようとする方は、開発許可が不要の場合を除き、あらかじめ、福岡市においては福岡市長の許可を受けなければなりません。(法第29条)
開発許可申請の手続きについても法律に規定されています。手続きの流れについては、次のリンク先をご覧ください。(法第30条)
開発行為等の規制(都市計画法第三章第一節の規定)の権限は都道府県知事等にあります。具体的には、開発許可権者は次の通りです。
都道府県知事の権限は、指定都市の区域内にあっては、当該指定都市の長が行うこととされているため、福岡市においてはこの権限は福岡市長にあります。
なお、この事務を分掌する課は、「福岡市事務分掌規則」により、開発・建築調整課(当課)と定めれらています。
開発許可制度を適用する必要性、効果及び開発者の負担等を勘案して、一定規模未満の開発行為については制度の適用除外とされています。福岡市における規制対象規模については、次のリンク先をご覧ください。(法第29条)
スプロールの弊害を惹き起こすおそれがない開発行為などについては、開発許可が不要とされています。この場合については、次のリンク先をご覧ください。(法第29条第1項ただし書き)
開発許可制度における開発許可の基準としては、次の2種類の基準が定められています。
【技術基準】とは、道路、公園、給排水施設等の確保、防災上の措置等に関する基準です。地方公共団体の条例で、一定の強化又は緩和、最低敷地規模に関する制限の附加が可能とされており、福岡市においても条例でこれらの強化等を行っております。
【立地基準】とは、市街化を抑制すべき区域という市街化調整区域の性格から、許可できる開発行為の類型を限定する基準です。詳細については、次のリンク先をご覧ください。
市街化調整区域のうち、開発許可を受け た開発区域以外の区域においては、都道府県知事等(福岡市では福岡市長)の許可を受けなければ、一定の建築行為をしてはならないと定められています。(法第43条第1項本文)
この原則的な禁止の例外として許可する場合の基準は次の通りです。(法第43条第2項)
排水施設の確保、防災上の措置に関する基準です。
市街化を抑制すべき区域という市街化調整区域の性格から、許可できる施設の類型を限定しています。許可基準は上述の(7)開発許可の基準に準じています。
この場合の許可は通称で「建築許可」と呼ばれています。詳細については、次のリンク先をご覧ください。
市街化調整区域において開発行為を行わない建築行為等については、スプロールの弊害を惹き起こすおそれがない場合などには、建築許可が不要とされています。この場合については、次のリンク先をご覧ください。(法第43条第1項ただし書き)
開発許可制度の内容を法律の条文ごとに整理すると以下のとおりとなります。(法律等の名称については、次の略称を用います。法:都市計画法、施行法:都市計画法施行法、令:都市計画法施行令、規則:都市計画法施行規則)
用語の定義です。開発許可制度に関しては、「建築物」(「建築」)、「特定工作物」(「第一種特定工作物」、「第二種特定工作物」)、「開発行為」、「開発区域」、「公共施設」(道路、下水道、公園、緑地、広場、河川、運河、水路及び消防の用に供する貯水施設)が定義されています。
市街化区域及び市街化調整区域の区域区分(区域区分制度)について定めた規定です。
開発許可が不要な場合についても定められています。
開発許可申請の手続きについての規定です。
設計者の資格についての規定です。開発区域の面積が1ヘクタール以上の開発行為に関する工事が対象となります。
開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、公共施設の管理者の同意を得る等の手続きをとるべき旨を定めた規定です。開発行為の円滑な施行、公共施設の管理の適正性等を確保することを趣旨としています。
協議先については、次のリンク先をご覧ください。
福岡市では、この同意等に先立ち、公共施設等の配置及び整備、土地利用の調整等について事前に協議を行うことを義務付ける制度を条例で定めています。手続については次のリンク先をご覧ください。
開発許可の基準のうちいわゆる【技術基準】を定めた規定です。詳細については、次のリンク先の該当箇所をご覧ください。
開発行為の目的の種類に応じて関係基準の適用範囲が異なります。その申請上の種別については、次のリンク先をご覧ください。それぞれの場合で、開発行為に関する技術基準の全てではなく、一部の規定が適用されます。また、申請書の添附書類や申請手数料も異なります。
同条第1項第14号に規定されている開発行為の施行等の妨げとなる権利を有する者についての取扱いに関連して、これらの権利を有しない開発区域の周辺住民等に対する説明等についても福岡市では独自の取扱いを条例で定めております。
開発許可の基準のうちいわゆる【立地基準】を定めた規定です。市街化調整区域において行う開発行為について、法第33条に加えて、その許可基準を定めたものです。詳細については、次のリンク先をご覧ください。
開発許可の特例です。国又は都道府県等が行う開発行為については、これらと開発許可権者との協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなす規定です。一部の場合を除き、開発許可の場合と同様の規定が適用されます。
開発許可に対する処分(許可又は不許可)の迅速な処理と通知についての規定です。処分は文書(書面)をもって通知します。
工事完了の検査と公告について定めた規定です。
手続については、次のリンク先をご覧ください。
開発区域内の土地で、工事完了公告までの間において行われる建築等の制限に関して定めた規定です。
開発工事の工程上や施行上やむを得ない場合の例外的な取扱いも定められており、通称で「建築承認」、「37承認」などと呼ばれています。「建築承認」については次のリンク先をご覧ください。
開発行為に関する工事の廃止についての規定です。
開発許可を受けた開発行為等により設置された公共施設の管理権の帰属についての規定です。
開発許可を受けた開発行為等により設置された公共施設の用に供する土地の帰属についての規定です。
用途地域の定められていない土地の区域における開発許可があった開発区域内の土地において建築される建築物の敷地、構造及び設備に関する制限(建蔽率・容積率等の指定)についての規定です。
開発許可を受けた開発区域内において行われる建築物の新築、改築又は用途の変更について制限を行おうとする規定です。これに基づく許可は、法第34条と同様に、通称で「建築許可」と呼ばれることがあります。
市街化調整区域のうち、開発許可を受けた開発区域以外の区域で行われる建築物の新築、改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設について、制限を行おうとする規定です。これに基づく許可は通称で「建築許可」と呼ばれます。
建築許可が不要な場合についても定められています。
開発許可(法第29条)又は建築許可(法第43条)を受けた者の一般承継人について、許可に基づく地位の承継(一般承継)を定めた規定です。
開発許可を受けた者の特定承継人について、開発許可に基づく地位の承継(特定承継)を定めた規定です。法第44条とは異なり、建築許可に基づく地位の承継についての規定はありません。
開発登録簿の調整及び保管についての規定です。
開発登録簿について、登録すべき事項、調整及び保管について定めた規定です。
市街化区域の計画的市街化を積極的に推進するため、民間の開発行為に対しては国及び地方公共団体が援助に努める旨を定めた規定です。
(削除、平11法87)
開発許可等の処分に関する不服申立ての規定です。
鉱業等との調整に関する事項を理由とする不服審査についての規定です。
審査請求と訴訟との関係についての規定です。
開発審査会の組織及び運営に関する規定です。
開発許可等について、都市計画上必要な条件を附することができることの規定です。
開発許可権者が都市計画法の規定による許可又は承認を受けた者に対し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告若しくは助言をする権限について定めた規定です。
開発許可権者が行う監督処分についての規定です。法の規定に違反する開発行為及び建築行為について、許可の取り消し等の措置をとることができると定まられています。
立入り検査に関する規定です。
都道府県知事の権限の委任についての規定です。(臨港地区に係る事務)
罰則に関する規定です。
法の施行期日を別に定める旨、都市計画法(大正8年法律第36号)及び住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号)の廃止、経過措置等です。
都市計画法の施行期日を定めた規定です。昭和44年(1969年)6月14日とされました。
都市計画法の施行に伴い住宅地造成事業に関する法律(通称:「事業法」)が廃止されることとなるため、それに伴う必要な経過措置について定められた規定です。
開発許可制度の関係基準、参考文献等は以下のとおりです。
部署:住宅都市局建築指導部開発・建築調整課
住所:福岡市中央区天神一丁目8番1号(市庁舎4階)
電話番号(1):092-711-4587(東区、博多区、中央区及び南区の担当:開発指導第1係)
電話番号(2):092-711-4588(城南区、早良区及び西区の担当:開発指導第2係)
FAX番号:092-733-5584
電子メール:kaihatsu-kenchiku.HUPB@city.fukuoka.lg.jp
WEB:開発許可申請等の手引き【開発指導ホームページ】(索引附き)
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